〈カレーの恩返し×みんなのカレー〉
カレーの恩返し×
炭火焼チキンと野菜のアウトドアカレー

教えてくれた人:
アウトドアコーディネーター
小雀陣二さん
 
「おうちのカレーアンケート」でも
とても人気が高かったのが、
キャンプ場や海岸で食べるアウトドアカレー。
「カレーの恩返しを使った
外で食べるのにぴったりのカレーを
プロのかたに教わりたい!」
そう考えたほぼ日・カレーチームの面々は
アウトドア料理のプロフェッショナル・小雀陣二さん
力を貸してもらうことにしました。 
そして小雀さんが教えてくれたのが
「炭火焼チキンと野菜のカレー」。
炭火焼カレー×外のうれしさ×カレーの恩返し。
これはもう、おいしくならないはずがありません。
とびきりのアウトドアカレーができました。
詳しいレシピとともにご紹介しますので、
ぜひ試してみてくださいね。
 

こちらが、今回アウトドアカレーを教えてくれた
小雀陣二(こすずめじゅんじ)さん。
小雀さんは、雑誌やWEB、CM、テレビ番組などで活躍する、
アウトドアコーディネーターのかた。
ダッチオーブンやアウトドア料理をテーマにした
料理本を何冊も出されています。

さて、この日は小雀さんが副代表をつとめる
アウトドア団体「STEP CAMP」が運営する海の家のデッキで
カレーの作り方を教えてもらいました。
こちらの海の家「さざなみ」があるビーチは、
他に建物などがなく、秘密のビーチといったおもむき。



海の水もほんとうにきれいで、
気分が盛り上がります。



今日はよろしくお願いいたします。
「はい。よろしくお願いします」
さっそくですが、今日教えてくださるのは
どんなカレーなのでしょうか。
「今日は、炭火焼チキンと野菜のカレーにしました。
外で作ったときに豪華な感じがたのしめて、
特にみんなが盛り上がるように。
また、いろんな人にたのしんでいただけるように、
本格的な道具を持っていなくても
作れるものにしています」



こちらが本日のキッチンです。
持ってきた荷物があっという間に組み立てられ、
なにもなかった屋外のデッキに
調理台が立ち上がりました。



炭火に、火がつきました。



こちらは本日の具材の一部。
「今日は、2種類の鶏肉を使います」



野菜も、煮込むものと、
炭火で焼いて添えるものの2種類。
にんじんとしょうがはおろし金でこまかくします。
たまねぎとセロリはスライスしておきます。



鶏手羽肉はいったん、白ごま油で焼いて下ごしらえ。
すでにおいしそう。



鶏肉は、こんがり焼けたらいちどとりだし、
鍋に残った油でそのまま
クミンシードとマスタードシードを炒めます。
ぱちぱちしてきたら、さきほど切ったタマネギを投入。
近づくと、いい香りがします。
「クミンを入れると急にカレーっぽくなりますよね」



タマネギがしんなりして透き通ってきたところで、
さきほどのにんじんとしょうがのすりおろし、カレー粉を投入。
「カレー粉はなんでもいいです。お好みで」



そこに、さきほど焼いておいた手羽元と、
カットしたトマトを入れ、水をそそぎます。  



フタをして、中弱火で時間をかけて煮ていきます。
「ここまですれば、ダッチオーブンに任せて
基本的にはもう待つだけです」
すごく初歩的な質問なのですが、
ダッチオーブンって、どういった鍋のことなのでしょう?
「こういった鋳鉄製の深い鍋のものですね。
フタの上に炭火をのせたりして、
上下左右から火を入れることができるんです。
そのままたき火に突っ込んだりもできますよ。
蓄熱性が高いので、じっくり煮込むのも得意です。
そして、突風などでも温度がさがらない。
アウトドア向きの鍋ですよね」



のんびり話しながら、カレーができるのを待ちます。
小雀さんはアウトドアでカレーを作ることは
多いのでしょうか。
「ええ、けっこう作りますよ。
カレーってやっぱりみんな盛り上がるんです。
アウトドア料理で盛り上がるのは、
カレー、豚汁、ローストビーフ。この3つ。
ぼく、他のものも作れるんですけど(笑)、
この3つを作ったときの盛り上がりにはかなわないです」



完成時間を見計らって、お米の準備もはじめます。
「いつも、お米がいちばん気を使います。
失敗できないので」



最初に準備しておいた炭も、いい感じになってきました。
「そろそろトッピングの具も焼いていきましょうか。
炭火で焼くと、その香ばしさ自体が
おいしいスパイスになるんですよね」



なすは、包丁の先でちょっと切り目を入れてから
まんべんなく焼きます。
ピーマンは、実は種の部分も食べられるので
そのまままるごと。
エリンギは半分に切って焼きます。



鶏肉は、焼く少し前に「カレーの恩返し」を
たっぷりなじませておきました。
「今日はカレーの恩返しをそのまままぶしていますが、
ヨーグルトと一緒に合わせて、
チキンティッカ風にしてもおいしいと思います」



ごはんからは、おいしそうな湯気!
完成が近づいてきました。



時間をかけて煮込んだカレーも
ずいぶんとろとろに。
ここで隠し味のしょうゆと、カレーの恩返し。
「このカレーの恩返し、数日経ったカレーに
追加して入れるのもいいですよね」



チキンの準備もできて、いよいよ盛りつけ。
ごはんもばっちりうまく炊けました。



「‥‥あ、持って写真ですか? いいですよ。
こんな感じでしょうか」



「これで完成です」
わぁ、おいしそう‥‥。
「じゃあ、みんなで食べましょう。
おかわりもしてくださいね」
おかわり、あるんですか。うれしい!

完成した小雀さんのチキンカレーは、
どんどん食べてしまう夏のカレー。
さらさらカレーにマスタードシードの粒が
アクセントになっていて、
炭火で焼いた鶏肉と野菜が、すばらしくおいしい。
「炭で焼くと、おいしいんですよね」
プリプリっとしたスパイスチキン。
まるごと焼いたピーマンも種までおいしい。
ああ、キャンプに行ってこのカレーが出てきたら、
相当うれしい。

気持ちいい自然を眺めながら食べるのも、
いっそうおいしさを高めてくれます。

暑さの続く、夏の時期。
スパイスたっぷりのスペシャルなアウトドアカレーで、
たのしく暑さを吹きとばしませんか。
スペシャルカレーをアウトドアに出かける
きっかけにするのもいいですし、
のんびりした休日に、ちょっと気分を変えて
外でカレーを食べるのもきっとたのしい。
とっておきのアウトドアカレー、ぜひ試してみてくださいね。
(小雀さん、どうもありがとうございました!)


 
 
 
〈材料(4人分)〉
鶏もも(開き)‥‥1枚
鶏手羽元‥‥4本
なす‥‥4本
ピーマン‥‥4個
エリンギ‥‥3~4本
トマト‥‥2個
  たまねぎ‥‥中2個
セロリ‥‥中1本
にんじん‥‥中1本
しょうが‥‥40g
ニンニク‥‥2かけ
鶏がらスープの素‥‥15~20g
  白ごま油‥‥15ml
カレー粉‥‥30g
しょうゆ‥‥15ml
塩・ブラックペッパー‥‥各適量
カレーの恩返し‥‥適量
     
〈作り方〉    
1.
鶏もも、鶏手羽元それぞれに
塩とブラックペッパーをふる。
もも肉の身側にはカレーの恩返しをふりかける。
グリルの炭に火をつけておく。

2.
にんじん、しょうがはすりおろす。
ニンニクはヘタを落とし、つぶして芽をとりのぞき、
更につぶしてこまかくきざむ。
たまねぎは皮をむき、
縦半分にカットして根元を切り落とし、
セロリとともに薄くスライスする。
トマトは半分にカットしてヘタを切り落とす。

3.
エリンギは食べやすい大きさに割く。
茄子はヘタの傘をとりのぞき、
包丁の先で数カ所小さく刺しておく。

4.
鍋を中火で熱し、白ごま油、鶏手羽元を入れ
肉全体に焦げ目が付くように焼き、いったん取り出す。
鍋に残った油にクミンシードと
マスタードシードを加え、パチパチしてきたら、
スライスしたセロリ、玉ねぎ、塩小さじ1を加える。
焦げないようにかき混ぜながら、
それぞれが透き通るくらいまで強火で炒める。

  5.
鍋の火を中弱火にして、
すりおろしておいたにんじんとしょうが、
カレー粉を加えて混ぜる。
焼いた鶏手羽元、半分に切っておいたトマト、
鶏ガラスープの素を加え、
ひたひたになるくらいの水を入れ、
鶏肉が柔らかくなるまでフタをして中弱火で煮込む。
余裕があれば最後に鶏肉の骨を取り除く。
仕上げにしょうゆとカレーの恩返しを加える。

6.
準備しておいた炭火で野菜と肉を焼く。
なすは皮が焦げるくらいまんべんなく焼き、
焦げた皮を剥く。
ピーマンとエリンギは、
ほどよく焦げ目がつくくらい焼く。
鶏もも肉は4等分にカットしたあと、
皮目から少し遠火で両面を焼く(炭から10cm離す)。

7.
器にご飯を盛り、カレーをかけて、
炭火で焼いたなす、ピーマン、エリンギ、
鶏肉を盛り付けて、完成。

2014-10-03-FRI
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(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN