「生活のたのしみ展2026」には、
世界的メーカー、カシオ計算機のお店が出展します。
ならぶのは約100種類の時計と、22種類の電卓。
店名は「毎日着替えるCASIO」です。
ファッションをたのしむように
気軽に時計を手にとってほしい、という思いをもとに
生まれたお店ですが、カシオさんにとって、
このお店は「いままでにないこと」尽くしだとか。
どんなお店になりそうか、
カシオ製品が時代を超えて求められるのはなぜか‥‥
ほぼ日からの「変なお願い」を引き受け、
一緒にお店をつくってきてくださったカシオの斉藤さん、
お店の主力商品となるCASIO Collectionを
担当なさっている笠井さんと、長年カシオ沼に浸かっている
ほぼ日乗組員佐久間が語り合いました。
ふたつの番外編もお見逃しなく!

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【第1回】変なリスト

──
よろしくお願いします。
このたび「生活のたのしみ展」で、
カシオ計算機さんとご一緒できることになりました。
あらためて、このお店が実現した経緯から
振り返りたいと思います。
斉藤
お願いします。
そもそものきっかけは、昨年7月、
糸井さんが、カシオの「S100X」という
3万8500円の電卓に興味があると
Xでつぶやいてくださったことでした。
それを受けて、「実際に見てもらいたいぞ」と、
約80種類の現行の電卓ラインナップを持って、
ほぼ日さんにおうかがいしました。
そのとき、もちろん電卓の話もしたのですが、
糸井さんがカシオの時計「OCEANUS」を
愛用くださっているとのことで、
時計の話になったんです。
そこから、
「時計もありますし、楽器もあって‥‥」と、
「カシオとは」というところまで
話が広がっていきました。
ここにいらっしゃる佐久間さんからも、
「ぼくも、カシオの電子辞書を使ってます。
サッカーの審判員をやっているので、
腕時計もたくさん使わせてもらってます」と、
ガーッと熱く話していただいて(笑)。
佐久間
そうでしたね。
斉藤さんとお会いするたびに、
つい熱く語ってしまいます。
斉藤
長くカシオ製品を愛してくださっている方から、
直接「好きです」と言っていただいて、
すごくうれしかったです。
その佐久間さんから、
たのしみ展出展のお誘いをいただいて、
ぜひとお返事しました。
──
たのしみ展にお店を出していただくと決まって、
最初、ほぼ日側からは、
けっこう変な提案をした記憶があります。
斉藤
はい(笑)。
最初に、ほぼ日さんから
「こういう商品を並べたいんです」と、
時計のリストをいただいたんですよね。
通常、カシオの時計は、
落としても壊れないG-SHOCK、
ビジネスシーンにも合うOCEANUS、
1980年代から定番のデザインをベースとした
CASIO Collection‥‥と、
いくつかのブランドに分かれていて、
それぞれのブランドごとに
商品のコンセプトや世界感が異なるので、
ウェブサイトでも、基本的には
G-SHOCKのサイト、OCEANUSのサイトと
分かれていて、社内の担当者も
ブランドごとに異なることが多いです。
ところが、ほぼ日さんからご提案いただいた
時計のリストは、ブランドの分類を
まったく無視していたんです。
「時計をファッションとして気軽にたのしむ」
というコンセプトで、ブランド関係なく、
カラーコーディネートができるように、
色別に並んでいるリストでした。
黒いG-SHOCKの隣には
グレーのCASIO Collectionがあったり、
8万円の時計の横に6000円の時計が並んでいたり。
カシオ社内ではまったく
想定していなかった並びだったんですよ。
時計の担当者が、そのリストを見た瞬間、
「んっ?!」と止まったんです。
一同
(笑)
斉藤
本当にまったく見たことがない並びだったので、
「あ、このお店見てみたいな」と、
カシオの時計を見慣れているぼくら自身が、
すごくワクワクしたんです。
佐久間
それを聞けてうれしいです。
斉藤
まさに、これはほぼ日さんの編集の力だと
感じています。
「生活のたのしみ展」において、
どんなお店を集めてくるかというのも、
ひとつの編集だと思います。
生活のたのしみ展に出展されている
お店のなかでも、カシオ計算機の商品は
どちらかというと身近なところで買える
商品なんですけど、
ほぼ日さんが選んだ時計だけを、
ほぼ日さんが考えた順番でならべることによって、
いままでにない、見たことがないお店になる
予感があったんです。
本屋さんでも、
江戸時代の歴史小説の隣に浮世絵の美術の本、
その隣に相撲の観戦ガイドと、関連性のある本を、
ジャンルを超えて並べることによって、
新たな本との出会いを提案してくれる
お店がありますよね。
ほぼ日さんのリストからは、
そんな印象すら受けました。
これが「ぜひやりましょう」と進めることになった
要因ですね。
──
無茶を言ってしまいましたが、
そのように言っていただけて安心しました。
「なんだかこれ、かわいい」「おしゃれ」という観点で
時計を選びたい方にも、
喜んでもらえるお店になるのではと思っています。
斉藤
そうなったらうれしいです。
ほぼ日さんとの打ち合わせの際などに
時計をバーっと広げさせていただくと、みなさん
「なんだなんだ」と湧いてくださるじゃないですか。
ぼくらも、仕事で時計を扱っていますけど、
時計が並んだときには「わーっ」と思うんです。
たのしみ展のお客さまにも
この感じを体験していただけるのが、
すごくたのしみです。
それから、もうひとつ
「見たことないお店になるな、
来た人に喜んでもらえるんじゃないかな」と感じた
ポイントがありました。
ほぼ日さんとディスカッションを進めていくなかで、
「やっぱり、時計って、試着できたら
うれしいですよね」と言っていただいて、
「ああ、そうか」と思ったんです。
基本的に時計は、ショーケースに飾ってあって、
いいなと思ったら店員さんにお願いをして
さわらせてもらう、という売り場が大半です。
セキュリティの観点から、
ケースに入れないといけないので、
そうなってしまうのはしかたないのですが、
買う気持ちが決まっていないと、
試着をお願いするのになかなか勇気が要りますよね。
なので、今回は
「生活のたのしみ展」だったら大丈夫だろうと、
「もう自由にさわれるようにしちゃおうよ」と
決めました。
ということで、展示・販売する
約100本の腕時計、そして約20種類の電卓、
すべて自由にお客さまに
身に着けたりさわったりして選んでいただける
お店になりました。
こんなお店はきっと世界中のどこにもないので、
カシオのぼくらも「どんなお店になるのかな」と
すごくワクワクしてるんです。

──
実際に着けてみると、
軽さがわかるのもうれしいです。
佐久間
とことん軽いですよね。
──
私はいままで、腕時計を着けていると、
重くて腕が痛くなってしまっていたんですが、
最近着けているCASIO CLASSICの時計は
重いと感じたことがないです。
笠井
軽さには、すごく気をつけています。
やっぱり、長く着けていただくためには、
ストレスがないほうがいいので。
斉藤
今回のお店で手にとって、
気づいてくださる方も多いのではないでしょうか。
──
いままでにないようなことをいろいろと
お願いしてしまいましたが、
ご協力いただけたおかげで、
テンションの上がるお店ができそうです。
先ほど、少しお話しいただきましたが、
電卓も並ぶんですよね。
斉藤
カシオ計算機は、
まさに計算機から始まった会社なんです。
電卓って、計算するための
シンプルな道具ではあるんですけど、
いま約80種類のラインナップを出しています。
なぜそんなに多くの種類を出しているかというと、
電卓はさまざまなシーンで、
さまざまなお客さまに
使っていただいているからです。
お店屋さんで使う方もいらっしゃれば、
会社で使う方もいらっしゃる。
持ち運びたい方もいらっしゃれば、
キーが大きいほうが打ちやすいという方も。
それぞれの方々に合った電卓を用意していったら、
いつの間にか約80種類になっていました。
ただ、電卓を何種類も置ける売り場は
なかなかないんです。
そして電卓も、売り場では
製品箱に入れられていることが多く、
実際にさわることができるお店は
すごく限られているんですよ。
そんななかで、今回は22機種を
用意させてもらい、さらに
電卓ごとの打ち心地を
さわって試していただけます。
それぞれのキーの形状も、
「このボタンは凹んでいて、
このボタンは膨らんでいる」と
くふうされていたりするので、
キーの押し心地なども
確かめていただきたいですね。
糸井さんに興味を持っていただいた
38500円の高級電卓も、そして、
4月に発売しました限定品の99000円の
漆塗りの電卓もさわっていただくくことができます。
さわって比べられるのは、
リアル店舗ならではの体験だと思います。
カシオとしても、
ほぼ日の『生活のたのしみ展』だからこそできる、
ワクワクするようなお店になればと思っています。
佐久間
ありがとうございます。
斉藤
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
ここまでいろいろ大変でしたね(笑)。
佐久間
「もう少しでゴール」というところまできましたね。

(明日に続きます。佐久間のカシオ愛が炸裂しますよ。)

2026-05-16-SAT

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