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みんなでついて、
みんなでまるめたおもちの姿。
いい眺めですねぇ‥‥。
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| 道歩さん |
みなさん、おつかれさまでした!
これからお雑煮の準備をしますね。
その間にぜひ、
「いのししのすき焼き」を召し上がってください。
ついさっき近所の方が、
獲ったばかりのいのしし肉を持ってきてくれたんです。
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▲お母さんがお雑煮をつくってくれている間に、
飛び入りゲスト「いのししのすき焼き」が登場!
われわれは、それを完食しました。
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‥‥‥‥食べましたね。
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| 糸井 |
ぺろりと食べました。
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メインの「お雑煮」は、おなかに入りますか。
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| 糸井 |
入ります。
ぼくはそのことをちゃんと考えながら食べました。
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よかったです。
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| 糸井 |
それにしても‥‥あれだね、
こう‥‥
みんなで、もちをまるめてさ、
こうやって囲炉裏を囲んだりしていると、
ものすごく年末な感じが押し寄せますね。
年が終わっていくムード、
「忘年感」をひしひしと感じます。
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ああー、「忘年感」。
感じます。
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| 糸井 |
ねぇ‥‥。
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はい‥‥。
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| 糸井 |
‥‥‥‥‥‥。
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‥‥‥‥‥‥。
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| 糸井 |
もちまるめ ああ押し寄せる 忘年感
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‥‥なんですかそれは。
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| 糸井 |
こんだて俳句です。
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こ、こんだて俳句!?
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| 糸井 |
もちまるめ ああ押し寄せる 忘年感
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‥‥じわじわと、おもしろいです。
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| 糸井 |
最近ね、俳句をやってみようと思ってたんですよ。
でもなかなか最初の一句が詠めなかった。
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出ましたね、すっと。
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| 糸井 |
出たね。
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せっかくなので、これをページに載せるときには、
短冊にレイアウトしましょう。
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| 糸井 |
1個できると、次はすぐに思いつきますね。
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そういうものですか。
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| 糸井 |
すき焼きが はずしたモギの コルセット |
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わははははは!
※痛めた腰を守るコルセットをはずして、
この日モギは本気ですき焼きを食べていたのです。
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| お母さん |
みなさーん、もうすこしで
お雑煮ができますから、
おもちを焼いておいてくださいね。
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はーーーい。
‥‥いよいよお雑煮だ(もちを網にのせる)。
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| 道歩さん |
うちの雑煮は2種類あるんです。
京都の白味噌の雑煮と、
伊賀風のおすましの雑煮。
母が京都の人なので、2種類つくるんです。
よかったら両方ためしてください。
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| 画像 |
おもちを焼いている
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| 糸井 |
こうやって、
おもちを焼くというのは、いいものですね。
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はい‥‥。
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| 糸井 |
‥‥これ、かわいいです。
焦げ目が笑顔のように見えます。
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▲糸井が自分のiPhoneで撮影
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ほんとだ‥‥。
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| 糸井 |
‥‥‥‥‥‥。
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‥‥‥‥‥‥。
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| 糸井 |
焼きかけの お雑煮のもち 愛想よし |
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こんだて俳句(笑)。
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| 糸井 |
‥‥そしてこのもち。
このもちは、エロティックです。
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▲糸井が自分のiPhoneで撮影
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エロティック‥‥?
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| 糸井 |
似ていると もちに教える ぱいおつに |
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‥‥‥‥‥‥‥‥。
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| 糸井 |
‥‥(もちに)似ているよ。
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| お母さん |
焼けましたか?
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あああ! はいっ!! 焼けたと思います!
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| お母さん |
じゃ、まずは白味噌のお雑煮からお出ししますね。
焼けたおもちをいただいて、と(台所へ)‥‥。
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糸井さん、こんだて俳句は
またあらためてやりましょう。
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| 糸井 |
忘れないうちにツイートしとこう。
(ツイートする)
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| お母さん |
さあ、できました。
白味噌のお雑煮です。
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| 糸井 |
かつお節がたっぷり‥‥。
見るからに具だくさんですが、
どんな具が入っているんでしょう。
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| お母さん |
大根と、やつがしらという里芋です。
切って「角」がでるのは
お正月にはふさわしくないということで、
うちで作った小さい大根を選んで、
輪切りでまるくしています。
やつがしらも、まるい形のまま
つかいたかったんですけど
うちのはあまりにも大きすぎるから
ちょっと切ってます。
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おもちもまるくて、具材もまるい。
縁起がいいですね。
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▲薬味のせりと柚子をのせて完成!
京都のお雑煮は、男は男椀(右)、
女は女椀(左)を使うそうです。 |
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いただきます。
‥‥あ‥‥おいしい‥‥やさしい。
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| 糸井 |
‥‥うん、おいしいです。
実はぼく、白味噌のお雑煮が
そんなに得意じゃなかったんですよ。
でもこれは‥‥おいしい。
いやぁ、お母さん、おどろきました。
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| お母さん |
よかったです、そう言っていただけて(笑)。
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▲そして、伊賀風のおすまし雑煮も完成!
こちらにも大根とやつがしらが入っています。
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| 糸井 |
あーー、おすましも、うまーい!
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すっきりとした味わいで。
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| 糸井 |
まいっちゃいますね。
いや、ほんとにどっちもおいしいです。
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さっきからいくつもおもちを食べているのに、
まだ食べられますよね。
大満足です。しあわせです。
ありがとうございました。
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| お母さん |
よろこんでいただけて、うれしいです。
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| 道歩さん |
今日ついたおもちは、お土産にどうぞ。
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わぁー、会社のみんながよろこびます!
ありがとうございました!
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われわれの様子をじっと見守ってくれていた
「土楽」の看板猫、はなこ。
この子もまぁるくて、おもちのようでした。
(東京にもどり、最終回につづきます) |