
占いと聞くと、
“未来を予言する”というイメージがあります。
でも、ムンロ王子のタロット占いは、
自分との対話をうながしてくれる
“カウンセリング”に近いもの。
カードを引いて、その意味を読み解きながら、
自分の本質に向き合っていく。
その作業には、「論理的な思考力」が重要なのです。
東大卒、IT企業出身という経歴から身に付けた
ロジカル思考によって多くの人を幸せに導いてきた、
ムンロ王子のユニークなタロット占いに迫ります。
動画で配信中の「ほぼ日の學校」の授業の
一部を読みものでご覧ください。
ムンロ王子(むんろおうじ)
パワータロット・カウンセラー。
東京大学法学部卒。IT企業の経営、
シャンソン歌手もこなすパワータロット・カウンセラー。
大学卒業後、大手コンピューター会社に就職。
その後、IT会社を起業し、
ある縁でタロットのプログラムを
作り始めたところから魅力にはまり、
カウンセリングが口コミで広まり評判に。
188センチの長身、金髪に派手なメイクという
おネエキャラで人気を集める。
『anan』『女性セブン』などの雑誌のほか、
テレビ朝日系とAbemaTVで放送している
『みえる』にも不定期で出演。
テレビ東京では
2チャンネル創始者ひろゆきとバトルしたり、
ゴールデンボンバーを占ったりしている。
-
タロットの魅力に引き込まれて
- ──
- ムンロ王子は、
タロットカードを使う占い師ということで、
雑誌、ラジオ、テレビなどで活躍なさってますけど、
占い師としてはキャリアが
ちょっと変わっているのかな、と思うんですが。
- ムンロ王子
- そう?(笑)
- ──
- 東大の法学部を卒業されてるんですよね。
- ムンロ王子
- はい。
- ──
- そこから大手のIT会社に就職されて、
ご自身で起業をして、
タロットのプログラミングをする仕事で
タロットに出会ったと、うかがっています。
そのきっかけから、
なぜタロット占い師になろうと思ったんでしょうか。
- ムンロ王子
- そうねぇ‥‥
あなたは、占いはやる?
- ──
- 興味はあるんですけれど、
本格的にやったことはないです。
本当に当たるのかな?って‥‥。
- ムンロ王子
- ははははは‥‥ちょっと!
- ──
- (笑)
- ムンロ王子
- そうねぇ‥‥
占いを好きな人はたくさんいるけど、
怖がる人もいてね。
雑誌とか朝のテレビ番組とかで
占いに触れる人はいるけども、
本格的に占い師のところに行って、
お金を払って占うっていうのは、
なかなか敷居が高いですよね。 - 私、タロットは、
もう12、3年やっているんです。
きっかけは、IT会社を経営していて
ITバブルの頃、上場の話も来てた時に、
自分のオリジナルの特許やシステムを持ってないと、
上場しても、なかなか生き残れないなと。 - 何かオリジナルのものを作ろうと思った時に、
占いに興味がありましたから、
占いはどうかなと思ったんです。

- 星座とか血液型は、
生年月日などの情報を入れたら出るので、
プログラム的にはそんなに難しくないんです。 - でも、タロットは
78枚のカードから7枚とか10枚を引いて、
そこから読み解くので、
これをプログラムにしたら、
特許を取れるんじゃないかなと。
最初はそういう下心で始めたんですけども(笑)。 - ミイラ取りがミイラになった、じゃないけれど
やっていく中で、
タロット占いの不思議な魅力に
どんどん引き込まれていってしまって。
1000人、2000人占って、
最終的には、1万5000人ぐらい占ったところで
そろそろいいでしょう、と思ったんです。 - まわりも「お金もらったら?」って言うんだけど、
「お金もらったら、占い師になっちゃうでしょ?」
と最初はすこし抗っていたんだけれども。 - それでも、気づいたら占いの世界にいましたね。
不思議な世界です、占いというのは。
占いをロジカルに考える
- ──
- 東大を出てIT会社という経歴をお持ちの
ムンロ王子の占いは、
「ロジカルな思考」が面白さの一つだと
うかがってるんですけど、
「占いをロジカルに考える」っていうのは
どういうことなんでしょうか?
- ムンロ王子
- 東大の法学部なので文系なんですけど、
私は数学で入ったようなもので、理系が得意で、
文系だけど理系的な頭を持ってるんです。 - 「占いなんて、非論理的な」
っていう言い方をよくされるように、
「東大」と「占い」は正反対なものに見えると思います。
つまり、「東大は論理的」で「占いは非論理的」だと。 - みなさんは飛行機に乗ったり、
60階建てのビルのエレベーターに乗ったり
するわけだけど、
私は、そっちの方が非論理的だと思うんです。
たかだか100年もない技術じゃないですか。 - 占いというのは、東洋に至っては4000年、
西洋でも2000年の歴史があって、
そんなにも長い期間、
いろんな哲学者や優秀な人達が
揉みに揉んだ論理なので、
これの論理性は半端ではないです。 - 残念だけど、理系のいう論理なんか、
自然や社会のほんの一部であって、
人間のしあわせや愛についての論理とは、
ちょっとケタが違うんですよ。 - 実際に、
タロットのアバウトで完全に非論理的な世界に、
東大のロジックを持って、
乗り込んでいったんですけども、
いざ見てみると、かなり「ロジック」なんですよね。

- どういうことかと言うと、例えば、
太宰治や三島由紀夫のような作家の文学作品、
すべて無駄がなくて、
最後の結末に至るためには、
どのページも外せないんですよ。 - つまり、あんな長い文章が無駄なく、
全ての言葉、全ての文字が、
最後の結末に行くための布石として打たれている。
あれも全てロジックなんですよ。 - 俳句とか短歌だってそう。
なんで感動するのか?って言ったら、
そこにはロジックがあるんです。 - 絵画にしても、
たとえば白い点があったとしたら、
なぜそこに白い点を打ってるのか。 - これも私はロジックだと思います。
きっと、それはそこが白じゃなきゃダメなんです。 - そういう意味で、
ロジックという言葉を広く捉えると、
タロットもロジックなんです。 - なので、東大を出たことと、
タロットを占ってるということは、
私の中では大した違いはないんです。
広い意味で「生きる」とか「愛」とか、
これもロジカルなんですよ。 - そのロジカルなものを、
たとえば映画評論家や美術評論家は、
「ここに赤があって、ここはこうなってるから、
これは白なんですよ」、
みたいに解説していくわけだけど、
描いてる人はそうは描いてない。 - でも評論家がきちんと話せるだけの
ロジックがしっかりとあるんです。 - 私は、1万5000人占いながら、
「生きる」「しあわせ」「愛」という、
一番ロジックと離れてるように思う世界のところに
切り込んでるのかなと思います。
そもそも占いとは?
- ムンロ王子
- 占いは大きく分けると3種類に分けられます。
- まずは私がやってるタロット占い。
- 次に、占星術、四柱推命、算命学、風水、
姓名判断や生年月日を使う
統計的な世界のもの。 - もう一つは、霊媒師、霊視、
水晶玉見てると見えちゃうとか、
特殊な力で見えるもの。 - 大きく分けて、この3種類あるんですよ。
- まず“霊視”という世界についてお話します。
私も何人かお会いしましたけども、
ジーっと見てるとその人の
過去から未来が紙芝居みたいに
見えてくるみたい。
当たるんですよ、怖いぐらいにね。
そういう人は、お金をもらって占わないです。
それは、当たりすぎるから。
お金をもらって言う意味がないというか、
言っちゃいけないことというのがあるんです。 - 生命判断とか占星術とか
生年月日とか名前で占うのは、
産まれた瞬間に決まった宿命、ですね。
日本人として生まれるとか、
男として生まれた、
何年に何月に生まれた、
射手座で生まれた、
申年に生まれた、
お金持ちに生まれた、
美人として生まれた、
背が高い、低いとか、
それは、その人が生まれた瞬間に、
最初から決められたもので、
変えられないんですよ。
これを宿命と言うんですけど、
それを占うのね。 - 宿命というのは、バイオリズムで、
ある一定の周期を持っているので、
その周期を見ながら、
あなた今年は気をつけなさい
って言うんだけど、
でも、厄年だから、みんな病気になるか、
というと、そうじゃないでしょ。 - つまり、統計的に見て、
「この時は気をつけましょう」と言ってるだけで、
絶対じゃないんです。 - 統計的に、その年には、
ケガする人や死ぬ人が多いの。
女の厄年は、体に変化がある30後半だったり、
男の場合は、社会的な責任を負わされる時に、
無理して病気になりやすいということがある。 - そういうふうに、
その人の体の変化と、社会から求められるものが、
厄年という一つの形であらわれるけれども、
それは絶対ではない。
気をつけましょう、ということですよね。
タロットが「引き」を見せてくれる
- 3つめ、私がやってるタロットや、
手相や易は、兆候を見る、
つまり、印を見るんですよ。 - コーヒー占いと言って、
飲んだコーヒーの残った粉の形で占う
なんていうものもあるんですけども、
カードも「引き」、
易も最後に残った本数、
こういうもので占います。
私がやってるタロットも、宿命というよりは、
その人の「今」を見るんです。
今、どういう「引き」があるか。 - 例えば、今、この部屋に、
私とあなたとカメラマンの人たちが
ここに揃ってる。
これも一つの「引き」なんですよ。 - ちょっと怖い言い方すると、
墜落する飛行機に、
間に合って乗っちゃう人と、
間に合わなくて乗れなかった人、
この飛行機に乗るか乗らないかで
運勢が変わるでしょ。
これも「引き」なんです。 - 人間というのは、
引かれ合いながら生きていくわけで、
いい人と出会うのも「引き」、
悪い人と出会うのも「引き」、
その「引き」をカードが代わりに、
ここに見せてくれるんです。

- みなさん
「えっ、 なんで当たるの?」って言うんだけど、
それは「なんであなたはいま生きてるの?」と一緒で、
カードがそのまま見せてくれているんです。
私は1万5000人占ってきたけど、
「なんで」じゃないんだよね。
もう当たるんですよ。 - 「なんで鏡に私が写ってるの?」と一緒で、
鏡を見て「私こんな顔してない」と言っても、
「あんたこんな顔だよ」ということなんです。 - 私が見せる占いは、どちらかと言うと、
その人の今の姿と、
これから半年ぐらい先の未来を見せるものです。
ムンロ王子さんの授業のすべては、
「ほぼ日の學校」で映像でご覧いただけます。
「ほぼ日の學校」では、ふだんの生活では出会えないような
あの人この人の、飾らない本音のお話を聞いていただけます。
授業(動画)の視聴はスマートフォンアプリ
もしくはWEBサイトから。
月額680円、はじめの1ヶ月は無料体験いただけます。
