日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。

写真:川原崎 宣喜

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page_02 冬の朝、ぎゅっとつかんで食べるシフォンサンド。 フードムード

 
窓が白くなるような、冬の朝。
コートを着込んで、えいやっと家を出る。
駅からはバスもあるけど、歩いていくことを選ぶ。
この先に楽しみが待っていると思うと、
冷たい風にもかえって気持ちがふるいたつ。

 
お店に足を踏み入れた瞬間、
あたたかさといい香りに包まれて、
寒さに縮こまっていた身体がほどけていく。

 
これ!
こんどの休みには
朝ごはんに、シフォンサンドを食べる。
今週の頭からそう決めていたんだ。

 
定番のあんこ+クリームもいいなあ。
でも‥‥。

 
同じくこちらも定番という、
キャラメルバナナ+クリームのシフォンサンドを選ぶ。
朝ごはんにバナナ、圧倒的に正しい。

 
手でそうっともって、

 
おもいっきり、

 
かぶりつく!

 
バナナの甘さとキャラメルの苦さが
口の中で混ざる。
やわらかなシフォンとクリームが、
やさしくとけていく。

 
焼き菓子も充実しているから、
明日の自分におみやげを買っていく。
休みの日の朝にちゃんと起きて
決めたことを成しとげたわたしには
自分を甘やかす権利がある、ということにする。

 
たぶん今日はいい日になる。

 
さあ、午後は何をしようかな。


フードムード

国立駅から徒歩15分ほど。
2010年ころオープン、
2015年にこの場所に移転してきた、
料理研究家のなかしましほさんのお店。
バターを使わず菜種油でつくられた
焼き菓子、シフォンサンドなどが楽しめます。

新鮮な卵でつくられたシフォンサンドには
定番のものにくわえて、
毎月、季節の素材を使ったものもあります。
特長は、サンドするフルーツに必ず火を通すこと。
素材に合わせて火の通し方を変え、
シフォンケーキ、クリームといっしょに食べたときに
もっともしっくりくる状態にするのです。
あわせる素材によって
生クリームも脂肪分や砂糖の量を変えたり、
ヨーグルトを足したりと、細やかな調整をくわえます。
手でぎゅっとつかんで食べるシフォンケーキは、
デザートというよりもまさにごはんのように
身体にしみわたるおいしさです。

◎シフォンサンド(キャラメルバナナ+クリーム)  450円

しっとりとした口どけのシフォンケーキに
軽い口当たりのクリームとともにサンドされたのは
苦味と甘味のバランスが絶妙なキャラメルバナナ。
あつあつのキャラメルをかけることによって、
余熱でバナナに火を通すのだそうです。

フードムード

東京都国立市西2-19-2
営業:10:00~17:00(L.O. 16:30)
休み:日曜、月曜

https://foodmood.jp/foodmood/

「両手でぎゅっとつかんで召し上がってくださいね」と、出していただいたシフォンサンド。フォークじゃなくて手で食べるなんて初めてでした。ふわふわのシフォンを手に持った時のあのなんともいえない感触‥‥もう一度食べたいなあ。

(次回は2月中旬更新の予定です。おたのしみに。)

2020-01-16-THU

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