途中で福田さんが、

「もうやめましょう。
写真が撮れればいいじゃないですか」

と言って、あきらかに心が折れました。

山下は言いました。

「それじゃあだめなんですよ！」

福田さんはすぐにわかってくれました。

ぼくらは、最後まで
ボリュームを落とさず、
急がずに読みました。

それができたのは、
たったひとりだけれど
見てくれるお客さんいたからです。

じょうくん、ありがとう。

ひとりの心に届けばいい。

過去最高の熱演です。

山下が声を張る。

福田さんが叫ぶようにセリフを読む。

なのに、なんということでしょう。

誰ひとりとして
立ち止まって聞いてくれる人は
いなかったといいます。

ちらりと見る人は多数ですが、
目を合わせないように通り過ぎます。
それはどうでもよくありません。

せつない。

「ぼくはうさぎ！！」

いつもよりもずっと大きな声で
山下が読みはじめました。

女の子の声担当の福田さんも
負けじと声を張り上げます。

「いぬを飼っているのね？！」

次の挑戦は勇気がいります。
でもさっき静岡で
ちびっこたちに勇気をもらったので大丈夫。

パーキングエリアの前で、
絵本を読みます。

誰かが立ち止まってくれたら最高。
きっと、うまくいきます。
人がたくさんいますからね。
チャレンジ！

完成！

じょうくんの分もあるからね。

さあ、飲もう飲もう。

‥‥ん？ んんん？！

これは、薄い！！

あと、あっという間に
アイスコーヒーになっている。

さらに、よく見えるはずの富士山が
雲に隠れてまったく見えない。

ともあれ、ひとつめのチャレンジ成功。

なんとかお湯を手に入れて、
注ぎます。

集中。

通りすがりのご家族がみな
ちらりと見ていきますが
それもどうでもいいことです。

寒い。

でもそんな環境だからこそ、
男ふたりはコーヒーを淹れます。

気仙沼アンカーコーヒーを
手回しのミルで挽いて、
ペーパーフィルターにセット‥‥
したら風でとばされましたが
それはどうでもいいことです。

よーし、淹れたるでー、福田さん。

順調です。
天気もよくて。

たぶん最後のパーキングエリア、
足柄に立ち寄りました。

十分に時間がありそうなので、
ここで余裕をみせます。

ここで、ふたつのチャレンジを。

こちら、ほぼ日曜日。
大福田展も11時にオープンしました。
オープンを目指してご来場くださったみなさま、
ありがとうございます！

ホーム&ロックを展示する壁がすっからかんなので、
みんなで今か今かと待っています。
でも焦らず、お気をつけて！

気がついたら目の前に。

よっ、日本一！

これが見られる場所で育ったり
暮らしたりできる人を
うらやましく思います。

車は順調に東へ。