1回の連載に1都道府県解説することを
こころよく引き受けてくださった
みうらさんですが、
プロローグ的お話がつづきます。
「北海道は広いから
 2回に分けたほうがいい」と
みうらさんは、おっしゃるのですが‥‥
旅は印象派であることが大切です。
みうら
だから! 北海道は2回ですよ。
ほぼ日
わかりました。
しかし、北海道って、
どこで分けるんでしょうか。
みうら
だいたいあるでしょ。
北海道をパンツと見立てて
穿いたときに、わかるでしょ。
真ん中は、あそこらへんだなっていうのが‥‥
‥‥札幌よりちょっと上ですよ。
ほぼ日
あ‥‥ああ、なるほど。
みうら
パンツのステッチがくるとこが
必ずあるんです。
ほら、なんでもステッチってあるから。
ほぼ日
なんでも、ステッチが。
みうら
ステッチ、入ってくると思います。
北海道だって、ずいぶん違うわけです。
下には北島三郎記念館があるんだよ?
上にはクッシーがいるんだよ?
感じとして、だいぶ違うじゃないですか。
ほぼ日
屈斜路湖と‥‥
みうら
北島三郎記念館です。ね?
このように、県を分けるときには、
印象で分けていくのがいいんです。
なにしろぼくは「印象派」です。
具象よりも、印象が大事です。
ほぼ日
いつから、みうらさんは
そんな「印象派の旅」をはじめたんですか?
みうら
いちばんはじめは、家出です。
金沢の兼六園で、一発歌を歌って、
「ライブ・イン金沢」という
ライブ盤を出さなきゃならなかったから、
春休みを利用して金沢に一泊、
家出をしたんです。
ほぼ日
みうら
家出です。
家の机の上に、メモで
「家出してやる」って書いといたから、
家出です。
それがはじめてでしたね。
それから、ほら、
ぼくはユースホステラーでしたから。
ユースホステルを渡り歩いて、
自分の歌を歌って、
まわりをシーーーーーンとさせるとか、
そういうことをしていました。
いまで言う、
ストリートシンガーの走りですね。
ほぼ日
兼六園やユースホステルで
ライブ活動を経験された後は、
今度は日本を仏像で
巡ることになったのでしょうか。
みうら
仏像でも行きましたし、
とんまつりでも行きましたし、
ゆるキャラでも行きました。
そうなると、旅はつきもんですからね。
ほぼ日
そうなると‥‥確実につきもんですね。
みうら
こんなにみんなが
ネットサーフィンと言ってる時代に
わざわざ出向いていくんですからね。
その徒労ぶりがぼくの仕事です。
「ああ、あいつ、今回もいい徒労ぶりした」
と言ってもらえればいいんです。
ほぼ日
徒労ぶり。
みうら
徒労ぶりです。
今回のお話をノーカットでごらんになりたい方は、
ほぼ打ち合わせ調のムードになっておりますが、
下の動画でどうぞおたのしみください。

「ステッチ」「印象派」「徒労ぶり」
今回は、
いろんな示唆に満ちた言葉が出てきました。
「北海道をパンツと見立てて穿くとわかる」
という肉感的な表現にも
舌を巻くばかりです。
今後、ものごとの
整理がつかなくなった折には
パンツと見立てて穿いてみましょう。
それが、北海道であっても、
受験勉強であっても、
経済問題であっても、
人間関係であっても。
まだまだつづくプロローグ、
次回は火曜日です。
2007-07-22-SUN