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虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第236回
「愛地球博に行ってきたよ。万博とは何だろう? その3
 夕方の情緒と散策、EXPOドームステージ」
 
前回のあらすじから)結局ワインを買わされ、
トボトボとワインの試飲ハウスを出たサエキ&窪田一行。

そろそろ夕方が近づいてくる。
70年万博の時も、夕方が印象的だった。
テーマパークに落ちてくる夕陽は、未来のもの悲しさ、
祭りの愁いを感じさせてくれるのだ。

とにかく空いている場所をプラプラするというのが、
万博の情緒だと思っている。
オーストリア館のカフェで一服。
ハイジのかっこうをしたお姉さんがグー。
地元のソリ遊びみたいなものが、
会場の壁を使って作られており、
みなさん、列を作って挑戦しているのを、
ウィンナコーヒーを飲みながら見てる。

北欧各国は「北欧共同館」で、一緒。
まとめて一館といういさぎ良さが
淡々としてて良いじゃないか。

ムーミンの皿一枚3675円!
ペアで買ったら7000円以上するのだ!
ムーミンファンも大変だなあ。

昨年フランスからの帰りの飛行機では
フィンランド人の記者と同席だったが
「ムーミン作者のトーベ・ヤンソンが
 ヤク好きの幻覚マニアであったことは、
 フィンランド全国民に有名なことさ」
ということだそうです。あの奇妙な雰囲気は
ドラッグで生まれたものらしいです。

展示物は、まあまあ、という感じ。
珍しいギターなど。

ロシア館は、ガラガラ。
ここには課長島耕作の弘兼さんもオススメの
「マンモスの骨」がある。
大変な呼び物となってしまった
冷凍マンモス標本のあるマンモスラボは、
長蛇の列で見られる気がしないが、
こちらは、入って5秒で、何気なくある。


隣には、かわいい子マンモスもおり、オトクですよ。

夕方のグローバル・コモンゾーンは空いていた。
修学旅行生達や、じいさんばあさん達は
そろそろ毅と帰途につく。

タラタラと歩く。

万博の夕方を歩く。

アイルランド館のアイルランド女性? が微笑みかけてくる。

ポーランド館から若いポーランド男性が出てくる。

なんやかやで、こんなにいろんな国の人が
一箇所に集まった様子に、
一般人である我々が接する機会があるだろうか?

一生かかっても、なかなかない。

パレードや集会ではなく、いろんな国の人が
そこに、なんとなくただ立っている、
話している、笑っている。
これだけでも実はスゴイことなのではないか?

その凄さを考えた時、はじめて万博という奇妙な空間の、
希少価値が味わえる。

万博、それは国境を所在なく超えた、
タラ〜〜ンとした空間。
ただひたすら、間がありそうな空間を選んで会場を歩く、
というのが一番の楽しみ方かもしれない。

夕食を食べなければならないので、探すが、
フランス館などは、三つ星レストラン、
「ル・グラン・ヴェフール」のシェフを務める
ギー・マルタンのレストランで、
日本では、たしかここにしかない優れものではある。

5000円〜1万円のコースのみ。
しかし、これでも十分安いのだ。
僕らには合わないけど。

どちらにせよ、予約でいっぱいというウワサ。
食べる価値はありなので、グルメの方はぜひ。
ギー・マルタンは、小さな恋のメロディの時の
ジャックワイルドに似た、気さくなおにいちゃんですよ。

空いてて、すぐ入れるということで、チェコ館に入る。
僕はポークカツレツを食べるが、
メニューはどれもおいしい。
ニンニクのスープは最高だったな。
寒いところなのか、味が濃い。

一番おいしそうだったのが、「農家のお皿」。
アヒルのロースト、スモークド・ポークなどの肉料理に、
蒸しパン、ポテト・ダンプリング、
キャベツのピクルスがつきます。
ポテト・ダンプリングとは、
小麦粉の練り団子にジャガイモを混ぜたもの。
意外なおいしさです。
http://www.expo2005.or.jp/jp/E0/E7/grm_042139.htmlで見られます。
空いている万博の店はいいなあ。
腹ごしらえをしていよいよライブだ。

2500人ほど入る会場に、1500人ぐらいの人々。
そこに窪田晴男とたった二人でのライブだ。

昨年行ったフランスツアーの縮小版。
老人も半分以上ぐらいだが、
「精子減少反対に手拍子をください」等の出し物に、
みんなよく参加してくれた。

まずまずの反応に気をよくし、ステージを降りる。
衣装を貸してくれた、フランス館にいる
アニエスbのプレスの人に会いに行く。
「何人くらい入りました?」
「う〜ん、いっぱいにはならなかったけど、
 1500人くらいかな?」
「え〜、それは素晴らしかったじゃない。
 先週同じ場所で、アメリカのローリー・アンダーソンが
 やったんだけど、何人入ったと思う?」
「500人ぐらいかな〜?」
「200人!!」
「え〜〜もったいない!!」
ローリー・アンダーソンがやったなんて知らなかったよ。
(ニューウェイヴのカリスマ的存在。ダンナはルーリード)
告知は不備があるなあ。
ローリー・アンダーソンは
アメリカ館の展示にかなりかかわっているらしい。
帰りは、車を使わず、会場内の電車にのり、
その後リニア、地下鉄で名古屋にいく。
リニア〜地下鉄の連結は、長蛇の列になり、最悪。
電車内も立ちだから、
疲れている人はクタクタになるだろう。
地下鉄のこの路線は、網棚がない、
珍しい車両である。

会場からは、バスが最良というウワサだ。
専用車線で、スイスイの運行と聞く。

(この項終了)

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2005-06-10-FRI

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