乗組員やえの疑問

第一展望台が見えてきましたが、
これについて教えて!

スカイツリーおじさんの解説

第一展望台は、まもなく囲われている青いネットが外され、
ガラス面の表情が見えるようになる予定です。
徐々に完成に近づいて嬉しい限りです。

さて、この第一展望台の高さは350mで、
展望台の高さとしては日本一となります。
中にはレストランやカフェ、ショップが入る予定です。
地上からは、高速エレベータが約50秒で
展望台のある上部まで連れて行ってくれます。

内部は、3層の構成で、収容人員は2,000人、
3層をつなぐエスカレータもあるという、
展望台としてはとても大きなヴォリュームです。
円すいの先端をカットして、
逆さにつけたような、すり鉢状の形をしていて
上部の最大の直径は約60mあります。

この第一展望台は、
これまでにお話ししてきたように、
「そり」「むくり」の曲線を描きつつ、
底面の正三角形から円形へと
鉄骨塔体が変化していき、
それが、いちばんすぼまったところから、
今度は逆に、上方に広がっていくようなデザインです。

足元から伸びてきた勢いがここでいったん凝縮し、
上方へと転じた姿とも見ることができます。
デザイン的にも、こうした変換点は見所ですので、
注目してほしいところです。
うまくいってる! 
と、楽しんでもらえるといいのですが(笑)。

さて、第一展望台がすり鉢状の形になったのには
デザインや与条件のほかにも理由があります。

すり鉢状とは、内側から見たときには、
ガラス面が外側に斜めになっている状態ですから、
夕方や夜に、室内の照明の明かりなどが
ガラス面に映り込みにくくなり、
夜の室内からの眺望を
クリアにする効果が期待できます。

また、すり鉢状にすることで、
室内から足元の景色が見やすくなります。
つまり、遠くの風景だけではなくて、
眼下に広がる風景も
楽しんでもらうことができるのです。
建設地は江戸文化の残る下町であり、
いままさにタワーのある街づくりが行われています。
これまでに、このあたりには高い展望台はなかったので
下町を上から見ることは
なかなかできなかったのですが、
そんな街を、上からも目にしてもらいたい
と考えたものです。

建設途中の第一展望台に上った設計者によると、
下町のかたちや通り、
水路のつながりなどが見ることができて
とても新鮮な見え方だったそうです。

もちろん、360度ぐるりと遠景も楽しんでいただきたく、
そのために、ガラス面は極力、
サッシを最小限の数で、最小限の太さにすることに
設計者たちは力を注ぎました。
工事をするゼネコンさんやメーカーさんの協力もあって、
この高さにある展望台としては
かなり開放的なつくりになっています。

高いところが苦手な方にとっては
「とんでもない場所!」かもしれませんが、
安全な屋内展望台ですし、
これまでになかった視点ですから
チャレンジしてみる価値はあるかも‥‥!? です。

また、視点が変わると、
新しいヒラメキが生まれることがあります。
都心、下町、海や山並みの自然などなど、
多様な現代日本の姿を
いちどに目にすることができるこの場所から、
たくさんのヒラメキが生まれていくと嬉しいです。

2012年春のオープンまで、
もうしばらく楽しみにお待ちください。
私たち自身もすごく楽しみにしています!

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2010-09-28-TUE