
おしゃれな女性ファッション誌『sweet』で
連載中の「シンVOW」では、
毎回、すてきなゲストをお迎えし、
VOWについてあれこれ語りあっております。
このページでは、紙幅の都合で
『sweet』に載せきれなかった部分を含め、
たっぷりロングな別編集バージョンをお届け。
担当は、VOW三代目総本部長を務める
「ほぼ日」奥野です。どうぞ。
タブレット純
昭和49年8月31日生まれ。A型。乙女座。神奈川県出身。本名、橋本康之。2002 年、ムード歌謡の老舗グループ「和田弘とマヒナスターズ」に「田渕純」として加入しデビュー。和田弘氏逝去後はソロで活動、寄席・お笑いライブにも進出。ムード歌謡漫談という新ジャンルを確立し、寄席にも出演するなど、異端な存在として、老若男女問わず人気を博している。
- ──
- われわれVOWと申しまして、
けっしてあやしい者ではないんですけれど、
タブレット純さんなら、
きっとご存じではないかと思いまして‥‥。
- タブレット純
- はい。はじめは兄が買ってきたんですかね、
中学生くらいのときに、
VOWの1と2を単行本ではじめて読んで、
すごくハマってました。
- ──
- うれしい!
- タブレット純さんの「哀愁の昭和食堂」という
ぼくの大好きなシリーズに、
店先の食品サンプルのチャーハンが
陽に灼けて真っ黒で、
まるでイカスミピラフみたいになってるという
すばらしいソングがありますが、
VOWの世界観に近いなあと思ってました。
実際、そういうネタもあるんです。
WEB版『VOW』より
- タブレット純
- そうなんですか。
- もう、めちゃくちゃハマっていました。
何度も読み返していた記憶があります。
おもにトイレで。
- ──
- あ、ぼくと同じだ。トイレの友でした。
- タブレット純
- トイレに置かれがちですよね(笑)。
- ──
- がちですね。
おかげでつい長居してしまうんですよ。
- タブレット純
- そうそう(笑)。
- VOWを知ったときには、
たしかすでに「2」まで出ていたので、
その後、
続編が出たら必ず買ってました。
中学生だから何十年も前の話ですけど。
- ──
- 自分は、タブレット純さんとは
ほとんど同世代だと思うんですけれど、
単行本で読んでらしたんですね。 - 雑誌の『宝島』の連載じゃなくって。
- タブレット純
- はい、VOWの単行本から、
逆に『宝島』という雑誌を知りました。 - 毎週、買っていた時期もあるほどです。
- ──
- それは、『宝島』の何時代でしたか。
- ロックの時代、サブカル時代、エロ時代‥‥
歴史をひもとけば、
いろんな時代の変遷があるんですが。
- タブレット純
- ロックかなあ。
記憶ではエッチな感じはなかったです。 - でも、最終的には、
たしか、ずいぶん変貌されましたよね。
- ──
- さすが、よくご存知だ。
- 最後はまさかの「ビジネス誌」として
天寿をまっとうしました。
- タブレット純
- あ、そうだったんですか。ビジネス誌。
- サブカルみたいなものに
中学のときくらいから興味が出てきて、
そのときに、
いちばんハマったのがVOWなんです。
- ──
- タブレット純さんは、
そのとき、お住まいはどちらでしたか。 - 東京というか、都市部ですか?
- タブレット純
- 神奈川県の相模原にある、
津久井というけっこう山奥の集落ですね。 - 津久井湖という湖があって、
いま渇水で大変みたいなんですけれども。
人造湖なので村があったところを沈めて
湖にしたんですが、いま、
水位が下がって昔の村が出てきちゃって。
ちょっと恐怖の状態になってて心配です。
- ──
- なんと‥‥それはそれは、おいたわしい。
雨々ふれふれもっとふれ。 - え、じゃ、つまり、その村にお住まいで、
タブレット純さんのおうちも沈んで‥‥!?
- タブレット純
- いえいえ、うちは津久井湖のすぐ近くで。
- 地域に1軒しかない本屋さんで、
『宝島』を買っていました。
とにかく単行本の1号めが黄色い表紙で、
2号めが
赤い表紙だったことを覚えているくらい、
それこそ、
手あかがつくほど読んだ記憶があります。
- ──
- 初期のVOWだから、
まだ「点取占い」とか載ってましたよね。
- タブレット純
- ああ、ありましたね(笑)。
『ベストオブVOW』より
- ──
- あれ、おみくじみたいなものなかなあ、
世代じゃないんですが、
「変な気持ちになりました 5点」とか。
何がおもしろいのか
よくわからないんだけど、
シュールな味わいを楽しむような何か‥‥
でしたよね。
- タブレット純
- 家庭用置き薬のネタも好きでした。
『VOW 30周年スペシャル』より
- ──
- あー、黎明期からの読者がここにいる!
いいですよねえ。 - ちなみに当時は、いろんな雑誌に
そうそうたる読者投稿コーナーがあって
それぞれに活況でしたよね。
『ジャンプ』の「ジャンプ放送局」とか、
『ファミ通』の「ファミ通町内会」とか。
- タブレット純
- はい、ありましたね。
- ──
- タブレット純さんは、
そういう投稿活動はしてなかったですか。
- タブレット純
- はい、投稿したことはないんですけれど、
昔から街歩きが好きだったので、
VOWネタっぽいものを探したりとかは、
いまでもしちゃうんです、つい。 - この看板ヘンだけど、
VOWに投稿したら採用されるのかなあ、
なんて、いまだに考えたりしてます。
- ──
- 街歩きをしながら?
- タブレット純
- しかも、昔VOWで見た覚えのある物件を
発見することがたまにあって、
それがまた、うれしかったりするんです。
- ──
- ええっ、VOWネタに遭遇したんですか!?
街歩きしながら!?
- タブレット純
- はい。歯医者さんで、「ア歯科」って‥‥。
- ──
- あった! ア歯科!
- タブレット純
- あ、昔VOWで見たア歯科だ、みたいな。
ちょいちょい、
そういうことがあったかもしれません。
- ──
- つまりアレですよね、
かつての我が国に存在した職業別電話帳、
いわゆる「イエローページ」で、
いちばん上にくるようにしてるんですよね。
- タブレット純
- あ、そういうことなんですか。
- ──
- たぶん。昭和のSEO対策っていうか。
- ちなみに「ア」だから、
「いのうえ歯科」と読むっていう説も、
あるみたいですけど。
- タブレット純
- えっ、「い」の「上」が「あ」だから?
そうなんですか〜。
『VOW』より
(つづきます)
2026-04-12-SUN
