DOCTOR
darling人体実験シリーズ。
少林寺気功教室に通う。

第1日の3 で、どうなるわけだろう?

お茶を飲んでおしまい。
これはらくちんでいい。
秦先生は、たしか、ほんとは物理学関係のことで、
日本に来たインテリの人のはずだ。
おだやかだし、落ち着いている。
もし、いったん事アラバ少林寺伝来の必殺技かなんかで、
でででででっと、敵を一蹴するのかもしれないけれど、
この教室は、それこそ、
敵にもならないひ弱な人ばかりなので、
おだやかなままの表情で事たれり、ということだろう。
たしか、武道のほうも教えているはずだけれど、
そっちのことは、ぼくには当面関係ない。

5分ばかり立ち話をして、ぼくは帰ることにした。
午後2時スタートで、3時過ぎには終わるのだから、
マッサージにいって治療してもらうより
時間もかからない。
これで、身体にいいのだったら文句はない。

さて、その日、ぼくの身体に、あるいは健康に、
なにか変化はあったろうか?

もともと、「熱心でない」という
あえて宙ぶらりんな態度で臨むことに決めていたのだが、
おそらく、ぼくは「自己暗示」の強い人間だ。
なんでもなくても、何かあるように
本気で感じてしまうことだってある。
それだけは注意しておこうと、自分に誓っていた。

この翌日、なるべく平静に考えてみたのだが、
「昨日の夕方、妙に元気だった」と気づく。
気のせいかもしれないし、気功のせいかもしれない。
いつも首や肩、腕、などが凝っているのだけれど、
これは、どうもいくぶんか、ましになってるようだ。
夕方、妙に元気だった感じ、というのが、
気にはなっていた。

いいような、気がする。
とにかく、もうちょっと続けてみよう。
なにしろ、痛くもかゆくもなくて、たった1時間で、
体調や気持ちが活発になるのなら、行かない手はない。

ぼくは、消極的な生徒として、次の週も
少林寺気功教室に行くことに決めた。

(つづく)

2001-05-07-MON

BACK
戻る