PLANET
網の目のある惑星。
おーい、
と呼びかけてみよう。

Vol.15 「工房探訪 in フランス」<その4>
Laure et Sylvain MULLIEZ


00.6.09発

「ほぼ日永久紙ぶくろ」が、フランスのアトリエに到着!

早速、Laureさんからメールが届きました。
________________________________________
dear Mika,
Thank you for your presents,
it is very kind from you ,
we have given one nylon bag by person.
Good week end in Japan.
here the sun shine
and we will taste a good time outdoor.

Best regards Laure


Mikaへ、
プレゼント、どうもありがとうございます。

おかげさまで、ナイロン・バッグは
ひとりにひとつずつ、ゆきわたりました。

良い週末を。

こちらは、よいお天気で、
戸外で、すてきな時間を楽しめそうです。

では、
Laure
_________________________________________


ふふふ。
あのフランスの小さな丘の上のアトリエのみなさんが
「ほぼ日永久紙ぶくろ」使ってくれてるのを想像すると
なんだか「にこにこ」しちゃいます。

かく言うわたしも、
先月、韓国のソウルへ「赤門」選手を同行させました。
明洞で、仁寺洞で、南大門市場で、
ソウルを離れて、光州でも大活躍さ!

「ほぼ日永久紙ぶくろ」、世界を闊歩しております。

さて、先日編集部にちらっとおじゃました際、
「NEW!ほぼ日永久紙ぶくろ」サンプル、
見せてもらいました。

ちょっと奥さまがたぁ、
もちろん、奥さま以外の方々も聞いてくださいましな。

これがねぇ、いいのよぉ!

特に、
わたしは「マリリン」を強力プッシュします。

クロ、チャ、ときて、あの「ピンク」。
なんとも「アポロ・チョコ」風味で、
クロ、チャ、ときたら「ピンク」っしょぉ!て感じでした。

惑星各地で、
「ほぼ日永久紙ぶくろ」が
ますます大活躍しそうですね。

では、
わたしは、またまた「惑星」探査に行ってきまぁす!

2000-06-14-WED

Vol.15 「工房探訪 in フランス」<その3>
Laure et Sylvain MULLIEZ


ついに、
「わたしのカバン」が、
そのヴェールをぬぐ時がやってまいりましたですよ。

「そんなに“タイソウな”モノなのぉ?」
と、お思いのアナタ!
ごめんなさいね、「大層すてき」なんです。

そこで、
Laureさん・Sylvainさんに送っていただいた、
画像ファイルの数々、
この「わたしのカバン」ができるまでをごらんください。


サイトにも、カバンの制作工程が掲載されていますので、
興味のあるかたは、こちらもごらんください。



<皮をカッティングする>


こーんな一枚皮からつくるんだ。






一体、いくつのパーツが必要なんだ?






内張りも皮。



<のりしろをつける>








<のりづけをする>







なんだか「プラモづくり」チックだと思うのは、わたしだけ?






<組み立てる>


このあたりの作業は、わくわくするね。


<ミシンで縫う>


真打ち?ミシン選手、登場。






いよいよ、
姿をあらわしてきた「わたしのカバン」!

<ストラップをとりつけて、できあがり!>


ほらほら。あの道具たちだ。






<こちらがLaureさん(左)とSylvainさん(右)です>







あったりまえだけど、
こうやって「カタチ」になるんだよね。

どんなモノも、
ゼロから、いきなり「じゃーん!」
って“出現”するわけじゃない。

どんなカタチにしようかなぁ、
から始まって、
どうやったら、そのカタチになるかなぁ、
って作業工程を考えて、
あーでもないこーでもないと手を動かして、
やっと「カタチ」になる。

それがダイレクトに伝われば伝わるほど、
「愛おしいモノ」になるんですねぇ。

と、
強力な「レコメンド」体制でお送りしてきましたが、
ここで思い出しませんか?

「ほぼ日にも、
 大絶賛な“フクロ”があったぢゃあないかっっ」

そうです!
ほぼ日永久紙ぶくろ。

いろいろとお世話になったので、
わたしは感謝のキモチをこめて、
(って、よく考えたら、わたしは“お客さん”なのにね。)
「Mulliez」のアトリエのみなさんに
「ほぼ日永久紙ぶくろ」をプレゼントする予定です。

気に入ってくれるといいけどな。


ところで、
「なんで、
 カバンのスタイルに“都市”の名前がついてるの?」
と思いませんか?

わからないことは聞いてみよう!
「どうして、“都市”の名前なのですか?」

- まず、「カバン」っていうのは、旅行だとか移動の時の
 付属品みたいなモノ。
- お客さんにとって、
 たとえば「品番ref. 002560002387」なんていうのより
 名前がついていた方が、記憶にのこる。
- それぞれのカバンのデザインにつけられた都市の名前は、
 わたしたちがいだいている、
 その国やその街のイメージにちなんでつけたモノ。
 あるいは、そのカバンがつくられた時代に起こったコト
 (政治的な、また個人的な)にも関係がある。

のだそうだ。
いろいろ「深い」意味があるのかもしれない。

さらに、“ところで”、「名前」といえば。
Sylvainさんから、わたしにこんな質問が。

「ところで、
 個人的な質問になってしまうんだけど。
 Mikaっていうのは、女の子の名前?男の子の名前? ;-)」

ははは。
そういえば、F1ドライバーに「ミカ」さんっていますよね。
ヨーロッパでは、「ミカ」はオトコノコの名前なのかなぁ?

そこで、
「MIKA」について調べてみたよ、コーナー。

サターンを天国から追放したといわれる、
大天使のひとり“St.ミカエル”を例にかんがえてみよう。

Michael, Michel = ミヒャエル(独)、
ミシェル(仏)、
マイケル(英)。
これらは、オトコノコの名前だからね。

で、こんな単語もあります。
mica = [マイカ](英)
[ミカ](仏)と発音しますが、
いずれも、鉱物の「雲母/きらら」意味する単語。

フランス語の単語は男性/女性名詞にわかれていますが、
このmicaは「男性名詞」なんですねぇ。今、知ったのですが。

というアレコレから、
Sylvainさんは、わたしのことを、
「ひょっとして、こいつ、オトコかも?」と
思ったのかもしれませんね。

ハズレですけどね。

まったくのピュア・ジャパニーズであるわたしの両親は、
れっきとした「オンナノコ」に、
このMikaという名前をつけました、とさ。めでたしめでたし。

と、わかったようなわからんようなハナシもありつつ。

もし、
ココのページをみて、
「Mulliez」のカバンをオーダーした方がいらしたら、
ぜひ、ご感想など、お聞かせくださいね。

「ずたぼろ」になるまで使いこんで、
皮の「いいカンジ」具合を自慢しあいませんか?

5年後、10年後、いやもっと先かなぁ、
御連絡お待ちしております。

では、またね。

2000-05-21-SUN

Vol.15 「工房探訪 in フランス」<その2>
Laure et Sylvain MULLIEZ


「郵便でーす」

土曜日の昼さがり、
それは、やってきた。

異国の地からの小包。
白地に赤で「BANDE DE GARANTIE」と書かれたガムテープが、
たてたてよこよこ、ばしばしっと貼ってある。

「コレ、
 フランスの丘の上にある、あのアトリエから
 はるばるニホンまでやってきたんだなぁ。」


前回も登場したけど、ここがアトリエ。

なんて、感慨もヒトシオ...。

すると、
 
「えーっとですねぇ、こちらのお荷物ですが、
 関税と消費・地方消費税、
 通関料で2000円いただきます。」

そ、そうでしたか...。
関税の税率は、「協定 8.5%」。
消費税は、「4.00%」。
地方消費税は、「25.00%」。
「納付すべき税額の合計」という欄に金額があったので、
きっちり「納付」いたしましたよ。
「すべき」って言われちゃ、ねぇ。

ちなみに、
送料は、あちら持ち、ということになっていますが、
このように「諸税」がかかりますので、お見知りおきを。
国民には「納税」のギムとやらがありますのでね。

さてさて、
それでは、その包みを開けてっとぉ...。

へへへ、まだ「中身」は見せないよーん。

先に、インタビューをお届けすることにしましょう。
     原文はこちら>>

*今回、お互い英語が母国語じゃない同士のやりとりのため、
若干「質問」と「答え」がかみあっていない箇所があります。

ここでは、いただいたままの文を原則としていますが、
一部、わたしの推量で訳しています。


Q1//まず、はじめに、
 このサイトを始めたきっかけを教えて下さい。

A//1年になります。
  *「when」と「why」の読みマチガイかな?

Q2//販売の手段として、
 「インターネット」を選んだのはなぜですか?

A//わたしたちは、とても小さな村に住んでいますので、
 webサイトという方法は、
 世界中にモノを売るのに適していると考えました。

Q3//オンラインで「モノ」を売ることのメリット、
 そして、デメリットとは?

A//オンラインでモノを売るのは難しいことです。
 資金が必要になるし、サイト自体を頻繁に変化させたり、
 興味をもってもらうための努力の時間も必要です。
 
 大きな(バッグの)ブランドもサイトを持っていますが、
 それは単なる「広告媒体」として機能しています。
 もちろん、(そのようなブランドは)
 それ以前からショップを広く展開しているし、
 雑誌媒体にも広告を載せていますね。
 
 このようなビッグ・ブランドに追随するようなやり方は、
 難しいです。

Q4//アトリエには何人の職人さんがいますか?
A//わたしたちの工房には、4人の職人がいます。



Q5//よろしければ、
 その方たちのことを少し紹介してください。

A//すべての職人たちは、
 「カバン」づくりの工程の最初から最後までを手掛けます。
 でも、「工業的」な流れ作業というわけではありません。
 わたしたちは、いいチームワークで、
 みな、この仕事が好きです。

 仕事の状況は、大変というほどではありません。
 小さなチームだけど、結束力が強く、
 和気あいあいとした関係です。

Q6//あなたの工房のカバンの「セールス・ポイント」は?
A//クリエイティブな「カバン」である、ということ。
 限られたシリーズ展開である、ということ。
 あえて、他のヒトたちとはちがったモノであること。
 それは、
 「a fashion victim;流行りに踊らされるモノ」には
 ならない、ということです。
 
 今、世界中の女性たちが、こういう傾向にあって
 (つまり、自分たちの“お気に入り”をみつける)
 「そのヒトらしくある」ためには、
 それはとてもいいことだと思います。



Q7//4つの決まったデザインのカバンをつくり続ける理由は?
 また、今後、あたらしいデザインを追加する可能性は?

A//(限定されたデザインの「カバン」を制作する理由は)
 (ビジネスを展開していく上での)実利的な理由であると
 同時に、同じものをつくる時に便利であるからです。
 
 わたしたちは、世界中の50の店舗と取り引きをしていて、
 そこでは、すべてのモデルがそろっています。
 (*こちらにその店舗リストがあります。
  日本にも取り扱い店舗があるようですよ。
  詳しくは、そちらをご覧下さい。)

 このサイトが、唯一(の販売手段)ではありません。

Q8//「職人」として、
 「よろこび」を感じることはどういうことですか?

A//わたしたちは、
 クリエイティブな「カバン」をつくることに
 そして、クオリティの高い仕事をすることに
 幸せを感じます。

 たぶん、
 このように専門的に、このような経済的システムを使って
 仕事している「職人」は唯一、なんじゃないかな?

 もちろん、あなたのために「カバン」をつくることも
 幸せなことですよ。
 そうすることで、お客さんの好みも知ることができるし。


ずら〜り勢ぞろいした「道具」たち。




こんなold-fashionedなミシンも。


Q9//あなたのアトリエのある場所のことをおしえてください。
 窓の外には、なにがみえますか?

A//わたしたちは、
 この国、フランスの南部の小さな丘に住んでいます。
 
 今、窓の外は「春」です。 
 たくさんの桜の花がみえます。
 とても美しく、太陽はサンサンとしています。
 
 フランスにいらっしゃることがあれば、
 歓迎しますよ。

Q10//このサイトを通じて、
 見知らぬ人との出会いも多くあると思います。
 特に、印象に残る出会いはありましたか?
 たとえば、ネットなくては出会えないような、
 遠くの国に住んでいる人との出会い、とか?

A// この2ヶ月間、
 サイトは、意見交換のよき場所;サイトになっています。

 ある皮カバンのデザイナーたちが、
 彼らの好きなものを言ってくれたり、
 若いヒトたちが、この仕事を勉強したいと言ってきたり、
 昔からの友人たちが、友情のしるしを与えてくれたり。

 さまざまな興味のあり方を知るのは、おもしろいこと。
 世界との「つながり」を持つことも。
 そう、あなたとのような、ね。

Q11//あなたのサイトを、
 あなたが会ったことがないであろう、
 多くの日本人が見ることになります。
 われわれもそれをのぞんでいるのですが、
 彼らに、メッセージはありますか?

A// "Mulliez"の「カバン」を使ってみてください。
 そのクオリティが、
 たしかなものであることを確信してください。

Q12//最後の質問です。
 あなたのサイト以外で
 最近お気に入りのサイトがあれば紹介してください。

A//「お気に入り」のサイトはありません。
 わたしたちの趣味である、音楽、アート、詩、演劇、
 それらのサイトを探しています。


「trust the quality」。
"Mulliez"の工房の職人さんたちから
わたしたちへのメッセージ。

直訳すると、「その品質の良さを信頼せよ」となりますが、
ココロから自分たちのつくっている「モノ」に
自信と信頼がなければ言えないことだと思うのです。

4つの限定デザインの「カバン」しか製造していないけど、だからこそ、
その「カバン」のひとつひとつに
「絶対の自信」が持てるのかもね。

次回は、
ついに、その「絶対の自信」をもってつくられた、
「わたしのカバン」が、その全貌を現わします!

期待して、待っててね。

2000-05-11-THU

Vol.14 「工房探訪 in フランス」

Laure et Sylvain MULLIEZ


桜、過ぎ去っていきましたねぇ。
わたしの住む場所では、
次なる春の使者、けやきが、
泣きたくなるくらい黄緑色の葉を一斉に芽吹かせ始めました。

そうです!春がやってきました。

春が来ると、必ずやってくるもの。
「お誕生日」がやってきます!
だれの?
わたしの。
年々「微妙」なお年頃になってきましてね、わたしも。
せめて「微」がとれないように祈るばかりです。

そんなわたしは、
「わたし」に贈り物をしようと思い、
ま、しなくてもいいんだけどさ、
これを口実に、
普段買わないようなモノを買ってみよう
とか思っちゃったわけですよ。

探査ついでに、
ふらふらいろいろ探してみました。

そして、辿り着いたのが、フランスのとあるカバンの工房。




わたしは、「わたし」のために、
「わたしのカバン」をオーダーすることにしました。

Bonjour !
Je cherche un sac pour moi... ...
「すみませーん、
 わたしにぴったりのカバンをさがしているのですが?」

Oui oui !

と、あらわれたのは、
Laureさんと、Sylvainさん。

4つの限られたデザインしかつくっていない、
カバンのアトリエです。

まずは、
カバンに使う皮の見本を送ってもらうことにして、
実際の色を確認します。
約一週間ほどで着きました。



「カバン」に使う皮。もちろん、送ってくるのは“コレ”じゃないですよ。



サイト上でデザインをみて、
手許の「皮見本」で色をみながら、
できあがりを想像します。

へへへ、どんな感じになるのかねぇ。

しかし、こまったコトが発生。

4つあるうちの2つのデザインで迷ってしまい、
どっちにしようか悩んでしまいました。

すると、
Sylvainさんが
「実際に使う用途で選べばいいのじゃないかしら」と
アドヴァイスをしてくれました。

そして、いよいよ決めました。

デザインは、「new york」style。
色は、「marron」。

サイト上のセキュリティーの問題で、
実際のオーダーフォームはファクシミリ経由で送信。

3月27日。
ふくれあがる一方の「わくわく」をのせて、
オーダー完了。

フランスからの発送にかかる日数をふくめて、
オーダーを受けてから、約4週間ほどで届く予定。

「わたしのカバン」は、
一体どんな風にできあがったのか?
そして、
どんな場所にある、
どんなアトリエの、
どんなartisan=職人さんたちがつくっているの?
気になるでしょう?
とっても知りたくなったので、
いろいろとお話をお聞きしました。

「カバン」とともに、
その「わたしのカバン」ができるまで、の様子を
写真にとって、レポートしてくれるって!

たぶん、
一番わくわくしてるのは「わたし」なのですが、
みなさまも、ぜひ、どんな「カバン」になるのか、
期待しててくださいね。

では、
不必要なまでに「にこにこ」しながら、
「わたしのカバン」が到着するのを待つことにします。

2000-04-24-MON

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