2007年に「ほぼ日」で
土楽の「ベア1号」の販売がはじまってから、
土楽の福森道歩さんにとって
「土鍋とともに使う、現代の暮らしに合う取碗」は
みずから答えを出したい、
おおきな宿題のひとつでした。

そもそも土楽には、和のくらしに合った、
伝統的なかたちの取碗がいくつもありますが、
それとは別に、「うちの土鍋」シリーズに寄り添うかたちを
あたらしくつくりたい、と思っていたのです。

「大きな具材がごろごろ入って、
しかも、うつくしく盛りつけができるうつわが、
いまの暮らしにおいて、
和洋問わず必要じゃないのかな」

道歩さんは、「土鍋でつくる料理」は、
その土鍋のなかでどううつくしく仕上げるか、
ということとともに、
おのおのの皿に盛ったときにも
おいしそうに見えることが、
とても大事だと考えています。

「料理をするところまではきれいにできても、
盛り付けをおろそかにすると、
今までの苦労が水の泡になっちゃいますよね。
だから、取碗に、まるで一品料理のように盛れたら
とてもうれしいと思うんです」

この取碗は、そんな道歩さんが出した答えです。
深めで、おつゆもたっぷり入り、
あつあつを手に取っていただくための「取碗」と、
浅めで、卓上に置いて使うことが前提の
「平取碗」と「鎬(しのぎ)平取碗」。
いずれも、料理を盛ったときに、
すっきりきれいに見えるうつわです。