今年の「海大臣」はこんな味。とびきりおいしい11種類。
  • よろずよ
  • 「出会いの強さが印象に残る海苔だね!」
    という意見に、全員一致で同意。
    香り、申しぶんなし。
    口どけ、よし。
    張りがあって、しゃくしゃくとした歯ごたえとともに、
    少し強めの、はっきりとした塩気を感じ、
    香ばしさにつづいて、ほんのりと、
    海苔らしい苦味が追いかけてきます。
    海大臣には、さらりと溶けるタイプもありますが、
    この海苔はどちらかというと繊維が残るので、
    口のなかがしばらく楽しいのも特徴です。
    「今回のなかでいちばんオーソドックスで、
    バランスがいい海苔じゃないかな」
    という意見も。
    ちなみに「よろずよ」は、
    万葉のことばで、「永遠に」という意味です。
  • うらうらに
  • 料理を食べたときに感じる味は、
    順番に「先味」「中味」「後味」があると言われます。
    最初に入ってくる味、途中で感じる味、
    食べ終わったあとに、口にのこる味。
    「うららかに」という意味の名前のこの海苔、
    その「後味」がとてもいいんです。
    だから、逆に言うと、
    口にいれてすぐに「わぁっ!」とは、ならない。
    うっかりすると「海大臣にしては押しが弱いかも?」なんて
    思ってしまいそうですけれど、
    声を大にしていいたい。「ちがうのです!」って。
    最初はサクサク軽く、口のなかですっととけたあと、
    煎り豆みたいな風味が残ります。
    だからでしょうか、ついつい「もう1枚!」と、
    いきたくなる、そんな海苔なんです。
  • かぎろひ
  • シャリッとした歯応えとともに、
    最初に感じるのは、あまみのあるやさしい味。
    そして、口から鼻へと、静かで豊かな海を思わせる、
    品のいい香りが抜けていきます。
    塩分は、ほかの海大臣とくらべ、やや控えめですが、
    しっかりとしたうまみがあって、
    さらりと口で溶けたあと、さわやかさな印象が残ります。
    選考メンバーのひとりは、
    「ああ、食後、ひろびろとした感覚になるなぁ」
    なんて言っていました。
    さらに、すめしを巻いて食べてみて、一同、びっくり。
    「‥‥ん! ごはんと合わせたときの、
    この“炸裂感”はいったい???」
    この海苔で手巻きずしをつくったら、
    きりなく食べてしまいそうですよ、ご注意ください。
    「かぎろひ」は万葉のことばで
    ゆらめく光や景色を意味しています。
  • いちしろし
  • 味の濃さ、香ばしさ、あまさ、
    うまみ、塩分、
    そしてサクサクとした歯応え。
    海大臣らしさがぜんぶ詰まっているのがこの海苔です。
    ものごとがハッキリしているさま、という意味をもつ
    万葉のことばから、「いちしろし」と名付けました。
    特筆すべき個性は、あまみ。
    食べてすぐ口ぜんたいに広がったあと、
    食べ終わっても、なお、残るほどなんです。
    「これは、こどもに食べさせたら、
    あっという間になくなっちゃうかも‥‥」
    なんて心配をしている選考メンバーもいました。
    また、ごはんといっしょに食べても、
    そのサクサク感がいい感じに残りますから、
    おにぎりだったら、食べる直前に巻くのもよさそう。
    (もちろん、しんなりしても、おいしいです。)
  • ゆらら
  • 出会いは淡く、上品。
    けれども食べているうちに味が高まり、
    隠れた強い個性を持っている
    海苔だということがわかります。
    「ゆらら」は万葉のことばで
    玉(ぎょく)のひびきあうさまをあらわしています。
    塩味、あまみ、両方がバランスよく、
    香ばしさも、後半に立ってくる、
    「じわじわおいしい」海苔です。
    ハリがあって、
    そのまま食べてもおいしいのですけれど、
    ごはんを合わせたときに、また一段と力を発揮。
    ごはんのあまみの奥で、
    香ばしさと、焼海苔ならではのコクが際立ちます。
    選考会では、ほんのりスモーキーな印象を
    感じたひともいました。
    ぜひ、ほかの海大臣と食べ比べてみてくださいね。
  • かぐはし
  • ことしの海大臣の名前は
    万葉のことばからつけています。
    まさしくこの海苔は「かぐわし」(=香りがよい)だけあって、
    海苔らしい香りのよさが特徴です。
    海の香り、焼きゆえの香ばしさ、
    さらに、なんだかそれだけじゃない風味があるような。
    (もちろん海苔だけなのですよ、
    ほかに何か混ぜていません。)
    「海苔だけなのに、おせんべいを食べているみたいだ!」
    と、選考メンバーのひとりが言ったほどです。
    厚くはないけれどサクサクした歯応えと同時に、
    ぱぁっと香ばしさが立ち、
    つよい塩味とあまみが口にひろがります。
    おつまみとしてそのまま食べてもいいのですが、
    ごはんと合わせたときも、
    「相性、最高!」との声があがりました。
    この海苔が、お米と一体化する感じは、
    今回の海大臣のなかでいちばんかもしれません。
  • きらきらし
  • 厚みがあって、色とつや、申し分なし。
    通常だったら小穴が多く、
    くもりのある海苔の多い海大臣のなかで、
    めずらしい存在かもしれません。
    食べたときに感じるのは、
    香りよりも先に、カリッとしたインパクト!
    (ことしの海大臣のなかで、
    いちばんパリパリ感が強いと思います。)
    そして、噛んでいくうち、口のなかで溶け、
    上品な、さらりとした印象に変化します。
    最後に、ほんのりとうまみが残るのも特徴です。
    その強い食感と、やわらかな個性をいかして、
    サラダやおすしに使うのもおすすめですよ。
    「ととのっていてうつくしい」という意味をもつ
    万葉のことば「きらきらし」という名前をつけました。
  • さやけし
  • 「さやけし」とは万葉のことばで
    「くっきりとさわやか」という意味です。
    この海苔、まさしくその言葉のとおりに、
    はっきりとした個性があります。
    「香ばしい! まるで品川巻き(おせんべい)だよ。
    あまみも、あるなぁ」
    と、思わず選考メンバーが言いましたが、そのとおり。
    パリッとしていて、
    塩味と、うまみのバランスがとってもいいんです。
    サクサクとして濃い味ですが、
    力強い「ますらお」な海苔かというと、
    やさしさもあるし、口に入れたときのひろがり、
    さらりと溶けていく感じは「たおやめ」。
    こういう海苔、海大臣ならでは、です。
  • はろはろに
  • 「ディープインパクトだなぁ!」
    とは、ある選考メンバーの言葉。
    そんなにですか? と食べてみて、おどろきました。
    おお、これは強い!
    重量感あり、カリッと感あり、
    塩味あり、あまみあり。
    ある選考メンバーは
    「濃すぎるかも! まるで味付け海苔だ」と言ったほど。
    しかも、海の香りが強くって、
    食べているうち、海苔が海の草だということを
    思い起こさせる、そんな海苔なのです。
    そこで、「はるかに、はるばると」という意味をもつ
    万葉のことば「はろはろに」を名前につけました。
    この強すぎる個性、もしかしたらごはんを
    打ち負かしてしまうのでは、と思いましたが、
    なんのなんの、しっかりと寄り添います。
    そのコンビネーションは、
    名ボーカリストがコーラスに回ったら、
    名曲がさらにいい曲になった、
    というような感じかもしれません。
    ぜひお試しくださいね。
  • ふなよそひ
  • あまみがあってやさしい味。
    すなおに「おいしいね」と言える、
    海大臣らしい、食べごたえのある海苔です。
    食感が強いのに、
    口のなかであわく消えていくのも特徴。
    そのまま食べると、ついつい
    「もう1枚」と言いたくなります。
    選考会では
    「うん、きっとこの海苔は、ごはんに合うだろうなあ!」
    「ほんとですね、すめしにぴったりです」
    「ということは、おにぎりにも合うね」
    「磯辺焼きもきっと、いいですよ」
    と、みんなが「お米推し」になりました。
    「ふなよそひ」は、
    「櫂(かい)を立てる、乗組員がそろう」
    という万葉のことば。
    「ほぼ日」らしい名前の海苔なんです。
  • しお あらたまの
  • おだやかな香り、のんびりしたおいしさ。
    口どけがふわりとしていて、
    あまみが徐々にやってくる。
    かろみがあってやわらかく、
    ごはんと合わせたときの
    「とける具合が、すばらしい!」
    と選考会で感嘆のもれた海苔です。
    そのまま食べてもじゅうぶんおいしいこの海苔ですが、
    あえて、しお加工をすることで、
    淡いという個性をいかし、
    おいしさがひきたつ海苔ができました。
    海大臣のしお加工は、
    一般的な「味付け海苔」とはちがい、
    アミノ酸を使わず、
    植物油をふきつけてから、自然塩をまぶすという
    シンプルな工程でつくっています。
    そのままおつまみにもなりますし、
    もちろんごはんとの相性も抜群。
    サラダにまぶしたり、スパゲッティや炒飯、
    お肉を具材にした手巻きにしてもおいしいですよ。
    「あらたまの」は「あたらしい」の意味です。
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