手でギュッと掴むと、 ポンとはじけるような感じ。 品質が、さらによくなりました。
   

マフラーサイズの「ほぼ日のくびまき」は、
昨冬に販売したものと、スペック的にはおなじ、
‥‥なのですけれど、
手でさわった感じ、くびにまいた感じが、
ちょっとだけ、変化しました。

手でギュッと掴むと、
ポンとはじけるような感じ。
くびにまくと、よりたっぷり
空気をふくんでいるような印象。
つまり、くびまきの弾力性が、
昨冬バージョンよりも
つよくなっているんです。

その理由は、「染め」にありました。
糸染めには、高温での作業が必要なのですが、
コットンにくらべてウールは、高い温度に弱く、
高すぎると「脆(ぜい)化」といって
もろく、かたくなってしまいます。
コットンとウールが半々の比率で入っている
「中羊糸」のうち、弾力は、
ウールが受け持っている部分。
そのウールが脆化してしまっては、
弾力がうしなわれてしまうことになります。

ことしの「染め」は、より低温で、
時間をかけて行いました。
また、おなじように脆化をひきおこす
染料のPHバランス(酸性、アルカリ性のバランス)を
厳密にコントロール。
ウールのもつ弾力やしなやかさを、
昨冬にもまして、保った状態で
染め上げることができました。
そして、乾燥も、コットンを乾かすための高温ではなく、
ウールのための低温で、じっくり。
そのおかげで「中羊糸」の糸いっぽんいっぽんに、
この弾力がうまれたのでした。
(まるで、健康な髪の毛みたいなお話ですね。)

そんな糸で織った「ほぼ日のくびまき」。
昨冬のバージョンでも、もちろん、
やわらかさと弾力をかねそなえた
満足のゆく仕上がりではありましたが、
ことしは、それがさらに向上しています。
ただし、弾力がつよくなったぶん、
「シボ」と呼ばれる、独特の風合いの縦じわが、
すこしだけ、うすくなっています。
(でも、独特の“いい感じ”は、
 ちゃんと残っているんですよ。)
それから、昨冬は、
くるくるっと縮まった感じがかわいらしかった
「フリンジ」(端の房飾り)が、
糸に張りがでたぶん、すこし、まっすぐに。
これが、ことしの個性です。

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モデル:KIKI 写真撮影:有賀傑 協力:箱根菜の花展示室
スタイリング:井伊百合子 ヘアメイク:鈴木紀子