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| 関根 | うん。この質問は、いいですね。 僕はいつも、
 こんな先生がほしいな、と
 思ってるんです。
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| ほぼ日 | はい、どんな先生でしょう? | 
| 関根 | それは、補助先生です。 | 
| ほぼ日 | ほ‥‥補助、先生。 | 
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| 関根 | 学校の先生になる人って、 結局は、頭がいいんです。
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| ほぼ日 | はい、はい。 | 
| 関根 | 学校で成績のよかった人が、先生になります。 体育の先生になる人は
 運動神経のいい方です。
 音楽の先生は抜群に音楽がうまいです。
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| ほぼ日 | はい、おっしゃるとおりですね。 | 
| 関根 | 数学が好きな人が 数学の先生になるわけですし、
 社会科にしても理科にしても、
 先生はみんな、エキスパートです。
 でも、考えてみてください。
 それでは、
 「できない人間の痛み」が
 わからないんですよ。
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| ほぼ日 | ああああ、なるほど。 力説ですね。
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| 関根 | 僕は音楽が苦手で、 音が取れないんです。
 発声についても、
 「ちょっと、よく聞こえない」
 って、言われます。
 だから、29歳のころ、
 「この際、ずっと苦手だった
 歌というものを習っておこうかな?」
 と、軽い気持ちで、
 歌の先生のところに通いはじめたんです。
 そして、3~4年間、通いました。
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| ほぼ日 | がんばったんですね。 | 
| 関根 | ‥‥ほんとに、キツくてね。 | 
| ほぼ日 | ははははは。 | 
| 関根 | もう、胃に穴があく思いでした。 先生って、やっぱり厳しいんですよ。
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| ほぼ日 | ああ‥‥。 思い出して落ち込まないでくださいよ。
 先生って、そうですね。
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| 関根 | 僕はずっと怒られっぱなしでした。 ドの音を鍵盤でならして、
 「この音、言いなさい」と言われても、
 間違ったら怒られると思うと
 よけい、できないんです。
 そこは、つまり、音楽の世界ですから。
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| ほぼ日 | その空間の常識は「音楽」なんですね。 | 
| 関根 | 音痴というだけで、 「ド」の音が取れないというだけで、
 全人格を否定されちゃうんですよ。
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| ほぼ日 | そうなっちゃいますね。 | 
| 関根 | あれは僕が29歳だったから 耐えられたけど、
 小学校の低学年だと、
 どうでしょうか。ね?
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| ほぼ日 | はい。そうですね。 | 
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| 関根 | 僕は思ったんです。 もちろん音楽の先生になる人は
 ピアノも弾けたり、
 音楽に精通してる人じゃなければ
 いけないと思うんですよ。
 そこで、必要なのは、補助先生です。
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| ほぼ日 | 補助先生が。 | 
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| 補助先生とは、いったい‥‥? 明日につづきます。
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| 2008-07-22-TUE |