うわぁ、ちいさい！
そうなんです、なにしろ、
縦67ミリ、横100ミリ、厚さ20ミリで、
一般的な名刺入れよりも小さいくらい。
ぱっと見ただけでは
これがお財布とはわからないかもしれません。
定期やクレジットカードを入れるための
カードホルダーかな？　と思っちゃいそうです。

でも、これ、ちゃんと「お財布」なのです。
２つ折りにした紙幣が入りますし、
カードも２枚ほど、入る。
コインを入れるポケットだってあります。
entoanの富澤智晶さんが、
「ロングウォレットやハーフウォレットを
持っている人が、ちょっとお出かけのときだけ、
これを持ち歩くというイメージ」で
設計したものなんです。
だから、デザインは、
ロングウォレットをそのまま小さくしたよう。

ふだんは、大きめのお財布に
たくさんのカード類や領収書類を入れている人も、
コーヒーやお弁当を買いに出るときなど、
「ちょっとそこまで」の買い物だったら、
カードと小銭、スマホ、家の鍵があれば大丈夫、
ということって、ありますよね。
女性なら、ちいさなバッグで出かけるシーン、
男性なら、それこそ「手ぶら」で出かけたいとき、
また、海外旅行先などで、大きな（全部入っている）財布を
人前で出すのはちょっとこわいな、というときにも、
このサイズの財布は、便利です。
デニムなど、ポケットのある服だったら、
そんなに目立つことなく、仕舞うことができますから。

本体は牛革、ボタンは真鍮。
イタリアのトスカーナ地方でつくられる、
植物性タンニン鞣（なめ）しの革は、
entoanのふたりが小物づくりで愛用しているものです。
使うほどに色に深みが増してつやが出るので、
きっと、長くお使いいただけると思います。
革の色は４種類。
ナチュラル、マスタード、レッド、ネイビーです。
新色のレッドは、最初はくっきりとした赤ですが。
使ううちに、だんだんとくすんだ色合い、
ボルドーの赤ワインのような色になっていきます。
ちなみに、革が元々持っているシワ、キズ、
汚れ、シミ、血筋の跡などが見られることがありますが、
革素材の独自の風合いとしてお楽しみくださいね。

さらに、ミニウォレットのみ、
コードバンのブラックをつくりました。
コードバンは、馬のおしりの革で、
食用農耕馬の稀少な副産物。
加工にたいへん手間がかかるため、
「革の王様」「革のダイヤモンド」とも呼ばれます。
今回、使ったのは、
アメリカのホーウィン（HORWEEN）社による、
タンニンなめし、染料仕上げのもの。
内側に、ホーウィン社のマークやサイズなどの数字、
インクの流れた跡が残っています。
コードバンが大好きな櫻井さん、富澤さんは、
「コードバンというのは、こういうもの」、
その刻印やしみも味わいのひとつと考え、
裏地を張らずに製品化をしています。
きめがこまかく、繊細に見えますが、強度は高く、
使ううちに硬さがほぐれて、しなやかに育ちます。