石川店長、
お気に入りの「◯△▢」で
ストール、つくっちゃいましたよ!
「5DW」をスタートさせた石川顕店長は、
“巻きもの”が好きでした。
夏、トップスはTシャツ1枚なのに、
首元にさりげなくストールを巻いたりして、
どこか“センス”を感じさせるスタイリングを
楽しんでいたことを思い出します。
石川さんと付き合いが長く、
「ULTRA HEAVY」の名付け親でもある
グラフィックデザイナーの立沢トオルさんが、
「石川さんといえばこれでしょう」ということで
『5DW+』オリジナルのストールをプロデュース。
デザインのみならず質感を大切にした
今回のプロダクトは、生地選びからプリントまで
多くの難題をクリアしながら
およそ1年の制作期間を経て完成しました。
プロデューサーとなった立沢さんと共に
秋田のプリント工場を訪ね、印刷のことはもちろん、
生地についての話も聞きました。
その様子を3回に分けてお届けします。
こだわり抜いたこのストール、
きっと、石川さんは巻きたかっただろうなぁ。
- 小玉
-
次はプリントする現場ですね。
うちの会社では、大きく分けて
3つのプリント技法を使い分けています。
まずは「版」をつくって印刷する方法で
デザインされた部分だけにインクを透過し、
他はインクが通らないようにつくられた
メッシュ状の板を「版」と呼ぶのですが、
それを使って職人が手作業で印刷するパターンと、
同じく版を使って機械でプリントするパターンで
まず2種類があります。
さらにはデジタルのデータを使って、
版を製作せずに生地に直接染料を吹き付ける
インクジェットプリントがあります。
- ――
- どのように使い分けているのでしょうか?
- 小玉
- ロット数にもよりますし、
生地の繊細さや、出したい風合いによっても
採用する手法は変わってきますよね。
今回は、版を使ったハンドプリントで刷っていきます。
さあ、いよいよ始まりますよ。
- ――
- わぁ! 息の合った2人が少しずつ版をずらしながら
順々に印刷していくのですね。
- 小玉
-
あの斜めになっている台には、生地がずれないような
工夫がしてあって、さらには乾きやすいように
少し温かくなっています。
もちろん、基本的には版を使った1回のプリント作業で
印刷できる色の数は1色のみ。
色を変えるのであれば、その色数だけ版が必要ですし、
プリント作業を重ねることになります。
今回のストールは1色だけなので、作業は1回だけです。
- ――
- 立沢さんがデザインしたパターンが
次々と印刷されていきますね。壮観です。
立沢さん、あの○△□(まる・さんかく・しかく)が
並んでいるデザインの、
そもそものコンセプトについて聞いてもいいですか?
- 立沢
- もちろん!
江戸時代に禅僧で画僧としても活動していた
仙厓(せんがい)という方がいました。
彼が筆で○△□を描いた作品があるのですが、
海外では「The
Universe」とタイトルがつけられて
紹介されているんです。
宇宙とか森羅万象、天地万物なんていう意味ですよね。
詳しくは説明されていない作品ではあるのですが、
一説によると無限の広がりや悟りの境地を
表したものだと言われている作品です。
“マルサンカクシカク”と読むよりも“ザ・ユニバース”と
読む方が感覚的に腑に落ちる気がします。
さらに、○で言うと禅で尊ばれた“円相図”があります。
これも宇宙の広がりや悟りについて表すものだと
考えられていますが、そんな壮大な哲学を含みながら
仙厓さんは円相図の横に「これくふて御茶まひれ
(これでも食べてお茶でも飲んでいきなさい)」と
書き添えたことでも知られています。
ユーモアたっぷりです(笑)。
石川さんは、ストールなどの巻きものを、
首や腰や肩に巻き付けて人前に現れる印象があると
先ほど話しましたが、それはおしゃれの意味合いより
彼にとってのちょっとした日々のスパイスであり、
自らへの改造(カスタム)だった気がするんです。
だって、いつも考えることをやめなかった人だから。
いつだって考え続けて、変わり続ける石川さんに、
仙厓和尚の「○△□/The
Universe」を重ねました。
生きとし生けるものの無制限な交わりを求め、
無制限な変化を続ける力を感じたのが石川さんの人生。
それもユーモアたっぷりに。
石川さんが好きだった“巻きもの”に
僕はその想いを込めてデザインしました。
それがこの「○△□ストール」です。
- ――
- ○△□が、同じように繰り返される
ミニマルパターンで並んでいますね。
- 立沢
-
そうです。
無制限とか無限を表したかったこともあるのですが、
どのパートを見ても、縦横斜めに
同じ図案が3つ並ぶことないデザインです。
○×ゲームって3つ同じ図案を並べると勝ちですよね。
でも、3つ並ぶことがないようにデザインをしたので、
このストールにはその“勝敗”がありません。
だって、石川さんは勝ち負けが好きではなかったから。
- ――
-
デザインとしてもポップで素敵ですが、
そのストーリーは知って欲しいと思いました。
まさに石川さんの考え方や生き方を身につける、
そんなイメージのアイテムですね。
色々なお話を伺っているうちにプリント作業が
どうやら終わりそうです。
- 小玉
- この後は蒸し作業です。
蒸すことによって、染料を生地に定着させて
色落ちなどを防ぐことができます。
さらには洗浄をして、縫製をした後、アイロンをかけて
いよいよ納品になります。
- 立沢
- いよいよですね!
2026-09-25-FRI
(つづきます)
5DW × zenの○△□ストールは、
5DW+ WEBショップにて2026年9月30日AM11時発売!
[STAFF]
スタイリング:青木穣
ヘアメイク:丸谷美樹
モデル:朋永(164cm)、丸山滉貴(186cm)
文:阿部太一
撮影:吉嗣裕馬
Special Thanks:石川顕