まつがい
小学校低学年の頃の、ある夏の日。
学校から帰って、暑くて喉が渇いた私は、
冷蔵庫から母が手作りしている
苺ジュースを出し、グラスに注いで
キッチンに立ったまま、一気飲みした。
しかし、甘酸っぱくて美味しい
苺ジュースと思った、ルビー色の液体は、
同じく母お手製の、
紅生姜の漬け汁であった。
志村けんさんの往年のギャグのように
「だー」と口からこぼし、涙目になりながら、
子どもながら「何やってんだ自分‥‥」と
自己嫌悪に陥った、今から40年以上昔の、
忘れられない、夏の記憶。
(もつ)
2024-07-20-SAT