西本
オリンピックとパラリンピックは。
同じ会場を使っておこなうという話がありましたね。
となると、選手村はどうなるんでしょう?
やはりバリアフリーに特化したものなんですか?
大日方さん
いえ、オリンピックの選手村と同じ場所を使うんです。
今回のソチのアルペン会場は階段が多い、
といううわさがあります。
でも、ロシアのことですから、
当日までになんとかするんでしょうね(笑)。
バリアフリーといったアクセシビリティは
選手だけの話でもないんです。
2020年、東京でもパラリンピックが行われます。
先日、IPCの方々がきておっしゃったのは、
「東京パラリンピックは
 ボランティアもアクセシブルでなくてはなりません。
 そういう大会にしてもらいたい」
ということ。
ロンドン・パラリンピックのときは
障害のあるかたもボランティアとして
多くのかたが参加されたそうです。
「障害があるからボランティアはできない、
 ということはないように」
と。つまり、選手だけでなく
観客やメディア、ボランティアも含めて、
東京も、アクセシブルな環境を
提供する必要があるんです。
NHK_PRさん
駅などではまだまだ
片道通行のバリアフリーもよくありますからね。
大日方さん
あるある! 車いす対応エスカレーターがあるから
大丈夫なんだなあーと思って行ってみると、
上りはあっても下りが無かったりして
もう一回戻って、
エレベータで降りることになったり。
NHK_PRさん
日本ではエレベータも数が少ないし、
あったとしても
車いすがせいぜい2台入れる大きさです。
でも、たとえば海外の選手などは身体も大きいから
車いすひとつとってもかなり大きいんです。
団体競技だと人数も多いですから、このままだと
「ゆりかもめの駅はどうする」ってなっちゃいます。
西本
確かにそうだ。
パラリンピック会場予定地の
豊洲のエレベータが車いすで大渋滞になっちゃいますね。
大日方さん
たしかに車いすの大渋滞はよくあるんです。
たとえば、福祉機器展の時とか。
会場までついて、
目の前の展示会場に降りたいだけなのに、
エレベータ乗るのに長蛇の列で15分待ちとか。
NHK_PRさん
よく、地下鉄で「ただいまお客さまをご案内中です」
というアナウンスがありますよね。
あれは車いすの人を乗せていますよ、
という意味なんです。
一人ひとり丁寧に対応してくださるんですが、
時間もかなりかかりますよね。
あれがスレッジホッケーの選手が30人きたら、
もう、大変なことになりますよ。
あそこまで特別扱いする必要もないと思うんです。
安全の問題もあるし、
丁寧なことはいいとは思うんですが
そのために30分待たなきゃいけないというのはね‥‥。
効率のこともこれからは考えたほうが良さそうです。
大日方さん
世の中の10%は障害者だといわれてます。
ほんとはもう少し多いと思うんですよ。
そこにベビーカーなども加えると
全体の20%近くのひとたちが
アクセシブルな環境が必要だと言われているんです。
10人いたら2人ですよね。
ロンドンの地下鉄では車いすのまま
自分たちで勝手に乗ってましたし、
地下鉄でも周囲の人たちが
「乗るのー? ひっぱりあげるよ!」
と、ひょいと持ち上げて
それでおわりでした。
乗ったら乗ったで
「車いすが入るから、そこスペースあけて」
と、みんなが詰めあったりするし。
決してロンドンの街が
超バリアフリーというわけではないんです。
むしろ、日本に比べると不便です。
でも、ハートの部分でそこを補っている。
これから6年かけてハード面とハート面、
両方の準備していくことになるんだと思います。
西本
どうやって接していいのかわからない、
という方も多いような気がします。
NHK_PRさん
困っているようだったら、
「お手伝いしましょうか?」と
普通に話しかけていただければいいんですけどね。
そもそも、困っているときは
「困ってます!」って言いますから。
大日方さん
目があったら、にっこり笑えばいいんです。
目があったからといって
慌ててスマホを見ないでくれれば、
それでいいんですよ(笑)。
キョロキョロしてたら、
視界に入ってくれるだけで、それでオッケーですし。
NHK_PRさん
ちょっと誤解されるような言いかたになりますけど、
怖がらないで欲しいと思うんです。
ふだん、あまり接していないひとだと、
どうしても「失礼があっちゃいけない」みたいに
ビクビクしちゃうようなんですね。
でもふだん通りでいいんですよ。
あ、いや、もちろん失礼はダメですけど、
それは障害とは関係ありませんからね!(笑)
西本
なるほど。
これまでお話をうかがってきて、
海外と日本ではパラリンピアンについての
理解が全く違うように思いました。
大日方さん
そうかもしれませんね。
バンクーバーの時はわたしのライバルだった
アメリカのエレーナというチェアスキーの選手がいます。
彼女には「VISA」にスポンサーがついてます。
これはチームVISAとよばれる
トップアスリートを支援するために
世界的に展開しているプログラム。
そこにパラリンピアンがスポンサー契約をしているんです。
日本だとVISAがスポンサーにつく選手は
スキージャンプの高梨沙羅ちゃんくらい。
沙羅ちゃんのVISAカードのCMが
最近まで放映されてましたよね。
あのエレーナ版がアメリカでは放映されてます。
浅田真央ちゃん、羽生結弦くん、
そしてチェアスキーの森井大樹が
一緒の扱いみたいなことなんです。
彼女がすごいのは冬はチェアスキー、
そしてロンドン・パラリンピックでは
アメリカ代表として
車いすバスケットの選手としても出場してること。
西本
はあーっ!
NHK_PRさん
アメリカにはオリンピック・パラリンピック選手の
トレーディングカード・セットがあるくらいなんですよ。
今後、日本のメディアも
オリンピックとパラリンピックをひとつの大会として
扱うようになることが課題だと私は思っています。
いまはオリンピックとパラリンピックでは
宣伝予算や放映権も分かれてますけど、
個人的には、この先いつか、
パラリンピアンとオリンピアンが
同じ画面の中で一緒にいるCMをつくりたいなあって
密かに思っているんですよ。
大日方さん
でも、放映権はあえて分けたと
IPCの方がおっしゃってました。
オリンピックと同じような形ではなく、
パラリンピックはパラリンピックらしい
コミュニケーションをしていくと。
今回のソチパラリンピックを見ていただくと、
ひとつの競技の中でもいろんな多様性があるんだ
ということがわかると思います。
NHK_PRさん
スキーひとつをとっても
目の見えない人がいれば、
片足で滑るひともいる。
義足を使っている人もいれば、
チェアスキーを使っている人がいる。
道具を使ったり、ガイドと協力しあうことで
身体に残っている筋肉を最大限に使ったら、
こんなすごいことができる!
だからね、細かなことはさておいて
選手たちのプレーにただ驚けばいいんですよ。
「うわあ、すげえ!」ってね。
大日方さん
そうですね。
スキーというひとつの競技をとりだしても
いろんなものの可能性を見ることができるのが
パラリンピックの面白さだと思います。
この機会にじっくり見てください。
かっこいい! と思っていただけるはずですよ。
西本
大日方さん、NHK_PRさん、
ほんとうにありがとうございました。
大日方さん
こちらこそ。
NHK_PRさん
ありがとうございました!
2014-03-14-FRI

パラリンピックの楽しみかた。日本でパラリンピック中継を楽しむには大きく3つの方法があります。

●NHK総合 Eテレをチェック!

開会式
3月8日 総合午前1時10分~4時まで 冬のパラリンピックで初めて開会式を生中継。
30分のダイジェスト番組
その日の競技ダイジェストを毎日放送。総合テレビでは15時台から16時台の中で
(放送開始時間が日によってかわります。)Eテレでは午後8時から。日本人選手の活躍はここでチェック。
それぞれの番組詳細はNHKソチパラリンピック特設サイトをごらんください。

●スカパー!をチェック!

3月8日からスカパー!では24時間パラリンピック専門チャンネルを開設。
生中継60時間を含む、200時間以上の放送を予定。
スカパー!に加入すると無料放送でお楽しみいただけます。
詳しい視聴方法やなどはスカパー!ソチパラリンピック特設サイトをごらんください。

●ソチパラリンピック公式サイトをチェック!

速報や競技動画はソチパラリンピック公式サイトに次々とアップされる予定。
各競技動画は【videos】もしくはYoutube Paralympic チャンネルをチェック!