ほぼ日に「雑草部」ができました。
糸井重里が雑草に興味を持ち始めたことを
きっかけに、雑草好きのメンバーが集まり、
雑草にまつわるいろんなことを、
みんなで自由にやってみることにしました。
屋上のプランターで雑草を育ててみたり、
各地で観察したり、ときには実験をしたり。
いろんなかたちで雑草とつき合いながら、
雑草に学んでいけたらと思っています。
みなさんは雑草、お好きですか?
いっしょに楽しんでいただけたらうれしいです。

>ほぼ日雑草部のごあいさつ

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ほぼ日雑草部、部長のです。
「雑草部やろう!」
雑草の魅力を知った糸井重里のひと言から、
ほぼ日雑草部がはじまりました。

きっかけは、ほぼ日の學校に来てくださった雑草の先生、
静岡大学・農学博士の稲垣栄洋さんのお話
雑草の生き方を知ると、
「あぁ、こういう生き方もあるんだな」
とはげまされました。

自分が生きやすい環境になるまで、
何年でも発芽のタイミングを待ちつづける。
環境が自分と合うときを見計らって
一気に成長する。
ふまれる場所にいるならば、
ふまれてもいいようにわざと背を低くする。

自分をだれかと比べるのではなくて、
自分らしさが活きる場所や過ごし方を
探しつづけ、その場所でオンリーワンの
輝きを放っている。
そんな雑草の生き方に、 わたしたちが
学べることは山ほどありそうです。

部員は、ほぼ日乗組員の
そしてわたし、
稲垣先生に糸井重里、そして樹木医の瀬尾一樹さんにも
相談をさせていただきつつすすめていく予定です。
本業や雑草に関する知識の深さはそれぞれですが、
それもまた雑草部らしいところです。

発足記念には、おそろいのパーカーをつくりました。
雑草のように、気負わず、
のんびり楽しめる部活にしていきますので、
どうぞ、よろしくおねがいします!

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『雑草研究部』の高校生とお茶してきた:01 きっかけは雑草を食べる部長。

ある日、何気なくネットを見ていたかご
「雑草部」と検索してみたら
日比谷高校『雑草研究部』、通称『雑研』が
出てきました。さらに調べると、
ほぼ日と同じ千代田区にあり、
20年も前から存在するらしい。

いったい、どんな活動をしているんだろう。
どんな高校生が集まっているんだろう。
え? 『雑研』がもとに描かれた
『ザッケン!』というマンガがあるの?
もう、気になることが次々とあふれてきて、
これはもういくしかない。

というわけで、
日比谷高校『雑研』のみなさんに
われわれ、ほぼ日雑草部、会いに行ってきました!

かご
わたしたち、日比谷高校のみなさんが
取材協力されたマンガ
『ザッケン!』も読んできたんです。
雑草の知識がたっぷりで、ストーリーも素敵で、
とてもおもしろかったです。

『ザッケン!』 (1) (小学館)

『ザッケン!』 (1) (小学館)
農高校一年のゆかりは夢中になれるものをまだ見つけられない。そんな中、雑草を愛し、「雑草研究部」を復活させたいと思っている徳田みみに出会う。植物の知識も自然と深まる「学べて笑えてちょっぴり泣ける」エンタメストーリー。

桐岡
読んでくださったんですね! 
ありがとうございます。

でも、実は取材を受けたのがかなり前で、
当時の先輩たちのことは
わたしたちは全然知らないんです。
かご
雑研の歴史は長いんですよね?
はい、とても長いです。
初代部長が作った図鑑
『日比谷高校野草図鑑』がこれなんですが、
見ると、発行した年が
2003年になっています。

なっつ
2003年、もう20年も前から、
こんなすごい活動を! 
写真もいっぱいで分厚くて、
めちゃくちゃ充実してますね。
「印刷所」や「製本所」まで入ってて、
ちょっとかっこいいですね。
じっくり読んでみたいです。
もも
これはどんな植物がのっているんですか?
当時、校内に生えていた雑草を
すべて調べて載せた図鑑です。
その後、改訂版も作りつづけています。
かご
ということは、こういうものを
毎年作っている?
桐岡
いや、新種があったら足していくんです。
なので作らない年もあります。
もも
じゃあ最新版には、学校で見られる
すべての雑草がのった状態なんですね。
一応そういうことになってます。

かご
わたしたちはみんな、永田町にある日比谷高校と、
同じ千代田区にある神田神保町の
ほぼ日という会社ではたらいているんですね。

雑草に興味があるメンバー4人が集まって、
2024年の冬から雑草部をはじめたんですけど、
7Fのビルの屋上に、土だけいれたプランターを置いて
雑草がどれだけ生えてくるかを観察しています。
桐岡
すばらしい!
和賀
むしろ先輩!
かご
いやいや、わたしたちは雑研のみなさんが
先輩だと思って話を聞きに来ました。

桐岡
(ほぼ日雑草部のページを見ながら)
どうでしょう‥‥うちより雑草研究していませんか?
和賀
ほんとだ。しっかり活動している!

かご
いえいえ、まだ1年目で、
いろいろ教えてもらいたいことばっかりなんです。
和賀
(さらにほぼ日雑草部のページを見ながら)
やっぱりうちより研究してる!
桐岡
いやいや、ここは先輩面(づら)していかないと。
全員
(笑)

かご
ある時、「雑草部」って検索したら
「日比谷高校」がトップに表示されまして。

近くに雑草を研究している人たちがいるんだと
知って、お話を聞きたい!  
と思って今日は来たんです。
全員
そうだったんですね。
なっつ
わたしたち、4人のうちのひとりは
雑草にとても詳しいんですが、
そのほかのメンバーは割と最近
興味を持ち始めたので、まだまだ
「雑草かわい〜」って言ってるくらいなんです。
和賀
わたしたちもそんな感じですよ。
もも
今、部員の数は何人くらいなんですか?
1年生が8人、2年生が5人、
3年生が9人で、22人です。
もも
けっこう多いですね! 
みなさんは、どのようなきっかけで入部したのか、
おしえてくれますか?
和賀
わたしは、日比谷高校に
雑研があることを母がおしえてくれて、
せっかくなら日比谷高校にしかない部活に
入ろうと思ってました。
かご
雑研はやはり有名なんですね。
和賀
どうなんでしょう。
お母さん界隈では有名かもしれない。
全員
お母さん界隈(笑)。

▲和賀さん(1年) ▲和賀さん(1年)

和賀
あともう一つ理由があります。
1年生を勧誘する学年集会の時に、
堤部長がカタバミを1年生の前で、
突然むしゃむしゃ食べ始めたんです。
なっつ
突然むしゃむしゃ食べる部長!(笑)。
和賀
もうインパクトが強すぎて、
「あーー、これはすごい!」と思って、
火に入る夏の虫のような感じで引き寄せられました。
もも
堤部長、どのくらいの量食べたんですか?
えっと、片手で握るくらいの量です。
かご
結構多いですね(笑)。
なっつ
生ですか?
はい。洗いはしましたが。
桐岡
1年生に紹介する時間は、
ひとつの部活につき1分半しかなかったので、
雑草部に興味を持ってもらうため、
どうにかインパクトを残さないといけなくて。

「部長、やろう!」となって
食べてもらいました。
かご
カタバミを選んだ理由はなんですか?
えっと、カタバミは結構味がよくて。
なんだか多少あまずっぱい感じで
おいしいんですよね。

シュウ酸が入っているから
食べ過ぎはよくないんですけど。
かご
あまずっぱいんだ‥‥気になる。
もも
では、桐岡さんは?
桐岡
わたしの場合は
アットホームなところがよくて入りました。
最初は入る気がなかったけど、見学に行ってみたら、
先輩方がすごくやさしかったし、おいしかったんです。

▲右側 桐岡さん(2年) ▲右側 桐岡さん(2年)

もも
おいしかった? なにを食べたんですか?
桐岡
先輩が作った
夏みかんのジャムみたいなものをいただいて
「あ〜、おいしいものを
食べられるなら入ろうかな」って。
おいしいものにつられました。
全員
(笑)
ぼくは、消去法に近い感じに
なっちゃったんですけど、
中学校の時に入っていた運動部がきつかったので
楽しい部活に入りたいなと思った時に、
一番雰囲気がゆるくて楽しそうだったのが、
雑草部だったので、入ってみました。

▲雑研の部長、堤さん(2年) ▲雑研の部長、堤さん(2年)

もも
消去法(笑)。
かご
でも、一番雑草の知識があるのが
部長だと聞いています。
たしか兼部もされているんですよね?
はい、そうです。
僕は柔道部にも入っています。
もも
ずいぶん雑草部とはタイプがちがう部活ですね。
兼部する人は多いんですか?
人によっては4個くらい兼部している人もいます。
雑研のみんなはだいたい兼部しています。
かご
小柳さんの入部理由は?
小柳
ぼくは中学校の時に、
畑でスイカとか作る部活だったので。

▲小柳さん(2年生) ▲小柳さん(2年生)

かご
畑でスイカとか作る部活? 
いいですね!
小柳
高校でも似た系統の部活にしようと
思っていました。
同じ植物だし、近いかなという理由で入りました。
かご
やはり生物とか植物系が好きなんですか?
小柳
はい、そうですね。
『百姓貴族』という北海道で酪農や畑作を
やっている家に生まれた作者が描いたマンガが
おもしろくて、そこから植物系に興味を持ちました。

『百姓貴族』(1) (新書館)

『百姓貴族』(1) (新書館)
農業の喜怒哀楽を知り尽くした著者が、日本の酪農業の厳しい現実を捉えつつもタフでパワフルな生き様を爆笑エピソードと共に披露。知られざる農家の実態を描いた、日本初の農家エッセイ。

もも
へえー! 読んでみたいです。

越川さんのきっかけは?

▲越川さん(1年) ▲越川さん(1年)

越川
なにか新しいことを高校で始めたいと思っていて、
運動部より文化部がよかったんです。
そのなかで一番興味があったのが雑研でした。

仮入部に行った時に、すごい自由な雰囲気で。
わたしは部活とか遅刻しちゃうタイプだから、
それでもここは大丈夫かなって思ったんです。
全員
(笑)
小柳
半年来なくてもだいじょうぶという
ゆるい雰囲気でやってます。
かご
半年も?(笑)
この自由な雰囲気がみんな好きで
通っている人が多いと思います。

(おしゃべりはまだまだつづきます)

2025-12-22-MON

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