ラヂヲ

腹いたの薬のパッケージがいいよね。
味わい深い。

──

初期VOWの定番ネタですね。

ラヂヲ

だいたい似たような絵面なんだよね。

──

あー、たしかに。
なんでみんなこのタッチなんだろう。

ラヂヲ

ちょっと「不条理」を感じますよね。
『ガロ』みたいな雰囲気もある。

よくあるパターンだけど、
こういう絵の薬がひとつヒットして、
みんなが真似したのかも。

──

なるほど。どれも「紳士」ですしね。
「腹いた」といえば紳士なのかな。

頭痛薬は女性のイメージがあるけど。

ラヂヲ

大事な社長会議の前に
おなかが痛くなっちゃうお父さんたちへ、
ってことなのかも。

──

単語の使い方も特有な感じがしますよね。

「強力　はら専門」とか、
「くだりはらどめ」とか、
「のみよい」とか‥‥ここにはないけど、
個人的には
「しぶりばら」という表現が好きです。

ラヂヲ

ネーミングもならではの世界観があるよね。
この「はらいたナオール」って薬は、
小林製薬入ってると思う。

──

入ってますね（笑）。

ネーミングをダジャレですます系譜って、
昔からあったんですね。

ラヂヲ

水谷豊さんみたいな人もいるし。

──

わはは、いる（笑）。相棒はいない。

『VOW 30周年スペシャル』より

ラヂヲ

めちゃくちゃ内臓が見えてますけど。
スケスケのスケルトン豊。笑ってる。

──

フリーダ・カーロ的とも言えます。

ラヂヲ

どれも絵として見てみると、
全体的に、ちゃんと描けてますよね。
深刻な感じも伝わってくるし。

ただ、ひとりだけ陽気な
太っちょの紳士もいるんだけど‥‥。

──

治ったのかなあ。

ラヂヲ

深刻さがぜんぜん伝わってこないね。
これだと売れない気がする。

こっちの青い人は相当ヤバそう。
もう、真っすぐ前を見れないくらい、
腹が痛いんだと思う。

──

はい。全身が青みがかっていて、
２メートルくらい前方の地面を凝視。

脂汗が出てそう。
蛭子能収さんの漫画に出てきそう。

『VOW』より

ラヂヲ

あとはね、これが謎だったんですよ。
「タンスに魚を入れないで下さい」

家具卸のあおい商事って書いてある。
仮にギャグだったとしても、
意味がわからない。
つまりは「ダンスはうまく踊れない」
みたいなことなのかな。

──

どういうことですか（笑）。

『VOW２』より

ラヂヲ

ダンスはうまく踊れない。
タンスに魚を入れないで下さい。

──

２番の歌詞なのかも。
タァーンスゥに、魚を入れないで下さぁい～♪

ラヂヲ

ちょっと厳しいか。

──

これ、タネ明かしをしますと、
当社の桐タンスはとても品質がいいので、
水を張って魚を飼うこともできるけど、
そんなことしないでくださいね‥‥
という、
つくり手からのメッセージだそうですよ。

ラヂヲ

入れるかい（笑）。

──

彼方には観音さまも見えます。

ラヂヲ

そう、そのせいもあって、
手前に流れている川が三途の川っぽいね。
渡ってはいけない川だぞ。

だいたい、こういうシチュエーションに
看板を立てるんなら
「タンスに魚を入れないで下さい」
じゃないと思うんですよ。

──

じゃあ、何ですか。

ラヂヲ

「ゴミを捨てないで下さい」でしょう。

──

わはは、もっともです！（笑）。
この場所に求められている看板はそれです。

不法投棄は禁止です、
見つけしだい警察に通報しますよ‥‥
というメッセージこそ発信していかないと。

ラヂヲ

夜中にこっそりゴミを捨てに来て、
この看板が立ってたら
安心して捨ててしまうでしょう。

──

タンスに魚さえ入れなければいいんだろう、
と思って。

ラヂヲ

ただこれ、看板をつくった工場の人たちも
半信半疑だっただろうね。

本当にそれでいいんですか‥‥と。

──

文言オッケーですか‥‥と。

ラヂヲ

そうそう。で、エリック・プランクトンて。

『VOW３』より

──

世界中のロックギタリストから
リスペクトされているスローハンドも、
よりによって
そのサイズの生物に誤字られるとは。

ラヂヲ

結局、視覚的には
正しい情報が入ってくるんだけどね。

──

そうなんですよね（笑）。
誰が出てくるかはわかるんです。

ラヂヲ

１パーセントくらい、
エリック・プランクトンさんが出てきて、
ギター弾きまくる可能性もなくはないけど。

──

わはは、プランクトンさんご本人登場。
戸惑うオーディエンスへ向かって、
「誰と間違えてるんですか？」と。

会場が武道館とかだったら
エリック・クラプトンだとは思いますが、
このネタを発見したのは
「船橋駅」だから‥‥どうでしょうか。

ラヂヲ

プランクトンさんかもしれませんね。