ラジオパーソナリティーのクリス智子さんが、
ゲストと一緒にキッチンに立って、
とっておきのレシピや、
人生のヒントを教わる「レシピ泥棒」。
第2回のゲストは、シンガー・ソングライターとして
活動中の優河さんです。
おばあちゃんから受け継いだという
「煮込みハンバーグ」を作りながら、
家族との思い出や、曲作りのエピソード、
自分自身との向き合いかたについて
お話をうかがいました。

ほぼ日の學校で、ご覧いただけます。

 

>クリス智子さん プロフィール

クリス智子(クリス・ともこ)

東京のFMラジオ局 J-WAVEの
ナビゲーターとしての活動を中心に、
MC、ナレーション、トークイベント出演のほか、
エッセイ執筆や朗読、
本の企画・制作など幅広く活動している。
言葉と声の仕事を軸に、
居心地のいい空間や日々の生活のあり方にも関心を持つ。

>優河さん プロフィール

優河(ゆうが)

2011年からシンガー・ソングライターとして活動を開始。
これまでに、TBS系 金曜ドラマ『妻、小学生になる。』の
主題歌「灯火」をはじめ、
さまざまな映画・ドラマの主題歌や劇伴を担当。

両親は俳優の石橋凌さんと原田美枝子さん。
妹には同じく俳優の石橋静河さんがいる。

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1)元気がないときに食べたいもの。

クリス
「レシピ泥棒」第2回、
ゲストはシンガー・ソングライターの優河さんです。
よろしくお願いします。
優河
優河です。よろしくお願いします。
こんな機会をいただけて光栄です。
私、こういうことって、
あまりやったことがなくて。
クリス
私もそんなにないんですよ(笑)。
そうそう、「エプロンを持ってきてください」って
お願いするのを忘れちゃったな、
と思ったんですけど、今日は自主的に。
優河
自主的に(笑)。
クリス
すごくかわいい。個性が出てます。
優河
ありがとうございます。
友達が幡ヶ谷で「Cyodo」というバーを
やっているんですけど、そこの人が
アーティストとコラボして作ったエプロンなんです。

クリス
手作りなんですね。すごくすてきです。
さて、今日は「レシピ泥棒」という企画で、
優河さんの思い出のレシピを
教えていただきたいと思います。
事前におたずねしたところ、
優河さんからご提案いただいたのが、
「ハンバーグ」だったんですよね。
優河
はい。「おばあちゃんのハンバーグ」
というものがありまして、
私の母の母のレシピなんです。
おばあちゃんがマンションの
大家さんをしていた時期があって、
そこに住んでる人たちの、家庭のレシピを
聞いて作ることが趣味だったらしいんです。
なので、今回のハンバーグも、
「おばあちゃんのレシピ」というより、
おばあちゃんが、おそらくそのときに
誰かから聞いたレシピの一つだろうという噂です。
クリス
伝言のように伝わっているんだ。
おもしろい大家さんですね。
優河
そうですね。 昔はそういうコミュニティが
今よりもあったんだろうなと思います。
その、おばあちゃんの作るハンバーグが、
わが家では、食べると落ち着く
「コンフォートフード」になってます。
クリス
レシピを事前にうかがったときに、
意外に思ったのが、
玉ねぎだけでなく、にんじんも入れる、
ということなんです。
今日はここに、あらかじめ
炒め済みのものがありますけども。
優河
そうなんです。
玉ねぎとにんじんのみじん切りを
バターで炒めます。

クリス
ハンバーグって、その家の味が出ますよね。
今日教えていただくのは、
「煮込みハンバーグ」ですが、
私、煮込んだことないんですよ。
優河
え、本当ですか。
ハンバーグって、煮込まないと何味ですか?
「おろし」とか?
クリス
ああ、大根おろしもいいですね。
うちは、わりとシンプルで、
卵も入れたり入れなかったりするし、
味はケチャップとウスターソースと醤油くらい。
それと肉汁でソースを作ってかけるだけ、という。
優河
うわぁ、おいしそう。
クリス
そっちにします?(笑)
でも今日はおばあちゃんのハンバーグを習いたいです。
じゃあ早速、はじめましょうか。
まず、合びき肉を400グラム。
そこに、先に用意しておいた
「にんじんと玉ねぎをみじん切りして、
バターで炒めて、冷ましておいたもの」
を入れるんですよね。
優河
そうです。混ぜていきます。
器も美しいですね。

クリス
ハンバーグを人と一緒に作ることって、
あまりないかも。
優河
そうですね。今日はうれしいです。
石橋家では、誰かが元気がないときに、
「じゃあ今日はおばあちゃんのハンバーグにしよう!」
みたいな感じだったんです。
クリス
元気がないときに。
優河
そうなんです。
次に、卵を入れます。
クリス
はい。卵を割って混ぜます。よいしょ。
優河
次に塩コショウを少し加えます。
煮込むときのソースの味がけっこう濃いので、
そこまでしっかり味をつけなくても大丈夫です。
クリス
たしかに私はいつもこの段階でしっかり
塩コショウしてナツメグ入れて‥‥
ってやってますね。
優河
ナツメグはいい味を出すので、
ちょっと多めに入れてもいいかなと思います。

クリス
パン粉も入れます?
優河
はい。パン粉はめちゃくちゃ適当で、
「これぐらいかな」という感じで、入れますね。
今、子どもみたいな気持ちになってます。

クリス
料理って楽しいですよね。
切ったり、こねたり、叩いたり。
優河
ですよね。無心になれて。
クリス
普段もこのハンバーグはよく作るんですか?
優河
はい。元気がないときや、家族が恋しくなるときに
食べたくなるんです。
クリス
ハンバーグって、外でも食べられるけど、
「自分の味」がありますよね。
優河
そう。このハンバーグは、
味にけっこう特徴があるので、
外でこの味に出会えたことがないんです。
クリス
最初ににんじんが入ったのも新鮮だし、
この後、煮込むときのソースも特徴的なんですよね。
見ている方にも、楽しみにしていてほしいです。
優河
クリスさんは、ご自身で
レシピ開発とかもされているんですか?
クリス
開発はしないですけど、
人のレシピ通りに作るのがちょっと難しいときは、
途中から「こうやったらどうかな」って、
余計なことをやりがちなところがあります。
優河
たしかに私もレシピ通りにやるのがすごく苦手です。
昔、母に料理を習っていたときは、
音で習ってました。
クリス
え?
優河
この分量は「ザーッ‥‥くらい」なんて言ってて。
たぶん、体感として思い出しやすいんですよね。
クリス
アーティスト一家ですね。
焼くときの、パチパチという音を聞く、
とかはありますけど。
優河
あとはなんか「ふわわん‥‥」みたいな。
クリス
石橋家、みんなそれで大丈夫なんですか?(笑)
優河
(笑)
あ、もう少しだけパン粉を入れていただいて。
クリス
はい。なんか私、パン粉しか入れてないですね。
パン粉係です。

優河
(こねながら)
今、まとまってきて、いい感じです。
クリス
ふわっふわですね。
これも、こねる派と、
あんまりこねない派とがいますね。
優河
そうですよね。私はわりとこねるほうです。
「いくぞ、俺らはハンバーグになるんだ」
みたいな感じが出てくるんですよ。
クリス
丸めるの、参戦していい?
優河
はい、お願いします。
(丸めながら)
「ハンバーグになりなさい」って
言いながら丸めます。
クリス
「おいしくなりなさい~」

優河
ああ、楽しい。
味がけっこう濃いので、大きめでも大丈夫です。
クリス
そうね、後で煮込みますし。
(丸めながら)
きれいにまとまってきました。
大きさがちょっとまちまちなのも、
自分のお腹の具合で選べるからいいですね。
優河
そうそう。「今日はこれにしよう」って(笑)。

(つづきます)

企画:阿部太一
文:藤田亜沙美

2026-10-21-WED

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