帰ってきた!
田島貴男の
2005年 オレのニュース。


ニュース その1
キノコ狩り、恐怖の迷宮。

第5回
命を拾ったな、いま。

ここで、車はとうとう
荒くれオフロード、ワイルド林間コース、
つまり完全なる山道に入りました。

田島 とんでもないところに来ちゃったな。
うわー、こえええよ運転が。
いまのとこ、あきらかに横は崖でしょ?
名人の車、スピード落とそうよ!
山を熟知してるね、あの走りは!
── どんなようすで走っているのかを知りたい方は、
こちらの動画をどうぞ。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)
田島 どうしよう、カーブが多すぎて、
名人たちの車が見えなくなっちゃったよ。
── おそらくここから先は一本道でしょうから、
ゆっくり走っても大丈夫じゃないでしょうか。
田島 そうだな、焦らずに行こう。転落はいやだし。
しっかし、待ってないね、名人たちは。
── 待ってないですね。
田島 姿が見えなくなって随分たつけど、
ほんとにこっちでいいんだろうな?!
ッハハハハハハハハハハ。あれ?
── あれ?

そこには、予期していない光景が
広がっていました。
田島 行き止まりだ。
── 行き止まりですね‥‥。

名人たちの車が、消えた?
どこかで、道が分かれていた?!
背筋ズワワワー!!!


田島 やばいよ、これほんとにやばい!


あたりは物音ひとつしません。
── 一大事です。
キノコを狩ってもいないのに
名人たちとはぐれてしまいました。
どうするどうなる、オレのニュース2005!
山奥で行き止まり、携帯電話はもちろん圏外、
完全パニックで青ざめても
高笑いの我らが番長をごらんになりたい方は、
こちらの動画をどうぞ。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)

さて、こういった状況でどうするかというと、
これまで来た道を戻ることしかできません。
田島

どぉぉすんだよ、ね?
さっそくはぐれたね。
どこではぐれたんだろうな?

── ですよね?
田島 ハハハハハハ。

── ハハハハハハ。

暗黒の不安が募りますが、
こんなとき、人間は、皆とりあえず
人形のように明るくなるものです。

‥‥あ、遠くから人影が!


おおーい。ぜえぜえ。ハアハア

西田さんです!
田島 助かったな。
いま、命を完全に拾った音がしたな!
西田 いやいや、驚いた。
奥が行き止まりでよかったです。
田島 あのままずっと道がつづいていたら、
身も心も永遠に
走りつづけていたところです。
西田 車が速くて困ったでしょう。
みんな、山しか見てない人たちだから。
もうちょっとゆっくり、って
何度か言ったんですけど。

田島 いやいや、
にゃはははは。
──

みなさんとふたたび合流できました。
番長、よかったですね。
死、と思いました。


心からホッとしたようすです。
田島 びっくりしたね。
ま、イナゴがあるから大丈夫だと
思っていたけどな!
── では、今日の案内をしていただく
キノコ名人3人をご紹介します。
左から荒谷博さん、西田誠之さん、
中山民男さん、です。


最強のキノコ名人トリオ。よろしくお願いします。
山道ぶっとばしカーを運転していたのは
右端の中山さんです。

田島 さあて、採りまくるよ、今日は。
でも、はぐれないようにね!


中山 この山は、はぐれてしまうと、
ぜったいに出てこられないからね。
── ええ? そうなんですか?
荒谷 まったく方向がわからないと思います。
迷ったときは、
そこから動かないようにしてください。
西田 動くと、どんどん迷うからねぇ。
以前、私の友人は、山で迷ってしまって、
抜けられる道があると思ったらしく、
迷ったまま移動してしまったんです。
そして、とうとう最後は、
履いていたズボンだけになって
帰ってきました。
── そうなんですか。
田島 ‥‥くれぐれも、はぐれないようにしないとな。
中山 ま、だいじょうぶだよ。
ここは、ハイヒールでも入れるような山だから。
── ところで、
このあたりはクマは出るんですか。
中山 出るよ。
ほら、あそこに先を折ったような
木があるでしょう。
ああいうのは、クマの仕業。

田島 ちょっとぶたれるだけで、
手が吹っ飛んだりするんですか?
中山 おお、するよ。
だから、最初の一撃
かわさないとだめなんだ。
── 番長、注意するのは
クマの最初の一撃だそうです。
田島 そんなこと言われたって‥‥、
防御のためのナイフなどを
持っていったほうがいいんでしょうか。
中山 いんや、クマには、刃物使っちゃだめだよ。
クマを傷つけたら、
もう二度とその山には、人間は入れないから。
西田 でも、これだけ人数がいれば、
彼らも利口だから、出てこないでしょう。
もし、実際にクマに会ったら、
きっと動けないと思います。
私は、過去に何度か出会ったことがありますが、
やっぱり少しも動けず、呆然としました。
知りあいに、クマに背中に乗っかられて
頭の骨を5〜6回ゴリゴリかじられた人もいます。
完全には噛み砕かれなかったから、
一命はとりとめたんですけど。


田島 ええええー!!

西田 ま、アゴは取られましたけどね。
田島 えええええー!!
荒谷 ま、大丈夫でしょう。
中山 じゃ、出発しましょう!
── えええ?
もうですか。
あたふたあたふた。
田島 ほら、置いていかれちゃうぞ!


出発です。
腰にはカランカランと、
クマよけの鈴が響きます。
明日につづきます。




なぜなに番長、質問です。
番長の失敗って、なんですか。

「失敗ねぇ。
 でかいのも小さいのもあるし
 たくさんあるけど、
 もっともよくやるのは、
 右と左をまちがえること。
 オレは、右に行けと言われると左に行く。
 タクシーに乗っても、左へ曲がるのに
 「そこ右です」
 と、平気で言ったりして。

 子どものころからそうなんだけど、
 これは、はっきりと原因があります。
 3〜4歳くらいのときかなぁ、
 『たじまたかお』という、自分の名前を
 はじめて書けるようになったときのこと。
 子どもって、字を逆さに書いちゃったりするじゃん?
 『たじま』の『ま』をさ、オレは

 

 こんなふうに、逆に書いちゃってたわけ。
 それを、おふくろと、
 おふくろの妹(つまりおばちゃん)が見て、
 笑い転げたのよ。
 “『ま』はそっちじゃないのよ、
  『ま』はそっちじゃないのよ、
  またそっちにいっちゃった、キャハハハハハ”
 と、すっごいバカウケにウケてる、
 という記憶があって、
 それがトラウマになって、
 右と左を極端に意識しすぎるようになり、
 そこから左右逆に行くという習性が
 発生してしまったんだと思う。

 それはそうと、あれがオレの、
 人としての最初の記憶のような気がするな」

まちがうから意識するのか、
意識するからまちがうのか。
どちらが先かは、よくわかりません。
ところで、番長の笑い方は
おかあさんからの遺伝だったのですね。

なぜなに番長に質問のある方は、
件名を「なぜなに番長」として
postman@1101.comまでメールでお送りください。
すばらしい「なぜなに」をくださった1名さまに、
2005年なぜなに大賞として、
「オレのニュース。」公認 缶バッジ
シリアルナンバー011をお贈りします。

※なぜなに大賞に輝いた方には、「ほぼ日」から
 住所やお名前などを
 おうかがいするメールを差し上げます。
 こちらから連絡の取れるメールアドレスから、
 ご質問をお寄せくださいね。

明日につづきます!

なぜなに番長の受付は、しめきりました。
たくさんのご投稿、ありがとうございました。


最近の、オリジナル・ラヴ

『恋の片道切符/青い鳥』(ポニーキャニオン)

11月16日に発売されたニューシングル。田島貴男さんが日本語の歌詞をつけてカバーしたニール・セダカの『恋の片道切符』、レオン・ラッセルの『青い鳥』の、名曲2曲に加え、新曲の『ピストル・スター』が入った豪華なマキシシングルです。「かっこいいです、番長!」のひとことに尽きます。


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2005-12-06-TUE

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