カレーの香りが
ほんのり残るキッチンも
いまはこんな状態です。
ここも、思い出いっぱいだなぁ。

というか、
もうほとんど終わってない？
明日の中継前に、
ほとんど終わってない？

先ほど、多田さんは話していました。

システム部にとっても、
きょうはすごく忙しい日だと。
きょうはいつも以上に
気合いが入っていると。

そう、だから、煮干。

そろそろフグの準備か。
きょう、荷造り１ミリも進んでない。

そう得意げに話すのは。

もう終わったの？！　ほんとに？
じゃあ、ちょっとキャビネット、
あけてみてよ。
と言って、引き出しをあけてみると‥‥。

あれ、なんか入ってるよ？　


「ああ、これですか。
不当要求防止責任者専任済之証です」

えっ、えっ？　　
ごめん、聞き取れなかった。


「不当要求防止責任者専任済之証」

ごめん、なんかよくわからない。

さあ、よってらっしゃい、
見てらっしゃい。
きょうはみなさまに、
特別にお見せしましょう。

そうです、ここが、
ほぼ日の「地獄」でございます。
足元、どうぞお気をつけください。

この積み上がり具合、
たいへん恐ろしい感じですが、
個人的にびっくりしたのは、
首かけ扇風機の電源が
オンのまま捨てられていたこと。

部屋に入った瞬間、
急に下から風が吹いてきて、
「え、なに？！」ってなりました。

そういえば、いま地獄って
どうなってるんだろう？
よし、行ってみるか。

らせん階段をのぼって
‥‥ん、ダンベル？

社内、大変バタバタしてます！

机の後ろをカートが通ったり、
人の往来がいつも以上に
激しくなってきました！

いやぁ、あせるあせる！！
こんなときこそ、みなさん平常心で、
おちついていきましょー！！

‥‥と、ふとまわりを見てみると、
この騒がしい中で、
なんといねむりしている
を発見！
なんたるハートの強さ！

というか、この騒々しい中で、
なぜそんな穏やかに眠れるのですか？

哲学的な言葉を残し、
どこかに行ってしまった永田さん。

さて、フグ班の多田さんは、
さっそく運び出しの準備に
取りかかります。
緊張感のともなう作業です。


「水槽の中の水を半分ほど
水タンクに入れます。
フグはバケツに入れて、
そのまま運びましょう」

なるほど、なるほど。
じゃあ、タクシーとかで？


「いえ、会社の車で行きます。
私が運転しますので、
フグは、稲崎さん、
あなたが抱えてください」

‥‥ん、俺？　え、俺！

さっきの水タンクを手に、
フグのもとへ向かいます。
おや、だれかいる？

あ、永田さんだ。
どうしたんすか、こんなところで？


「俺に俺の机を占拠されてしまった」

さあ、そろそろ荷造りをはじめないと
本気で間に合わなくなります。

‥‥と、思っていたところ、
フグ担当の多田さんがやってきました。

「きょう運びますか、フグ」

え、きょう？　え、どうやって？

「まずは命の水を、
これに入れて運びます」