二葉葵展に行ってきます!
(5/18~19、京都からテキスト中継します。)

 

ほぼにちわ、武井です。
この土日、京都の上賀茂神社で行なわれる
「二葉葵展(ふたばあおいてん)」に行ってきます。

「二葉葵展」といわれても、
「聞いたこと、ないよー」
というかたがほとんどだと思います。
そう、京都の「葵祭(あおいまつり)は知っていても、
そのすぐあとに行われるこの展覧会は、
まだまだ有名とはいえません。

「二葉葵展」は、京都に暮らす、
伝統産業にたずさわる若い職人さんたちが、
じぶんたちの物づくりを、年に一度、発表する場です。
核となっているメンバーは、
左官、表具師、畳職人、植木屋、家具屋、
建築業、大工、電気工事士、建築デザイナーと、
「京都」らしい物づくりをしている人がほとんど。
彼らは「景アート」というグループをつくり、
京都の物づくりの歴史を継承しながら、
「100年後に続く、新しい伝統産業を!」
と、活動をつづけています。


▲「景アート」のメンバー、忙しい日々の仕事の合間を縫って、
  ことしの打ち合わせをすすめています。

伝統産業の盛んな京都で、たくさんの仕事をしながら、
それでもなお、いまあらためて
「物づくりの発表の場」を、と
彼らが考えているのには、理由があります。
京都だからこそ、たくさんある、仕事。
けれども、それはもしかしたら
「京都ブランドに頼り切っているだけなのかもしれない」
と、彼らは、危機感をいだいているのです。

「過去の人らが作ってくれはった『京都ブランド』に
 ぼくら、おんぶにだっこなんですよ」

と、植木屋の小笠原哲さんは言います。

「京都って、じゃあ、なんなん? って言われた時に、
 答えをもてずにいる人もおる。
 仕事は、あるんですよ。
 でも、本当に叱ってくれはるおせっさん
 (御施主様)らも減ってきました。
 それは、ぼくらの技術やったり、知識やったり、
 経験もかなぁ、ていうのが
 下がってきてるからです」


▲表具師の中島匠さん(左)と、植木屋の小笠原哲さん。


▲大工の籏さん(左)と、左官の田中昭義さん。


▲デザイナーの村松英和さん。

そんな思いを抱いている仲間が集まっているのが、
二葉葵展を主催している「景アート」のメンバーです。

さて、では、二葉葵展で、
彼らのどんな「物づくり」が見られるのでしょうか。

「そうですね、たとえば『川床」をつくりますよ。
 そこでお茶席をもうけます」
 (中島さん)

えっ。川床って、夏の京都で、鴨川べりに出る、
あのすずしげな「ゆか」(納涼床)のことですか。

「そうそう。ぼくら、大工もいますし、
 畳職人もいますし!」(田中さん)


▲川床には、畳も敷かれるそう。

たった、一日だけのために‥‥?

「はい。ぼくらの仕事や技術って、
 ことばで説明をしても伝わらないんです。
 実物を見ていただき、
 それを使って楽しんでいただくのが
 いちばんいいんですよ」(籏さん)

なるほど。しかも、それを作った職人さんたち
本人に、その場で会えて、話ができるかもしれない。
そういうことって、たとえば東京のような場所で
集合住宅暮らしをしている自分にとっては、
めったにない機会です。
あるいは、古い日本家屋に住んでいるけれど、
それを維持していく術がわからない、
むしろ住みづらいなあと感じているような人にも、
こういった機会は
とても貴重なもののように思えます。

「もちろん、ただ、遊びにいらしてくださるのも
 大歓迎なんですよ。
 たとえば金魚すくいのイベントがあるんですが、
 水槽が、職人が杉でつくった舟の形だったりします。
 遊びながら、伝統の技術に触れてもらうことができます」
 (村松さん)


▲昨年のようす。ほんとに舟!

「そうそう、ネマキの頒布もしますよ」(小笠原さん)

ネマキ?

「あ、ネマキいうのはね、
 植木屋が、庭づくりのとき、
 木の根を土で覆い、
 縄でしばって丸くしたもののことです。
 この展覧会では『二葉葵』を、ネマキにして、
 配っているんですよ」

このネマキは、そのままうつわに入れて
観葉植物として育てることができます。
じつは「景アート」のメンバーは、
「葵祭」で使われる「二葉葵の葉」を育てることも、
活動のひとつとして行なっています。
葵祭では、下鴨神社から上賀茂神社への行列のさい、
御簾、御所車、勅使、供奉者の衣冠、
牛馬にいたるまで、すべて葵の葉で飾られるのだそう。
意外なほどたくさんの葉っぱが必要になるのですが、
その葉は年々少なくなってきているのです。
ですからネマキの二葉葵が成長したら、
寄贈して、翌年の「葵祭」に
使ってもらうこともできるわけです。


▲これが二葉葵です。

さらに、鏡職人、蝋燭職人、建具職人、仏絵師、
陶芸家、漆職人、指物師、木工職人、
染織家、彫金職人など、
いろんなタイプの職人さんたちが
二葉葵をテーマにした作品を出展。
ほかにも、京都ならではの小物を販売するコーナーや、
「陶芸体験」「唐紙体験」などのイベントも。
日本画家の前田有加里さんのアートパフォーマンス、
音楽家の真依子さんによる
箏の弾き語りも予定されています。

うれしいのは、食べ物まわりの充実!
祇園や先斗町にお店をかまえる
「侘家古暦堂」の鶏カツ弁当や、
「鍵善良房」の和菓子などの販売もあるそう。
いちにち、のんびり楽しめそうです。

この二葉葵展、おじゃまして、
前日の設営の様子から、見せていただこうと思っています。
その様子は、テキスト中継をする予定ですので
どうぞ、ごらんくださいませ!

【二葉葵展】
平成25年5月19日(日)
10時から16時まで
京都・上賀茂神社 庁屋にて開催
公式フェイスブックページ
上賀茂神社のウェブサイト

 

2013-05-16-THU