
動物のなきまねといえば、このお方!
五代目江戸家猫八師匠は、
動物を愛し、動物園を愛する人で、
動物園ではたらく人たちとも超なかよし。
そんな師匠といっしょに、
各地の動物園をめぐる連載をはじめます。
おまたせしましたの第2弾は、
神奈川県にある横浜市立金沢動物園。
たっぷりの緑に囲まれた園には、
インドゾウのボンくんはじめ、
世界の草食動物たちが暮らしていました。
お目覚め中の
コアラさんたちにも会ってきましたよ。
担当は「ほぼ日」奥野です。
全8回、どうぞおたのしみください。
題字:五代目江戸家猫八
- ──
- 猫八師匠とめぐる動物園シリーズ、
第2弾は金沢動物園にやってまいりました。 - どうぞ、よろしくお願いします。
- 猫八師匠
- 第2弾が実現して、とてもうれしいですね。
よろしくお願いします! - ここ、金沢動物園の話をすると‥‥
石川県にある動物園だと思ってしまう人が
けっこういらっしゃるんですが、
神奈川県の金沢文庫にある動物園です。
- ──
- ぼくも一瞬そうかなと思いました。
- 猫八師匠
- 横浜市緑の協会という指定管理先が
野毛山動物園、よこはま動物園ズーラシア、
金沢動物園の運営をしているんですね。
職員のみなさんも3園の中で異動するので、
新年度になって各園を訪れると、
知ってる顔を探すのもわくわくしますね。
- ──
- なるほど。そして、はじめまして。
恩田園長と広報の齋藤さん。
- 恩田園長
- はじめまして、こんにちは。
今年の4月に園長になった恩田と申します。 - ズーラシアに7年おりまして、
そのあとここ金沢動物園へ移ってきました。
- 齋藤
- 本日、園内をおともいたします、齋藤です。
よろしくお願いいたします。
- ──
- こちらこそ、よろしくお願いいたします。
師匠はよく来るんですか、こちらの園には。
- 猫八師匠
- 今日は久しぶりなんですけど、
イベントでたしか5回ほど、
個人的な勉強ですとかなり来ていますので、
合計で15回くらいでしょうか。
- 恩田園長
- 本日は晴天に恵まれまして。
- 猫八師匠
- きれいですね。
- ──
- 本当に見晴らしが最高。三浦半島ですか。
- 猫八師匠
- ここまで抜けがいいのは、はじめてかも。
自然が豊かですよね、あらためて。
- 恩田園長
- 横浜でも、
こんなに緑の多い場所はここくらいです。
恵まれた環境なので、
みなさんには、
もちろん動物もごらんいただきながら、
自然も楽しんでいただきたいですね。
- ──
- このトンネルを抜けると動物園、ですか。
- 猫八師匠
- はじめて来園したときは驚きました。
イッツ・ア・スモールワールドみたいで‥‥
ちょっと言い過ぎですかね(笑)。 - でも、「金沢動物園に来た!」という
ワクワクを感じる空間なんです。
- ──
- 子どもたちなんて、とくにでしょうね。
こちら、開園したのは‥‥。
- 恩田園長
- 来年2027年3月で開園45年を迎えます。
- 猫八師匠
- たしか、はじめは、野毛山動物園の分園、
みたいな位置づけだったんですよね。
- 恩田園長
- そうなんです。
- ──
- それは、なぜですか。
- 恩田園長
- 野毛山動物園はじゃっかん手狭ですので、
動物にとっての環境を整えて、
より広い敷地で、
みなさんに見ていただこうということで。
- ──
- そのとき、ズーラシアは?
- 恩田園長
- まだ、なかったんですよ。
- ズーラシアができたのは1999年なので、
まだ30年にもなりません。
- ──
- 野毛山動物園、ズーラシア、金沢動物園の
いわゆる「横浜3園」では、
ズーラシアがいちばん新しいんですね。
- 猫八師匠
- そうです。もともと野毛山は遊園地でした。
その遊園地がなくなって
動物園のみになって、無料になって‥‥と、
長い歴史があるんです。 - あ‥‥聞こえましたね。コジュケイかな。
- ──
- さすがは師匠。
動物の鳴き声はもれなくキャッチしますね。
- 恩田園長
- コジュケイの鳴き真似も、なさるんですか。
- 猫八師匠
- はい、指笛で。
- 「チョットコイ! チョットコイ!」と
鳴き続けるパターンの声をたまにやります。
- ──
- やはり、自家薬籠中の鳴き声だった。
- 恩田園長
- 当園では、アフリカ・オセアニア・
ユーラシア・アメリカの4エリアにわけて、
それぞれの地域で暮らしている動物たちを
楽しんでいただいています。
まずは、アフリカに住む動物たちです。 - 敷地が広いので、
動物と動物のあいだに距離がありますけど、
退屈にならないよう、
当園ならではの見せ方を工夫しています。
- 猫八師匠
- 動物園の楽しみ方って、いろいろですよね。
ドイツの動物園をめぐったときも
動物をじっくり見ているお客さんがいたり、
ベンチで本を読んでいる人がいたり、
その自由さが、とても印象に残りました。
- ──
- いいですねえ。
- 以前、多摩動物園へ行ったときは、
絵を描いている子どもたちがたくさんいて、
その光景が、何だかよかったなあ。
真剣に写真を撮っているおじさんもいたり。
- 猫八師匠
- 動物園に来たからには
隅から隅まですべての動物を見ることだけ
目標にしてしまいがちですが、
エリアを絞ってのんびり見てもいいんです。 - 雨の日も、雨ならではの発見がありますし、
濡れるのが嫌だという人は
屋内で見れる動物を観察するのもありです。
もちろん今日みたいに、
カラッと晴れて心地いい日は最高ですけど。
- ──
- ぼくは、師匠と一緒に動物園に来て、
「耳に注目」という視点をいただきました。 - 耳をすまして見る‥‥という。
- 猫八師匠
- その気づきは、とてもうれしいですね。
- さらに動物園の魅力は、飼育動物以外にも
周辺環境に住んでいる生きものを、
ふとした瞬間に感じられるところですね。
たしかこちらでは、
入口の水辺にカエルがやってくるんですよ。
- 齋藤
- はい、アカガエルが来ます。
- 恩田園長
- そこで、飼育員が
手製で卵を守る金網をつくったり、
新しい水場を整備したり、
動物園の動物だけでなく
周囲の生物を守る取り組みをしています。
今年はカエルの数が少なくて、
周辺に住んでるアライグマが
卵を食べたんじゃないかと考えています。
- ──
- 動物園のみなさんが、
近所に棲んでる野生のアカガエルを守ってる。
- 恩田園長
- 大学などの研究機関にも協力していただいて
個体数を確認したりしています。
今年は、
よそでもカエルが少なかったと聞いてまして。
- 猫八師匠
- 地域との連携もさかんですよね。
- 美術系の学生さんらとコラボレーションして
夏の夜に開催するナイトズーで
プロジェクションマッピングをやっていたり、
作品を展示する場を提供していたり。
- 恩田園長
- はい、地域の方に支えられていますし、
近くの学校と連携したり、
多くの方に楽しんでもらえる場でありたいと
願っています。
- 猫八師匠
- 世界の動物と出会えるワクワクも大切ですが、
日本に生息する在来種もたくさんいて、
各地の園館が身近な動物にどう責任を持つか。
その魅力を、どう知ってもらうか。 - その点も、動物園の可能性だと思うんです。
- ──
- いまも、きれいなチョウチョが飛んでたり、
鳥だの虫だの野生の生物も、
ふつうにたくさん見ることができますよね。
- 恩田園長
- 飼育員が、何かしら見つけてくるんですよ。
虫にしろ、動物にしろ。
どうしたら気づけるようになるのか聞くと、
「足元を見たらいいんです」って。 - そうすれば自然と目に入ってきますよって。
それ以来、
わたしも足元を気にするようになりました。
- 猫八師匠
- 子どものときには近かった足元の世界が、
大人になると遠くなりますよね。 - 石をのけてみたら、いろんな虫がいたり‥‥。
- ──
- 耳を澄ますの他にもうひとつ、足元を見る。
覚えておきます。 - 師匠のお話を聞いていると、
ひとくちに「動物園」と言っても、
それぞれに特色があって、
どこも同じじゃぜんぜんないんだなあって。
- 猫八師匠
- いろんな動物園へ遊びに行ってほしいです。
行けば行くほど多様性を実感できる。
ご自身の住む地域の動物園の魅力が、
他の地域の動物園との比較から見えてくる。 - 金沢動物園の特徴のひとつを挙げるならば、
大型の草食動物に会える園。
かつては、ローランドアノアがいて、
世界最大のウシ、ガウルがいて、
シロイワヤギがいて、プロングホーンがいて、
わたしがはじめて訪ねたころは、
それぞれみんな国内最後の1頭だったので、
すごく思い出に残っていますね。
ガウル 撮影:五代目江戸家猫八(2015年08月)
- 恩田園長
- 持続的に動物園を運営していくためにも、
地域へ目を向けることは、
とても大事なことだろうと考えています。
- 猫八師匠
- では、そろそろまいりましょうか。
- 恩田園長
- 金沢動物園を、
たっぷりと楽しんできてくださいね。 - いってらっしゃい!
- ──
- はい、行ってまいります!
プロングホーン 撮影:五代目江戸家猫八(2013年08月)
(つづきます)
2026-10-13-TUE
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金沢文庫の駅からタクシーだと10分くらい、
気持ちのいい緑に囲まれた動物園。
今年(2026年)に50歳をむかえた
インドゾウのボンくん(ボンさん!?)はじめ、
世界の草食動物たちに会うことができます。
住所:神奈川県横浜市金沢区釜利谷東5-15-1
時間:9時30分~16時30分(入園は16時まで)
(8月の土日祝は13時~20時、入園19時30分まで)その他、入園料や休園日などについては
動物園の公式サイトでご確認ください。

地元牧場の濃厚なソフトクリームを使用した
園の人気者コアラを再現。かわいい!
「すっきりした甘さのソフトクリームに、
ほどよい苦味のチョコとビスケットが相性抜群。
顔パーツのどこから食べるか、
それがいつも悩みの種です」と猫八師匠。
動物園内わくわくキッチンで販売。550円。