南伸坊さんと糸井重里が
あちこちを小旅行しながら、
めくるめく雑談をくりひろげる、
そこそこ人気のシリーズ、黄昏。
思えばずいぶん久しぶりの新作です。
奈良に居を移したゲージツ家、
「クマ」こと篠原勝之さんと話します。
それぞれが二十代のころから
とっくに雑談し合ってる3人、
はたしてどこまで行くのやら。
どうぞ、のんびりおつき合いください。
必然、「老いと死」についても語ります。

>糸井重里

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糸井重里(いといしげさと)

コピーライター
株式会社ほぼ日会長

雑談オールラウンダー。
ダジャレもシモもどんどん行く。
タコの話なども得意。

>南伸坊

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南伸坊(みなみしんぼう)

イラストレーター
エッセイスト

蓄積した雑学から雑談を展開。
さまざまなモノマネ経験あり。
タコの話なども得意。

>篠原勝之

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篠原勝之(しのはらかつゆき)

ゲージツ家
作家

鉄や土の作品をつくる一方、
文筆家としても活躍し、
泉鏡花文学賞を受賞する。
過去のエピソード豊富。

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第34回 軍艦バッタ


篠原
さっき会った人は、
軍艦バッタみたいな顔してたな。
糸井
そうだったかな。

南
本人にそんなこと言っちゃダメだよ。
篠原
言わないけど、似てたな。
糸井
とくに「軍艦」って言っちゃだめだ。
「バッタ」はいいけど。
南
「バッタ」もダメだよ。
糸井
軍艦バッタ。え? 軍艦バッタ?
そんなのいる?
南
軍艦バッタ‥‥。
篠原
いや、いるんだよ、軍艦バッタ。
大きいやつ。

南
殿様バッタじゃなくて?
糸井
ショウジョウバッタって、
何が「ショウジョウ」なんだっけ?
南
「ショウリョウ」じゃない?
糸井
「ショウリョウバッタ」か。
南
こういう細いやつでしょ?
糸井
そうそう。
じゃあ、「ショウリョウ」って何?
南
たしか、「精霊」って書くんだよ。
糸井
「精霊」で「ショウリョウ」なの?
篠原
「しょうりょう流し」って歌があったな。
糸井
あれは「精霊(しょうろう)流し」でしょ。
じゃあ、「ショウロウバッタ」?
南
そんなバッタはいない。
糸井
じゃあ「ショウリョウバッタ」か。
少ない数のバッタじゃないんだよね?
南
ははははは! 少量バッタ!

糸井
少量バッタよりは、
軍艦バッタのほうがマシだと思うぞ。
南
ははははは、なんだよ、マシって。
糸井
だってショウリョウバッタは
文字が思い浮かばなすぎるよ。
南
ショウリョウバッタは
俺がつくったわけじゃないよ。
糸井
じゃあもう調べてみるよ。
‥‥‥‥あ、ショウリョウバッタは
やっぱり「精霊」だ。南さん、さすがです!
南
俺がつくったわけじゃないけどね。
篠原
じゃあ、軍艦バッタも調べてみて。
いるはずなんだよ。

糸井
どうだろうなあ‥‥
俺は、いないでほしいなあ‥‥
ちょっと待ってね。
なんか、あれだね、バッタの名前は、
なんか変な当てこすりみたいなのが多いね。
南
「当てこすり」(笑)。
糸井
殿様とか。
南
軍艦とか。
糸井
うーん‥‥「軍艦バッタ」は出てこない。
篠原
ない?
糸井
クマちゃんの故郷、
室蘭にしかいなかったんじゃない?
ほら、室蘭、鉄の町だから。
篠原
方言みたいなもんだったのかな。
室蘭はね、艦砲射撃に遭ってね、
軍艦が来たんだよ。
南
ああ、そうか。
篠原
そのとき、野原に、
いっぱいバッタがいたんだろうな。
糸井
それを「軍艦バッタ」と呼ぶようになりました、
ってことでどうだろう。

篠原
ま、そういうことにしよう。
めんどくせえだよ、バッタぐらいでね。
南
「バッタぐらい」って(笑)。
篠原
殿様バッタが軍艦バッタなんだよ。
糸井
じゃあ、室蘭で、
殿様ガエルは軍艦ガエル?
篠原
いやいやいや、それは違う。
南
(笑)

(まだつづきますけど、さすがにもう終盤へ?)

2026-03-30-MON

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  • 写真・山口靖雄(MountainDonuts)

    これまでの「黄昏」シリーズ

    黄昏

    黄昏放談

    黄昏 日光・東北編

    黄昏 あちこち編

    黄昏 スカート編

    黄昏 ブータン編