タルトタタンを食べているとき、
静寂がおとずれた。

カフェひらながの
お店の方が、
私たちがあまりにも静かなのを
心配して見にきてくださいました。

「さきほどまであのように
にぎやかだったのに、
ケーキを食べはじめたら
シーーーンとなっちゃって、心配で。
でも子どもさんたちと同じ、
食べはじめたら静かになる現象、ですね」

そうそう、そうです。
おいしくて、ほんとに！

ほんとうに、
こんなにおいしいタルトタタンを食べたのは
はじめて、っていうくらいですよ。

カフェひらながの永井さんによれば、
やっぱりカトウさんの紅玉に
すごい力があるからですって。
りんごをいかすように、
キャラメリゼをあまりしないようにして、
生地はタルトやパイではなく
うすいスポンジにしているそうです。

さいごに焦げ目をつけて、
生クリームをのせて、完成。

あまずっぱくて、香りが豊かで、
いくらでも食べられるよ！

このタルトタタン１ホールに
カトウさんちの紅玉を
20玉ほど使用しているらしいです。

おーたが
「泣けてくるおいしさだ」
と言ってました。

食べ終わるのがほんとうに悔しい。

「タルトタタンといっしょに出てきた
ブランマンジェも、すごくおいしい！」
とおーたが叫ぶ。

ブランマンジェって何？ と永井さんに聞けば、
それはアーモンドの入った
ミルクゼリーのこと。

「アーモンドってふつうは
外国産でしょ？
ところがこれ、国産。
福島産。
フルーツファームカトウさん産」

ええ？ そうなんですか？

カフェひらながの平野さんが、
原料を見せてくださいました。

「ほうら、これが
アーモンドの実」

はじめて見た！

「実をこうして、
パカっと割るでしょ」

中から種が！

はじめて見た！

「そしてね、種を割るんですよ。なたで」

なたで！

なた使う人はじめて見た！

生アーモンド。

生アーモンドはじめて見た！

生アーモンドはじめて食べた、
生アーモンドはじめて食べた、
「すごいこれっ。
杏仁ドーフや！」

ひとつぶで、杏仁ドーフ！

おーたさんも、やってみます。
アーモンドの実をぱかっと割ると、
そこには梅干しの種のような
アーモンドの種があります。
でも私たちがふだん
「アーモンド」と呼んでいるブツは、
まだこの中にある！