ほぼ日刊イトイ新聞 - 世界最大の輸送機・アントノフに人工衛星を積み込め！大作戦！

先日、みごとに大役を果たして燃え尽きた
「こうのとり」の大きさは
　直径約４メートル、全長は10メートル弱。
人工衛星って、それくらいおっきなモノなんですが
これって一体、どうやって運ぶんだろう‥‥？
宇宙ラブだけど、宇宙ビギナーな
われらの素朴な疑問に
　三菱電機さんが、さらっと答えてくれました。
「世界最大の輸送機、
　ロシアのアントノフが運んでくれるんですよ」
ロシア？　世界最大？　アントノフ？　なにそれ！？
「できたてホヤホヤの人工衛星を海外へ運ぶのに
　こんど日本に来るので、そのときの積み込み作業、見ます？」
見ます見ます、見たいです～！
というわけで、写真を3500枚も撮ってきましてですね、
やや長めのスライドショーをつくりました。
たぶん、これまであまり公開されていないであろう
コクピットの写真などもあります。ぜひ、ごらんください。

※ツイッターのアカウントをお持ちでないかた、そもそもツイッターのことがよくわからないというかたは、
　こちらのページをご参考になさってください。なお、ハッシュタグは #hobo_tane です。

量産された機体としては世界最大の輸送機。

150トンにもおよぶ最大積載量を活かして
人工衛星や航空機の機体など
「とにかくデカいもの」を運んだり、
災害があったときには
大量の救援物資を運んでくれる、頼れる存在。

それが、ロシアのアントノフ124、
通称ルスラーンなのだ。

（C）2005 Antti Havukainen ※1

今回の東日本大地震でも、フランスから成田へ、
トレーラー１台にトラック３台、
毛布7000枚、
ミネラルウォーター10万本‥‥など
たくさんの救援物資を運んできてくれたんです。

（C）2006 Quitepanel ※2

頭の部分がパッカリ開いて、ここから人工衛星を積み込みます。

内部はシッポのほうまで「がらんどう」になっています。
収納力はタップリよゆうの150トン。

（C）2008 Dmitry Avdeev ※3

写真は、世界最大の旅客機である
エアバスＡ380の「１／３スケール模型」を
飲み込まんとするルスラーン。

人工衛星も、
このような感じで積み込まれるのでしょうか。

どこまで取材や写真撮影やが可能か、
ちょっと
現場に行ってみないとわからないのですが、
できるだけ詳しく、
この笑っちゃうほど巨大な輸送機のことを
レポートしたいと思います。

ちなみに‥‥。

このコラムの冒頭の
「量産された機体としては世界最大」
という表現に
ちょっとひっかかったあなたは‥‥するどい！

そうです、このルスラーンをはるかに凌駕する
本当の意味での世界最大の輸送機が、
じつは世界にたった１機だけ、存在するのです。

それがルスラーンをとことんパワーアップさせた
アントノフ225、通称ムリーヤなのだ！

（C）2008 Dmitry A. Mottl ※4

どどーん。見てください、この雄々しき姿を。

もともと「ソ連版スペースシャトル」と言われた
宇宙往還機「ブラン」を
輸送するために開発されたのが、この超巨大機。

最大積載量はルスラーンをはるかに上回る
300トンとも言われ、
ジェットエンジン４基のルスラーンと比べると、
ムリーヤは片翼３発の計６発を搭載。

ムリーヤと、その背中に乗った宇宙船「ブラン」の図。
ごらんのとおりの、オンブバッタ状態です。

ルスラーンが「空の巨人」なら
ムリーヤは
さしずめ「空の王者」と言ったところでしょうか。

今回、特別に取材させていただくのは
このムリーヤほどではない‥‥とはいうものの
十分に驚きのデカさを誇る、ルスラーン。

いったい、どんな飛行機なのか。
一同、いまから、かなりどきどきしています。

当日のテキスト中継を、どうぞおたのしみに！

写真の著作権に関する情報

※1
撮影者　　Antti Havukainen
タイトル　Antonov An-124 Ruslan taking off from Helsinki
出典　　　wikipedia
この写真のライセンスについては、こちらのページをご参照ください。

※2
撮影者　　Quitepanel
タイトル　a Russian AN-124 aircraft on the tarmac at Prince Sultan Air Base
出典　　　wikipedia
この写真のライセンスについては、こちらのページをご参照ください。

※3
撮影者　　Dmitry Avdeev
タイトル　An Antonov An-124 of Polet Airlines at Ontarion International
Airport swallowing an Airbus A380 of Emirates Airline
出典　　　wikipedia
この写真のライセンスについては、こちらのページをご参照ください。

※4
撮影者　　Dmitry A. Mottl
タイトル　An-225 Mriya
出典　　　wikipedia
この写真のライセンスについては、こちらのページをご参照ください。

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2011-04-08-FRI