ーー 映画の撮影スケジュールって、
たいへんそうですね。
宇田 そうですねえ。
どんな映画でも、予算や時間は無制限に
あるわけではありませんので、
そこでどうしても取捨選択が出てくるわけですね。

例えば、いい場所が青森にあったとしますよね。
このシーンは映画の中で重要なシーンだから、
1日移動に費やしてもいいから、
なんとか時間をつくって青森で撮るべきだ、とか。
逆に、このシーンは全体の中では
あまり重要なシーンではないから、
近場で撮影したほうがベターだとか。
ーー むずかしい判断ですね。
宇田 ええ。
スタッフルームでは、スケジュールが
日々更新されていくんです。
昔は、映画の現場では、スケジュール管理には
大洋紙と呼ばれる大きな紙に
スケジュールを手書きで書いて使っていたんですね。
スケジュールが更新されると、
上から紙を貼ったりして、また書き直します。
ーー 大洋紙のかわりに、
「ほぼ日ホワイトボードカレンダー」なんですね。
宇田 僕たち『ヘブンズ・ドア』のスタッフは、
20代が中心の若いスタッフが集まったチームでも
ありましたし。
ーー どんな感じで使われていたんですか?
宇田 スタッフルームといっても、
プロデューサーと助監督が5人くらい、
制作部が5人くらいしか座る場所がない
部屋でしたので、
全員によく見える壁に掛けていましたね。

映画の撮影スケジュールは、
全員が見る全体スケジュールは、
あまり詳しく書かれることはないんです。
例えば、シーン38を千葉にあるダムで撮影だったら、
書くことは「S38 千葉 ダム」という感じとかです。
撮影準備段階においては刻々と変わっていく状況を
書いては消して調整できる
「ほぼ日ホワイトボードカレンダー」っていうのが、
映画制作ではすごく使いやすかったんです。
それに、サイズもちょうどよい感じですし。
ーー スケジュールは宇田さんが
書かれていたんですか?
宇田 いえ、カレンダーに書くのは
主にチーフ助監督と制作部の担当スタッフですね。
それぞれの状況を話しながら、
このカレンダー上で書いたり消したりしながら、
スケジュールをつくったりしてました。

で、いろいろカレンダーで調整しながら、
より詳しいスケジュールを
チーフ助監督が作っていくんです。
あっ、そうしてできたスケジュールが、これ。
ーー あっ、『ヘブンズ・ドア』のスケジュールですね。
宇田 そうです。
こんな感じで詳細は必要なスタッフに配られるんです。
映画制作でも、実際にここに書いてある通りに
スケジュールが進んでいったんですよ。 

実際のスケジュールを見てみると、
8日がシーン38、39なんですが、
これが土浦で撮影になってますね。
で、土浦から、次はどこ行くんだというと、
シーン59の板橋になっています。
そうすると、移動の問題とか、
役者さんに入ってもらうのが何時だということとか、
でてきますよね。
そういうことを、それぞれの担当者と話した上で
チーフ助監督がスケジュールをつくっていくんです。

じゃあ、この実際のスケジュールをもとにしながら、
スタッフルームでの僕たちの使い方を
再現してみましょうか。
2011年度版だから曜日は違いますけど。
ーー それは、すごくたのしみです。

〈つづきます〉


2010-12-21-TUE