ほぼ日の水沢ダウン2021《春の先行予約》予告 ほぼ日の水沢ダウン10年めの冒険 01 ダウンのなかを、展覧会場にしたい。 ほぼ日の水沢ダウン2021《春の先行予約》予告 ほぼ日の水沢ダウン10年めの冒険 01 ダウンのなかを、展覧会場にしたい。
2012年にはじまった「ほぼ日の水沢ダウン」は、
今年(2021年)で10年めを迎えます。

ひとつの節目だし、せっかくだから、
特別なものをつくってみたい。
いままでとちがう風景が見てみたい。
そう思いながらすすめた製品開発は、
最終的に自分たちでも意外な場所に着地しました。

2021年の「春の先行予約」は、そのささやかな冒険の
足跡をたどるところからはじめましょう。
これまで「ほぼ日の水沢ダウン」は、
ニットデザイナーの三國万里子さんに
デザインしていただいたオリジナルの編地柄を、
裏地全面にプリントしてきました。



それが「ほぼ日の水沢ダウン」のいちばんの特長だし、
お客さまにもよろこばれているけれど、
10年めだし、今年は思いきって変えてみようか。
そう考えて、さまざまなプランを検討した結果、
2021年は裏地のデザインについて、
「ほぼ日ホワイトカレンダー」などでお世話になっている、
画家の笹尾光彦さんにお願いすることにしました。
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▲笹尾光彦さん
笹尾さんの絵は、いつもすごく目に心地よくて、
うるさくも暑苦しくもなく、ずっとそばにあってうれしい。
なんてキャッチーなんだろうと、つねづね思っていました。
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そんな笹尾さんの絵(イラスト)が、いろんな種類で、
たくさんちりばめられた裏地をつくれたら、
すてきだし、特別なダウンになるなんじゃないか。
それが、わたしたちのばくぜんとしたプランでした。



いざお願いしてみたら、笹尾さんのさいしょの反応は、
「ぼくにできるかなぁ?」でした。



わたしたちからのオファーを受けて笹尾さんは、
以前の「ほぼ日の水沢ダウン」サイトをご覧になり、
水沢ダウンの製品としてのクオリティや
生産背景となるデサント水沢工場のこと、
そして、これまでの三國さんによる裏地デザインに、
いたく感銘を受けられたそうなのです。



それに見合う答えを自分が出せるのか? というのが、
「ぼくにできるかなぁ?」の真意なのでした。
なんというか、実に謙虚だし、真摯です。



もちろん、そんな心配は杞憂でした。
ミーティングを重ねていくうちに、
どうやら自信のあるアイデアにたどりついらしく、
笹尾さんは、こんなご提案をくださいました。
「ダウンのなかを、ぼくが描いた
ちいさな絵の展覧会場にしたい」
どういうことでしょう?



でも、なんだかすでに、おもしろそうです。



「1ヵ月後、ぼくからみなさんに、
 プレゼンテーションをさせてください」



わあ、こんな仕事のすすみかたは、はじめてです。
ワクワクして、わたしたちは1ヵ月後が
たのしみでしょうがありませんでした。



(つづく)
笹尾さんが回想する、そのときのこと
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「ダウンジャケットの裏地」というテーマは、
すごくおもしろいと思いました。

ただ、これはデザインの一種だと思うので、
画家としてふつうに絵を描くんじゃなくて、
そうじゃないことをしたいと思いました。
でも、じゃあ、そのコンセプトはなんだろうって、
1週間くらい悩んでしまって。

実は、ぼく、カレンダーの月文字を描いたときも、
「ほぼ日曜日」のロゴマークのときもそうだったけど、
お願いしてくれた人からブリーフィングを受けて、
いろんなことを根掘り葉掘り聞いているうちに、
たいていコンセプトはすぐ見つかるんですよ。
でも、これはむずかしくて、1週間かかりました。

今回はテーマが、ぼくが想像もしないような
「ダウンの裏地」っていうものだったので、
時間がかかったのかもしれないですね。
2021-04-09-FRI