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9月9日(水)
きよたさんへ
さて、きよたクン、今日ってなんの日だか、知ってる?
そう、9月9日。
「うさぎチャンネル」なあなたのことだ、
またクジテレビの日とかって言われかねませんね?
ちがいますよ。
今日はね、
『重陽(ちょうよう)の節句』っていう日ですよ〜。
「重陽」というのは「陽」が重なる、
つまり「9」という数字って「陽」数、
らしいんですけども、それが2つ重なる、
とってもおめでたい日ということですよ。
で、このおめでたい日に何をして祝うか、というと
「菊の花」を盃にうかべた菊花酒を飲んで、
「不老長寿」を願う、ってことらしいですよ。
そんなもん、年寄りのすることだぜ、
とでも言われそうですね。
たしかにアメリカナイズされているきよたさんからしたら、
そんなのふるくっさい考えかもしれません。
でも、昔のひとが考えたことは、大事にしといたほうがいいものです。
「不老長寿」。。。
あらためて考えるとすごい発想じゃないですか。
単純にお節句だからって菊の花の浮かんだ
お酒を飲んでりゃいい、
という、かんたんな問題ではないような気もしますが、
ま、これもひとつの日本の(古くは中国からの)風習、
ということでね。
よろしかったら覚えておかれるのも、一興かと存じますわ。
めっきり秋めいた話題で、失礼を。
P.S.
言っとくけど、たくさん飲めばいいってもんじゃ、
ないからね。
サイトウより
サイトウさんへ
佐渡への旅はいかがでしたか?
♪佐渡へ〜〜、佐渡〜ぇぇぇ、佐渡ぉへ〜とぉ、
ウ〜サぁギぃも〜な〜びぃぃくぅ〜よっ、
ちゃぁららっ、ちゃぁららっ、
ちゃぁらちゃぁらちゃぁららっっ♪♪
・・・はぁはぁはぁ。ちょいと歌っただけで
酸欠になっちゃったですぅ。
今日はまた、たいへんしみじみとした趣のあるお話を
ありがとうございました。
ってことは、今日は酒を飲んでいい日、なんですね。
しめしめ、と。
「趣」についていえば、「日本うさぎ公団」も
負けちゃいませんよ。
なんのために我ら「日本うさぎ公団」という名前が
ついていると思ってるんですか、まったく!
「日本」ですぞ! 「うさぎ」ですぞっ!!
・・・、すみません。
つい、ちょっとチカラがはいっちまいました。
日本のうさぎが、一年のうちでもっとも大活躍するのが
この9月10月なんです。お彼岸のころにはすっかり毛も
「秋・冬ヴァージョン」に抜け変わっていて、備えは万全、
彼らはもうやる気マンマンです。
なにがどうやる気マンマンなのか、と申しますと、
まず、彼らは4〜5匹ごとのグループに分かれて、
日本全国の和菓子屋さんへと散らばって
配属されていきます。
何のために、って?
そりゃ「お月見だんご」をつくるため、
に決まってるじゃありませんか。
彼らにとっては、こんなに大事なものを、
黙って他人サマにおまかせ、
ってわけにはいかないんです。
これから一年の健康と、家内安全、交通事故死ゼロ、
といった雑多な祈りと感謝の気持ちをおおざっぱに
こめながら、あずきをゆでて、団子をこねてまるめて、
食紅で赤い目をチョンチョンとふたつ入れて、
っていう作業を、日夜黙々と続けています。
一説には、この時期、全国の和菓子の生産量のうち、
うさぎ公団によって生産される分は
ざっと全体の約68%に相当する、ともいわれています。
もっとも、実際に工場で生産される団子の数は
それよりもずいぶんと多いらしいのですが、
ヤツらの場合、出来たそばからけっこう
食べちまうらしいんですね。
「このほくほくの、ふかふかの、蒸したてがさぁ、
ほぐほぐ」
ああ、やっぱり、こんな調子ですからね。
ちなみに、団子に耳を描くかどうかについては、
その地方地方でいろいろな作法があって、
一律ではない、ということです。
食紅で描くところ、焼き印を入れるところ、
お砂糖の細工ものを差すところ、
あと、うちはなんにも入れないってところもあります。
わたしは個人的には「食紅」派、ですけどね。
ま、味には影響ありませんし。
しいていえば中のアンコについては、
白あんよりもこしあんが好み、ってくらいですかね、はい。
「仲秋の名月」まで、あと一ヶ月弱です。
彼らの「お月見だんご」づくりも、
今がたけなわの忙しさです。
そうして出来上がったお団子がスーパーやら和菓子屋さんに
並ぶころ、彼らはそれまでの「粉」と「アンコ」にまみれた
一ヶ月の奮闘をお互いにねぎらいつつ、
しみじみと日本の秋を愛でていることでしょう。
あ、そうそう、前に私が、ある和菓子屋さんから話を
聞いたところではときどき何を勘違いしたか、
みんながせっせと「だんご」をまるめているそばで、
なんと、りんごの皮をむいて「うさぎりんご」を作っている
ヤツも、ちらほらいる、ということです。
和菓子屋のご主人も、それはそれでいいか、ってことで
温かく見守りたいとおっしゃっていましたけれどもね。
じゃ、私もしぶ〜い日本茶など差し入れつつ、
ちょっと彼らの様子を見てきましょうか。
出来たてのほくほく、おみやげにもって帰ってきますので
待っててね。
キヨタより
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