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2014/08/21 13:12 将来のこと

「いまは小学生のうちから
 職業体験学習をしたりするでしょう。
 そんな時期に将来のことなんて
 具体的に考えられている人がいるのでしょうか。
 ぼくは、大学5年生になっても
 将来についての考えを抱いていませんでした」

5年生、というのはつまり‥‥。

「ええ、大学を1年ダブっていますから」

卒業間近の、そのときまで。

「そうです」

新潮社には新卒で入られたのですか。

「1982年、新卒です。
 村上春樹さんがデビューして
 3年目くらいのときでした」

将来について何も考えていなかった青年が
なぜ新潮社でふたつの雑誌の編集長を
かけもちするほどの
編集者になったのでしょうか。

「それは、矯正につぐ矯正です。
 大リーグ養成ギプスのような矯正でした。
 ぼくは、はたらきながら
 あ、はたらけるんだ! と
 気づいていった人間です」

2014/08/21 13:05 暗記について

「算数に比べれば
 国語英語は鼻歌まじりでした。
 でも、単語や漢字を覚えるのは
 そんなに得意ではありませんでした」

ああ、そこが問題ですね。
そもそも暗記を得意とする人って
いるのでしょうか。

「いますよ。
 脳というものには個性がありますからね。
 たとえば、参考書を読み込んで、
 写真を撮ったように
 見開きの状態で覚えられる人もいます。
 ぼくが新潮社で雑誌の仕事をしていたときも
 『ああ、あの資料どこにあったかなぁ』と
 困っていると、
 『それは1982年3月号◯◯特集の後半あたりの
  ▽▽先生のインタビューのなかの、 
  右下あたりのコラムにありましたよ』
 など、スラスラ言う人がいました。
 信じられないようなことですが、本当です。
 しょっちゅうです。
 ですから、ぼくは働きはじめてから以降は特に、
 人間というものは役割分担できる生物なのだ、
 苦手なところは得意な人にお願いしようと
 割り切ることができました」

でも、学校のなかにいると、最初はとりあえず
「ぜんぶ得意」という状態を求められますよね。
算数も国語も体育も、遊びも発表も提出も片付けも
ぜんぶが得意。

「ああ、いまから考えても、
 胸が苦しいです。
 あの、小学校高学年時代のこと」

2014/08/21 12:56 理系への見切り

4年生から急に
優等生の道を逸れだした松家先生です。

「ああ、思い出す、あの校舎、
 3階建ての屋上にあがる手前の
 ちょっとしたスペースを基地にして
 悪仲間と、なにをするわけでもなくたむろし
 『女ってどうなってんのか?』などという
 興味を主に語り合う、あの日々‥‥。
 ぼくはそういう、悪い子どもの端っこにいました」

なにをするわけでもなく、という期間は
人生にはございますね‥‥。

「ええ。そして、算数に関しましては、
 いまだにぼくは出張精算などが苦手なほどです。
 まったくだめでした。
 ですから、言葉としてはそう思っていないけど、
 自分は文系だな、
 ととらえていました」

はやっっっっ!!!

「植木算、滑車‥‥当然、理科もだめです。
 生物などは得意でしたし
 宇宙にも興味はありますが
 それらを数値化しはじめたとたん全滅です」

わかるような気がします。
計算を物語化したものを
聞かせてほしい、ですよね。

「そうです、物語化してないとね」
 

2014/08/21 12:51 悪い高学年

「4年生になってね、まずは
 算数が難しくなってきました。
 そして、悪いことに
 手を染めるようになりました」

悪いこと‥‥?

「まずは、朝礼台から女の子を突き落とす。
 そして、スカートめくりです。
 ぼくは臆病なのでじっさいには
 スカートはめくりませんでしたが、
 心のなかでめくりまくっていました」

ま、松家先生のイメージが‥‥。
朝礼台から突き落とす、は
おやりになったのですか?

「ああ、それはぼくにとって痛恨の
 1回の暴力です。
 ちょっとためしに、ぽんとやったら
 ストーンと女の子が下に落ちてしまいました」

ストーンと。
それはちなみに、気に入った女の子
だったのですか?

「あたりまえです。
 男子がちょっかいを出すのは
 気に入った女の子に決まってますよ」

2014/08/21 12:42 それでは

松家仁之先生、よろしくお願いいたします。

松家先生はのプロフィールについては
こちらにございます。
とにかく、編集者たちの尊敬を集める方。
わたくしも、あこがれの大先輩です。

小説家としての最新作は『沈むフランシス』、そして
8月28日発売予定の
『優雅なのかどうか、わからない』です。

今日は、勉強についてのお話を
おうかがいしたいと思います。

「ぼくは3年生まで優等生で
 4年生からそうではなくなりました」

2014/08/21 12:34 嬌声

「しかし、なんですか、
 鈴虫だけでなく
 どこかから嬌声が」

あれは、近くで
ゲームをしておるのです。
これは「勉強の夏、ゲームの夏」という
企画なのです。

2014/08/21 12:30 そうかー

「蝉の鳴き声もそうですよ、
 みんな、俺をー!
 と鳴いています」

蝉って、メスは鳴かないんですか。

「鳴かないですよ」

2014/08/21 12:28 すずむし

先生にお話をうかがう部屋の近くに
鈴虫がいます。
りーんりーんと
心地よい声を響かせています。

先生、ちょっとうるさくてすみません。

松家先生はこう言います。

「大丈夫です、ぼくは
 鈴虫が好きですから。
 でも、あの声をあまり
 翻訳しないようにしないといけませんね。
 あれは、俺をー、俺をー、という
 声ですからね」

2014/08/21 11:08 おひとりめの先生

松家仁之先生がいらっしゃいました!

先生、よろしくお願いいたします。

早稲田大学第一文学部英文学科に
現役で合格、
5年かけてご卒業されました。

2014/08/21 10:49 先生をおまちしています。

こちら、
勉強サイド。

postman@1101.comには、
「勉強の質問」が
たくさん届きました。

今日5人の先生たちが、
質問にどんどんこたえてくれるとともに、
勉強にかんするお話を
どんどんしてくれます。
そのお話を、その場で書き起こして
どんどんアップしていきます。

お勉強でお悩みのみなさま、
そして、お母様、お父様!
ぜひ、おつきあいくださいませ!

あ、質問はいまも募集中です。
遠慮無くどうぞ!