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仕事の電話ブームが終わると
田口が言い出しました。
「あーー、ねむい」
「あーーー、ねむい」
「あーーーー。
あーーーー。おなかすいたっ」

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車は北上し、
那須に少しずつ近づいています。
ただ、なぜか
運転している田口に
仕事の電話がどんどん入ります。
田口
「あー、いいです」
「あー、いいです」
「あ、それでいいと思う」
なんだ、この状況。
運転に集中する田口、
ほとんど内容を
聞いていない気がします。

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ホソイ
「でもゴールデンガンジーってさ、
なんか不思議な名前じゃない?
とーじ君、ウソついてんじゃない?
それ、ジャージー牛だよ。
ぜったい」
もも
「(笑)そうかも‥‥
あ、いや、間違ってないみたい。
ガンジー牛っていう牛が
いるみたいですよ」
ホソイ
「あ、なるほどね。
ガンジー牛って牛がいるのね。
そっかそっか。へえ〜」
もも
「そういえば、
ほぼ日乗組員の大西さんが、
『那須の人と結婚したい』って」
ホソイ
「それさ、あてはあるの?」
もも
「ないんじゃないですか」
ホソイ
「じゃあダメだよな」
後部座席で、まことに
どうでもいい話題が
繰り広げられています。

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もも
「そういえば(ほぼ日乗組員の)
とーじが、那須の牧場で食べた
ゴールデンガンジーソフトっていう
ソフトクリームが
めちゃくちゃおいしかったって」
ホソイ
「なに、それ、
黄色いソフトクリームってこと?」
もも
「黄色じゃないです。ゴールデン!」
ホソイ
「ゴールデンって、黄色でしょ」
もも
「ちがいますよ、ゴールド色ですよ」
ホソイ
「ももちゃん、食べたいの?」
もも
「はい、わたしぜったい食べたい!」
ホソイ
「那須、12度だぜ〜。
やってんの?」
もも
「またまたー。
きっとやってますって」
ふたりの会話、なんかおもしろいです。

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田口
「ごめん。ごめんごめん」
と言いつつ、
まったく焦る様子はなし。
駐車場に下りると
すでにホソイが車をだして
出かけようとしてました。
‥‥早すぎる!

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ちなみにももは、
バタバタするふたりを横目に
「まだですかねぇ〜」と
のんびり立って待っています。
荷物がひとり大きくて
「これが女子の2泊旅行ですよ!」
と言いつづけています。
ええと、
今日は『出張』です。

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我々、今日は11時出発予定です。
‥‥が、田口がギリギリになって
頼まれ仕事をやりはじめ、
まったく動く気配を見せません。
ホソイがたえられなくなって、
「これ、運んじゃえばいいのね?」
と言って、荷物を車に
積みはじめました。
そして、車から戻ってきません。
ちぐはぐな家族旅行みたいです。

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あれ、ホソイさん、
荷物それだけ?
「うん、だって、
パンツと靴下くらいでしょ?」
12度らしいですよ?
「そんなの、死なないよ」
ひえー。
さすが、ほかの乗組員に
「好きな食べものは?」と聞かれて
「うーん‥‥水!」
と即答した人なだけはあります。
風邪ひかないでくださいねー。


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本日、那須にいくメンバーは4人。
田中、もも、田口、ホソイの
車にぎりぎり乗れるメンバーです。
出社するなり、ももが言いました。
「今日の那須、最低気温が
12度らしいですよ」
‥‥12度!
チャウスのかたが
「山へいく気分で来てください」
と言っていましたが、
まさに、そのとおりかも‥‥。














