糸井重里は、むかしから、
急におかしなものを買う人である。
驚くようなもの、呆れるようなもの、
「これは‥‥なに?」という不思議なものまで、
じつにさまざまなものを自腹で買っている。
そんな個人的な買いものリストに、
このたび「サンパチマイク」が加わろうとしていた。
漫才に欠かせない、あのセンターマイクである。
これにはお笑い好きの乗組員も興味津々。
「なんで糸井さんが、サンパチを‥‥」
その気になる買いものの行方を、
ちょっと前のめりに追いかけてみました!
- 糸 井
- フフフ~ン♪
この先に取り付ければいいのね。
- 乗組員A
- サンパチのほうを
ぐるぐるまわしてもらうと。
- 糸 井
- ええと、こうかな。
あー、付いた付いた。
- 乗組員D
- サンパチの向きって、
どっちが正しいんだろう?
きっと配線が出てるほうは裏ですよね?
- 乗組員A
- テレビを見ていても両方あるんです。
つるっとしたほうが正面な気もするけど‥‥。
- 乗組員F
- きょうは撮影なので、
配線の見えないほうを正面にしましょうか。
- 乗組員A
- あー、もうかっこいい(笑)。
- 乗組員F
- ケーブルをちょっと整理しますね。
- 乗組員D
- すごくいい感じです(笑)。
- 糸 井
- あ、そう(笑)?
- 乗組員A
- ディナーショーがはじまりそうです。
- 糸 井
- 「みなさん、おまたせしました。
わたくしが、糸井重里でございます」
- 乗組員A
- わははははは。
- 乗組員D
- この空間にぴったり(笑)。
- 糸 井
- マイクの高さをスッと変えてみたり。
- 一同
- おぉぉぉーー。
- 乗組員A
- すごく司会者っぽいです。
- 糸 井
- この後ろのカーテンが
「ツイン・ピークス」みたいじゃない?
- 乗組員A
- あんなに不穏じゃないです(笑)。
- 乗組員D
- この空間、サンパチマイクとすごく合いますね。
- 糸 井
- ちょっとそこのふたり、ここに立ってみてよ。
ぼくもそっちから見てみたい。
- 乗組員A
- すみません、失礼します。
ええと、こんな感じでしょうか。
- 糸 井
- もうちょっと前かな。
- 乗組員D
- えぇ、どこに立てばいいんだろう。
- 糸 井
- もうちょっとマイクに寄ったほうがいいかな。
なんでもいいからしゃべってみて。
- 乗組員A
- どうもどうも~。
- 乗組員D
- どうもどうも~。
- 乗組員A
- いやぁ、これがサンパチですよ。
- 乗組員D
- メタリックで、かっこいいですね。
- 乗組員A
- このテカリ、最高ですよね。
煮ても、焼いても、おいしそう。
ぼくね、お寿司で一番好きなんですよ。
- 乗組員D
- それ、カンパチのこと?
こっちはサンパチね。魚じゃないから。
- 乗組員A
- あ、大工がつかうやつ?
- 乗組員D
- それ、トンカチね。
やめて、私にツッコませないで。
- 乗組員A
- 「人という字は、人と人とが‥‥」
- 乗組員D
- それ、金八な!
もうやめさせてもらうわ!
- 乗組員F
- よっ、パチパチパチ。
- 乗組員A・D
- ありがとうございました~。
- 糸井
- ま、ネタはともかく、
サンパチマイクはすごくいいね。
- 乗組員A
- すみません(笑)。
でも実際にここに立ってみると、
マイクとの距離とかよくわかんないですね。
- 乗組員D
- となりの人との距離とかもね。
- 糸 井
- そんなのに正解なんてないよ。
- 乗組員D
- でも糸井さんちょうどよかったですよ。
もっかい立ってみてください。
- 糸 井
- えぇ、そうかなぁ。
「はいっ、みなさん、これがサンパチです!」
- 乗組員A
- めっちゃ慣れてる(笑)。
- 乗組員D
- いまにも漫談がはじまりそう。
- 糸 井
- これいま、音は出せないのかな?
- 乗組員F
- ここは難しいですけど、
さっきの部屋なら出せますよ。
- 糸 井
- あ、そうですか。
一回、出してみてもいいですか。
向こうに置いたのも見てみたい。
- 乗組員F
- あっちのステージに移してみましょうか。
- 乗組員D
- どこに置いても様になりますね。
- 乗組員F
- サンパチマイクの蓋ってあきますか?
どこかに電池を入れるところがあるはず‥‥。
- 乗組員A
- ええと、ここかな‥‥あ、あいた!
- 乗組員D
- おぉ、中はこんな感じなんだ。
- 乗組員F
- なるほど、9ボルト。
あの四角い電池があれば音が出せますね。
- 糸 井
- いまスマホで調べてみたんだけど、
サンパチの正しい向きは逆かもしれないね。
漫才師側に正面を向けてます。
- 乗組員A
- ということは、
配線の出ているほうがお客さん側?
- 乗組員F
- 音をひろう側を漫才師のほうに。
ということは、こうなるのか。
- 糸 井
- あ、スピーカーから音が出ましたね。
- 乗組員A
- けっこう離れた場所でもひろいますね。
- 糸 井
- 「はい、会場のみなさん、
というわけでございまして!
はぁ~~、そんなこともあるんですか?
いやぁおどろきましたね~」
- 乗組員A
- 離れると音は小さくなりますけど、
ひろうことはひろってますね。
- 乗組員F
- 広範囲のマイクなんだと思います。
別のマイクだとこんなにはひろえないです。
- 糸 井
- ああ、なるほど、
こんなに離れてもひろうし‥‥
かと思うと‥‥こういう近くでもひろう。
へぇーー、おもしろいね。
- 乗組員A
- かなりシンプルな舞台ですけど、
サンパチマイクがあると様になりますね。
- 糸 井
- どう、いいでしょう?
- 乗組員A
- こんなにテンションが上がるとは
思いませんでした(笑)。
- 糸 井
- サンパチマイクを置くだけで、
コンテンツの見え方も変わるんじゃないかな。
対談のときにも使えますし、
どこかに持っていったっていいんだから。
- 乗組員D
- 社内イベントでも活躍しそうです。
- 乗組員A
- サンパチマイクの話もまだまだ知りたいですよね。
芸人さんたちの話も聞いてみたいし。
- 糸 井
- みんなから
「なんでそんなの買うんですか?」とか言われたけど、
俺がほしがった理由がわかった?
- 乗組員A
- はい(笑)。
- 乗組員D
- あ、そういえば、
サンパチ工場の見学の日も決まりました。
- 糸 井
- いいねぇ~。
ぜひ行きたいです。
- 乗組員D
- サンパチマイクを
担当している方の話もうかがえるそうです。
しかもその工場のなかで、
サンパチを組み立てられるのは、
その方だけだそうです。
- 乗組員F
- ひとりだけ?
- 乗組員A
- ということは、このサンパチもその方が?
- 乗組員D
- そうだと思います。
- 糸 井
- じゃあ、その方にお礼を言いにいかないとね。
ぼくらのサンパチマイクの。
最後までお付き合いくださり、
ありがとうございました。
サンパチマイクのイメージが、
連載を読む前と後では、
けっこう変わったんじゃないでしょうか?
この糸井のサンパチマイクですが、
これからは「ほぼ日」のなかで、
あれやこれやと活躍していくはずです。
リアルイベントや読みもの、動画配信などで、
この凛々しい姿を見かけたときは、
「あ、あのときのサンパチだ」と
思い出していただけたらうれしいです。
そして、幸運なことに、
大分県にあるサンパチマイクをつくる
「ソニー・太陽」さんの工場へ、
見学に行くことも決まりました。
サンパチマイクを組み立てる
職人さんにもお会いできるそうです。
やったーー! たのしみーー!
その工場見学のようすは、
あらためて読みものにする予定なので、
たのしみにしていてくださいね。
ということで、このコンテンツも
このへんでおひらきとさせていただきます。
それではまた、近いうちにお会いしましょう。
ありがとうございました〜!
(おしまい)
2026-03-10-TUE
(C) HOBONICHI