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2012/08/27 18:23
絵の質問 ラストー。
絵の質問コーナー最後です。
5歳くらいの子に、
絵を描かせるための
声かけの方法は‥‥?

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息子(5歳・年中)の夏休みの宿題として、
夏休みの思い出を絵に描いて
2枚提出しなくてはいけません。
本人に任せていたら「海に行った思い出」と
「プールに行った思い出」が
ほとんど同じものでした。
絵の半分は真っ青に塗りつぶされていました。
褒めてあげようにも
「芸術的だね」しか言えません。
このくらいの年齢の子にはどんなふうに
絵を描かせる声かけを
していったらいいのでしょうか?
(まやねぇ)
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福田先生のお答え
「いつも同じ絵だねー、
 で、いいのではないでしょうか。
 ほんとうのことを
 言ってあげればいいと思います。
 海もプールも同じ絵だねー、
 青いねー、でいいと思います」

糸井
「福田さん、
 いまの答えはいいなぁ!」
2012/08/27 18:14
色をつけないうちの子、
大丈夫‥‥?
つぎの質問は、工作の質問でありつつ、
ちょっと子育ての質問でもあるような。

「質問です。幼稚園年長の息子。
 黙っていれば
 何かを作っている子どもです。
 ドライバーやカッターナイフ、
 はさみも上手にあつかう子なので
 わりと器用なのかな、と思っています。
 厚紙や空き箱、
 トイレットペーパーの芯等で
 立体物を作るのですが
 なにしろ着色をしません。
 マーカーやテープを使って、とか、
 シールなどで飾り付ける、とか
 そういうことを一切しないのです。
 『楽しくなるから、色、付けてみたら?』
 と誘うのですが
 本人は『う〜ん』と渋い返事。
 まぁ、コンテストに出すわけでも
 宿題というわけでもないのでいいのですが
 むき出しの芯や空き箱を
 喜んでいる彼を見ていると‥‥
 色彩感覚が抜け落ちてるんじゃないか
 と要らぬ心配が尽きません。
 無理やりでも色を付けさせるべきか、
 ほっとくべきか。
 どうしたものでしょうか。
 (ちるちる)」

おおお、これは、どうしたもんだろうね。
ぐっさん、ご意見は。

「お母さん、大丈夫です!
 自分の昔をみているようです。
 工作とは、使いたい具材を使って、
 ある程度できたら、終わりなのです。
 そのあと何をしているかというと、
 作ったものを見て、うっとりしたり、
 今回作ったものを、
 次にどう改造するかを考えているのです。
 できたとたんに過去の遺物になる。
 それが工作です。
 色をつけて完成、というのは、
 『大人が作った工作』の完成です。
 それよりも、次の工作へ向けての
 材料をご用意ください。
 たまにカラーセロファンとかを
 用意してあげると、いいかもしれません。
 光にすかしたときの綺麗さを
 工作に取り入れたり、する、かも?
 つまり、色を塗るように誘導するよりも、
 『色のある材料を用意してあげる』
 というほうが、工作好きには有効です。
 ちなみに、山口は小さいころの工作で
 色を塗らなかったせいもあり、
 デザイナーなのに絵がかけません。
 これば、ちょっと、残念ですね。ふふ」

ぐっさん、すばらしいよ。
ぐっさんはときどき、子どもの工作に関して
「いい素材をたくさん準備してあげるべき」
って言ってるよね。

「うん、それがいちばんだと思います。
 大切なのは、量をたくさん準備すること。
 工作は、失敗します。
 素材が1回分しかないと、
 その失敗を活かせません。
 使いやすい素材を
 たくさん用意してあげてください。
 つかいづらい牛乳パックやかまぼこ板を
 2枚ずつくらい準備して
 『これで工作をしなさい』っていうのは
 そうとうムリです、こどもにとって。
 あと、用意してあげた素材を
 子どもがうまくつかえなくても
 ほっといてあげてくださいね。
 そのときのビジョンにその素材が
 うまく組み込めなくても、
 『そういう素材がある』と知ることが
 工作好きの子どもにとっては重要です。
 つぎになにかつくるとき、
 『あ、あれがつかえる!』って
 ひらめくことができますから」

ご参考になりましたでしょうか、お母さん。
なりましたよね。
ぼくはなりましたよ、とても。
2012/08/27 17:53
学園祭で小屋を建てたい。
大作、「マッチ箱制作編」が
ようやく終わりました。
さぁ、つぎの相談に行きましょうー。

「学園祭でグッズの販売をやるのですが、
 そのときに徳光さんと糸井さんの対談
 で使われていた小屋のようなもの
 (写真1、2枚目)
 が建てられたら良いなあと思っています。
 どうやって作ったらいいのでしょうか、
 よろしければヒントをください!
 お願いします」

おお、あれはたしかに衝撃的でした。
もちろん、つくったのはぐっさんです。

「徳光さんの対談で作った小屋は
 キットになっていまして、
 誰でも作れるようになっています。
 写真のようなキットですね。
 1万円しないくらいです。
 (写真3、4枚目)
 このキット、開けてみると、
 なんと金具しか入っていません。
 そこに、ツーバイフォー材という
 木材をはめこんでいくことで、
 骨格ができ、
 板を貼れば屋根や床ができます。
 説明書によれば、
 はめこむ木材の長さを変えることで
 最大で六メートルくらいまでの
 さまざまな大きさの部屋ができるとか。
 ただ一つ注意があります。
 『ツーバイフォー材』はデカいです。
 270センチとか、そういう材料です。
 どのホームセンターでも売ってますが、
 乗用車に乗りきらない場合があるので
 買いに行く場合にご注意ください」

ほほう、なるほどなるほど。
学園祭でそういう小屋をたてるうえで
注意事項などあれば教えてください。

「ま、こういうキットをつかえば、
 小屋を建てること自体は可能だと思います。
 ただし、小屋ができたからといって
 安心してはだめです。
 たとえばそのままだと、
 苦労して小屋を建てても
 それが小屋だとわかってもらえません。
 ですから、可能なら、
 だだっぴろいところにポツンとつくる。
 中の照明にもこだわったほうがいいです。
 蛍光灯つけて終わり、とかだったら
 こだわってる意味がありません。
 かわいい証明をつけましょう。
 外側に旗をつけたり、
 意味なく煙突をつけたり。
 など、あらゆる手を使って、
 小屋のかわいさをアピールすべきです。
 大事なのは、小屋を建てたあとです」

あ、ぐっさんはよくそれを言いますね。
金賞を獲る工作は、
「そのもの」だけができているだけでなく、
「そのまわり」が
きちんとできていなければならない。

「そうです。
 『個性は世界観で出す』のです!
 いいなあ、学園祭。
 手伝いにいきたいぞー!」
2012/08/27 17:52
絵の質問その4
「はっ! とする絵」って‥‥??
福田さん、アドバイスを!

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毎年夏休みの宿題で、
子どもたちは
何らかの絵を提出しないといけないのですが、
完成した絵がいつも「ふつう」な感じです。
「みほん」のような・・・
なんか「とびぬけた」感がでないのです
母の私が学生の頃、描いた絵も
「みほん」的で、
目を引く面白い「とびぬけた」絵を描く
友人がうらやましかったです。

子供たちにどんなアドバイスをしたら、
はっ!とする絵が描けるのでしょうか
(さがっ子)
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福田先生のお答え
「左手で描いてみたらどうでしょうか。
 いや、冗談ではなく。
 そのお子さんは、
 絵が上手なんだと思います。
 それも才能だと思いますが、
 自分でその才能がいやならば、
 こわせばいいんだと思います。
 上手にできないことをわざとやる。
 使ったことのない画材を使ったり、
 やったことのない手法に挑戦したり。
 
 ぼくは学生の頃、
 おしりの穴に筆をさしこんで描く、
 というのをやったことがあります。
 みごとに、
 自分の絵はぶっこわれました。
 でもおもしろかったです。
 ま、そういう授業だったんです。
 どうやって描くかを試してみる授業。

 ‥‥余談だったかもしれません。
 でも、上手に描くことを
 こわすというのはいいと思います。

 お子さんには、あえて難しい手法や、
 自由に描きにくい状況を
 渡してみるのはいかがでしょう。
 あくまで、たのしく。

 あ、おしりの穴に筆は、
 危ないのでやめてくださいね(笑)」
2012/08/27 17:39
絵の質問その3
中学2年の男の子から。
授業で油絵があるんですね。

「自由という名の不自由」‥‥。
さあ、どうしましょう福田さん。

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何故、毎年絵の宿題が出るのでしょうか。
僕はいつもこの季節苦しくてたまりません。
しかも、油絵で題材は自由。
しかし、僕にとっては自由という名の不自由。
せめて、何かいい題材を教えてください。
(中学2年・男)
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福田先生のお答え
「自由なら描けるのに、
 というさっきの人とは真逆の質問ですね。

 いっそのこと、その、
 【自由という名の不自由】を
 テーマにして
 表現してはどうでしょうか。
 怒りをぶつけるような絵とか。
 そういう表現スタイルだって
 あると思います。
 
 不自由を感じるのは、いやですよね。
 でも今のぼくは、
 不自由であることが
 それほどきらいではありません。
 イラストレーターという仕事は、
 いろいろな注文を受けて、
 その制限の中で仕事をします。
 これは考え方によっては不自由です。
 でも、それでも
 たのしめることを思いつき
 実際に手を動かせています。
 いろいろ言われても最終的には、
 自由な気持ちでいられています。
 やっぱり、絵は、
 好きじゃないと仕事にはできないです。
 どんな状況でも、
 描いてることが好き、
 と思えないと続けられない。
 ‥‥たのしめるようになれますように!」
2012/08/27 17:23
絵の質問その2
つづいてまいりましょう。

福田さん、
「自分らしい」作品とは‥‥?

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私は絵が好きで、
イラストレーターを目指しています。
まだ始めたばかり
ということもあるのかもしれないですが、
プロのイラストレーターさんのように
「自分の作風」というものがわかりません。
絵自体は昔から好きで描いていますが、
タッチもバラバラで、
変わることが多いです。
また、いろいろな方の作品を見ていると、
どれが好きでなにが「自分らしい」のか
わからなくなります。
「自分探し」に似ているところもあって、
一言で答えにくい質問かもしれませんが、
「自分らしい」作品とは
どういうことなのでしょうか?

(S.E)
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福田先生のお答え
「自分らしさがわからなくて、
 不安になる。
 不安でOKです。
 当たり前だと思います。
 ぼくも自分の作風とか、
 ほんとうの自分らしさは、
 自分でわかってはいません。
 描き続けるしかないんです。
 どうしようかと悩んだり、
 何かの影響を受けてそれに似たり、
 そういうことを何度も何度も繰り返して、
 もしかしたらちょっとは
 自分らしいものに
 ようやく近づけるというか‥‥。
 急いでも無理です。
 描き続けること。
 揺れながら見つけるものです。
 たぶん大物のイラストの人も、
 ほんの一部の天才を除いては
 同じだと思います。

 あと、これが自分の作風!って
 きっぱり決まっちゃったら、
 もう、つまんなくなっちゃう
 のかもしれません」
2012/08/27 17:04
マッチ箱、完成!
動画もぜひどうぞ!
できましたー。
外側の箱は2種類つくりました。
のりしろが上にあるAタイプ。
(写真3枚目)
こちらがたぶん
縦がきつくて横がゆるい。
そして、うまく行くと思われる
のりしろが横のBタイプ。
(写真4枚目)
こちらはうまく行くように、
のりしろの紙が重なるぶんだけ、
横幅を増やしてあります。
じゃあ、さっそく引き出しを‥‥。
‥‥あ! ばっちり!
ぐっさん、ばっちりだ!
Aはぎちぎちで、Bはスムーズ!
「ホントだー」とギャラリーも興奮。

このあたりのこと、
写真と文章だけだと
わかりづらい部分もあるかと思い、
動画にしてみました。
ぐっさんのわかりやすいまとめを
ぜひ、ご覧ください!
2012/08/27 17:01
絵の質問1
では、メールでいただいた
「絵についての質問」に、
福田先生に続けて答えていただきましょう。

まずはこちらからー。

テーマを与えられると、
やる気がなくなる‥‥?

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小2の娘は、夏休みの宿題で
「わたしの町自慢」というテーマで
絵を描きました。
が、なんだかモチーフも構図もざっくりな
やっつけ仕事で、
色塗りに関しては
単色のっぺりべた塗り・・・。
これは本当に一色かな?
もっといろいろな色が見えないかな?
とアドバイスするも、
面倒だーという感じで拒否られました。
普段の遊びお絵かきでは、
確かに色塗りに繊細さはないものの、
もっとのびのびと描いているのですが、
テーマを決められて提出作品となると、
急にやる気を失うのは
どういうことでしょうか。
絵が得意とか言ってなかったか、娘よ。
色塗り、私も苦手ですが、
良い方法があれば教えてください。
(しーママ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

福田先生のお答え
「言われたテーマで、
 言われた通りに作品をつくれないのは、
 将来がとても有望です。
 自由に表現したいものを
 ちゃんと持っているということですから。
 とはいえ、義務教育。
 そのあいだをやりすごすのは
 たいへんですよね。

 ぼくも小中学と
 絵の授業が徳じゃなかったです。
 模写とかデッサンとかできなくて、
 成績もそんなによくなかったです。
 ところが、
 中2のときの先生が
 すごくほめてくれたんです。
 自由度の高い授業をする先生で、
 なんでも好きなものを描きなさいと。
 で、描いたらすごくほめてくれた。
 真似じゃないねぇ、
 他の人が描けないのを描いてるね、と。
 それがすごくうれしかった。
 あの体験はぼくにとって大きかったです。

 その小2のお嬢さんは、
 たぶん才能があると思うので、
 自信をなくさないように
 してあげてください。
 自由だとのびのび描けることを
 ほめてあげるといいと思います。
 学校が言ってることが
 すべてではありません」
2012/08/27 16:37
箱を切り離し、
組み立てます。
お、引き出しのパーツが
見事に切り離されましたね。
(写真1枚目)

「ここで基本のアドバイス。
 切るときに、細かい作業は、
 大きなパーツを切り離したあとで
 おこなったほうがいいでしょう。
 (写真2、3枚目)」

なるほどなるほど。
そして、組み立てていきます。
(写真4、5枚目)
くっつけるところはどうします?

「今回は両面テープをつかいます。
 両面テープを貼るときのアドバイス。
 ここで大事なのは、
 接地面の端のところですね。
 そこがぴったりくっついていたほうがいい。
 ということは、両面テープの長いところは
 端にぴったりと合わせるべきです。こう。
 (写真6枚目)
 で、あまった両端をカッターで切る。
 (写真7枚目)
 そのときも『切るもの右端』を切る、
 という原則を守ってください。
 こうなっちゃダメです
 (写真8枚目)」

というわけで、時間がかかりましたが
引き出しの箱が完成です!
さて、肝心の、
「スムーズに出し入れできるか」問題は?
2012/08/27 16:19
カッターで切るときの注意。
それでは、さっそく、
展開図から箱をつくっていきましょう。

「まずは、
 折り目にスジをつけていきます。
 カッターの刃を出さずに
 先の金具をつかってスジをつけます
 (写真1枚目)」

それは、切る前にやっといたほうがいいの?
それとも、どっちでもいい?

「切り離す前にやったほうがいいです。
 切り離したあとにやると、
 段ができるから
 ガタンガタン、ってなるでしょ?
 ちっちゃいことだけど、
 それで溝の深さって
 変わっちゃいますから」
 
はー。なるほど。
お、そして、刃を出して切っていきます。
あの、ぐっさん、なんか、
台紙をくるくる回しながら切ってますが、
(写真2枚目)
それもなんか理由がありそうだね?

「もちろんあります。
 いいですか、これ、基本。かつ重要。
 守るべきものは、定規の下に。
 傷つけちゃいけないものは、定規の下に。
 だから、『切るものの右端』を
 ぼくはつねに切るようにしています
 (写真3枚目)
 これ、右利きの場合ね」

ええと、そうしないと、
どうなる危険性があるの?

「仮に『切るものの左端』切るとすると、
 傷つけてはいけないものが、
 定規の右側に出ていることになります。
 (写真4枚目)
 そうするとカッターの刃がすべったとき、
 本体を傷つけてしまいます
 (写真5枚目)」

あーーー、なるほど。
いちいち、ためになるなあ。
すいません、細かい話ばっかりで。
でもさー、おもしろいよね、こういう話。

「あと、基本ですが、
 カッターを定規に当てるときは、
 斜めになってるほうじゃなく
 (写真6枚目)
 垂直になってるほうをつかってね。
 (写真7枚目)
 斜めのほうだと、
 カッターがのぼってきちゃうから」
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
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