レディス エアー天竺 ドロップショルダーハイネックを解説! チクチクしない魔法のウール

白井さんと佐伯さん、秋のFIROを語る

予告09

今季のFIROも、とにかく着心地がバツグン。
定番の素材、定番の形だけど着心地の良さから、
ついつい手にとってしまうようなアイテムが
たくさん登場します。
その中でもおすすめなのが、
今回の〈O2〉のために
スタイリストの佐伯敦子さんが監修してくださった
別注の「エアー天竺」シリーズ。
とっても使いやすそうなこのアイテムについて、
佐伯さんと、FIROの白井さんにお話しを伺いました。

空気をはらんだような極上のタッチ

――
これまでコットン100%の「ハイブリッドラマ」に
ロイヤルベビーアルパカ、コットンカシミヤと
着た人をとりこにさせるFIROは大好評でした!
白井
よろこんでいただけてうれしいです。
――
今回、あらたに天然ウール100%の
「エアー天竺」という生地が登場しました。
さわってみるとよくわかりますが、風合いがすっごくいい。
佐伯
ウールなのにチクチクしなくて、すごくきもちいい。
白井
だから、たまにカシミヤと
まちがえてしまう人もいるぐらいで。
――
いわゆるウールっぽさがないんですよね。
いったいどういう生地なんでしょう。
白井
これはふつうのメリノウールなんですが、
「スーパー140’S」といわれる
16.5マイクロメートルの糸なんです。
――
というと‥‥かなり細いんですか。
白井
はい。
17.5マイクロの糸であればチクチクしないんですが、
それより1ランク上の糸なので
まったくチクチクしなくて、しかもやわらかい。
その糸を天竺編みで甘めに編んで、
縮絨(しゅくじゅう)させていて、
しなやかな風合いに仕上げています。
佐伯
フェルトっぽくしているということですね。
白井
ええ。
でも、縮絨は微妙なさじ加減が必要で、
水の温度や色によっても差が出るので、
かたくなりすぎたり、逆にやわらかくなりすぎたりと
なかなか思うようにいかないんです。
3、4年前にこの生地にはじめて出合ったときも、
毛玉っぽい感じがあって、きれいではなかったんです。
――
変わったんですか?
白井
改良をかさねてよくなっていたので、
いざ使ってみたのですが、
やや強く縮絨してしまってうまくいかなかった。
そして、もう一回やり直して、
納得できたものが今の生地です。
――
この風合いを出すために、
なにか特別なことをしているんですか?
白井
これをつくる生地屋さんに聞くと
「うち独自のエアー加工をしているから、
こういう風合いになる」と言っていました。
企業秘密ということで
はっきりとは教えてくれなかったんですが、
生地を染め終わったあとに、
下からブァーっと空気をつよく吹きかけていることが
この風合いを出す秘密のようです。
――
だから、「エアー天竺」という名前がついているんですね。
白井
いままでのふつうの縮絨だけだったら、
こんな風合いにならないと思います。
縮絨を強めにすると、
きれいにならなくてこうモサモサしているというか‥‥
佐伯
縮絨って、もっとごわついてかたくなりますよね。
白井
そう。
それがないので、空気のあて方に秘密があるのかなと。
――
ほんとずっとさわっていたくなるぐらい
やわらかくて、気もちいいです。
そして、このうすさ!
白井
ふつう、ヨコ編みのセーターに使う
48双糸や60双糸ではなく、
48単糸という細めの糸を甘く編んで、
キュッと縮絨させているので、厚くはないです。
佐伯
だから透けないし、あたりも出にくくなる。
透けるのが気になる女性にとってはうれしいですよね。

洗っても、縮まない。

――
ウールだと洗い方が気になるところですが、
これは、おうちで洗濯してもいいんでしょうか?
白井
反物の状態で防縮しているので、
ほんとうはドライをおすすめしますが、
おしゃれ着洗いであれば、問題ありません。
――
防縮というと、縮まない加工をしているということ?
白井
そうです。ウールの表面って拡大して見てみると、
「スケール」と呼ばれるウロコ状になっていて、
洗濯すると「スケール」が水分をふくんで開いてきて、
それがからみ合ってもとの状態にもどれず、
縮んでしまうんです。
――
もしかして、ウールって
人の髪の毛と同じ構造のような感じですか?
白井
まさにそうです。
だから、ウロコ状のスケールをすこしとって
縮まないようにしているんです。
佐伯
自宅で洗濯できるのがうれしい。
手洗いだったら安心ですよね。
白井
そうですね。
単糸で編んでいる生地なので
洗濯すると少し斜行しますが、乾かしていると
だんだんもとに戻っていきますから安心してください。

着る人のかたちに添う

――
レディスのプルオーバーは、「エアー天竺」を使って
佐伯さんにデザインしていただきました。
佐伯
もともとベースのかたちがあって、
首の部分がみじかくて、身幅がせまかったので、
ネックを長くして、身幅もたっぷりめにとって。
あと、すそのかたちも変えました。

レディス エアー天竺
ドロップショルダーハイネック
¥26,400(税込み)

――
(実際に試着しながら)
わぁ、着てみるとすごくきれい。
白井
佐伯さんの思うようにしてもらうと、
がぜん見ちがえるんですよね。
だからぜんぶ佐伯さんの指示どおりにする(笑)
佐伯
ありがとうございます(笑)
――
ハイネックになって、着こなしの幅が広がりました。
佐伯
首は折り返してもいいし、
そのままくしゅっとさせてもかわいい。
じつはネックの幅もせまくしています。
ポリウレタンが入っていないぶん、
着ていくうちにちょっとたるみが出てくるんですが、
首にやさしくフィットする幅に調整しました。
白井
ポリウレタンが入ると、
かたちはキープしても締めちゃうんですよね。
だからちょっと苦しくなる。
――
置いてあると
身幅はかなりたっぷりあるように見えましたが‥‥
佐伯
ふといと思ったでしょ?
――
思いました。
でも、着てみたらまったくそんなことなくて。
白井
落ち感があるから、着た人の体型に合わせて
すんなりおさまってしまうと思うんです。
――
なるほど。
白井
だから、大柄な方が着ても大丈夫。
佐伯
ぴったりしたニットって、胸の大きな女性とか、
身幅がある方が着るとボリュームが強調されてしまうので。
そういう方でもすっきり見えるように。
――
肩もちょっと落ちているけど、
袖口まではキュッと細くなっていって。
佐伯
メリハリがあったほうがきれいに見えます。
大柄な方でも、手首がきついということは
少ないと思うので、
袖口は細くしてメリハリをつけました。
――
裾幅もちょっとすぼまった形になっていますね。
佐伯
身幅のままの長さだとズドンとしてしまうので、
ウエストで止まるようにちょっと細くしています。
――
締めるところは締まっているのですっきり見えますね。
これは一枚で着られるように、
このサイズ感にしたんですか?
佐伯
そうです。
ワンサイズのみの展開なので、
どんな人でも着やすいように。
――
かたちもそうですが、よく伸びるからどんな人でも合う。
白井
そう、ウールのしぜんなストレッチでよく伸びます。
――
ああ、おなか周りが気持ちいい。
これで全身つつまれたい。
佐伯
わかります。
着てみるとそう思えますよね。
――
メンズはスタンダードなクルーネックです。

メンズ コットンカシミヤクルーネック
¥23,100(税込み)

白井
肩を落としているわけではなく、
ベーシックなシルエットです。
生地本来の気もちよさを体感してもらえたら。
佐伯
女性がちょっと大きめに着てもかわいくなりそう。
――
エアー天竺でつくったニットの魅力、
たくさん伝わるといいなと思います。
白井さん、佐伯さん、どうもありがとうございました!

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