
さまざまな分野で
活躍されている方たちが抱いている、
『MOTHER』シリーズへの思いを聞いてみたい!
そんな気持ちからこの連載がはじまりました。
2人目に登場していただいたのは、
俳優・演出家の玉置玲央さんです。
玉置さんは、2025年に「舞台の人。」という
ほぼ日のコンテンツに登場していただきましたが、
そのなかで『MOTHER』への熱い思いを
語ってくださっていました。
じつは、『MOTHER』のイベントやショップにも、
何度か足を運んでくださったことがあるんです。
さあ、あらためて『MOTHER』への思いを
たっぷり語っていただくインタビュー。
どんなことを語ってくださるのでしょうか?
玉置玲央(たまおき・れお)
3月22日生まれ。東京都出身。
劇団「柿喰う客」所属。
劇団以外でも、『ポルノ』『狩場の悲劇』
『Take Me Out』2025『朝日のような夕日をつれて2024』
『リア王』『ジョン王』『パンドラの鐘』
など数多くの舞台作品に出演。
映像では、初出演映画『教誨師』で
第73回毎日映画コンクール
スポニチグランプリ新人賞を受賞。
2024年大河ドラマ『光る君へ』では
藤原道兼役で話題を集めた。
●玉置玲央さん公式ページ
https://www.gorch-brothers.jp/member/561
- ──
- 『MOTHER3』はサウンドバトルなど、
あたらしい要素も加わってましたが、
そういうところはどうでしたか?
- 玉置
- サウンドバトル、ムズかったけど、
ちゃんとがんばってやりましたよ。
でも、どちらかというと、新しい要素よりも、
変わっていないところがうれしかったですね。
戦闘の数値がドラムリールで回転したり、
バトルの背景画面にサイケデリックな
グラフィックが映し出されていたり‥‥。
新しい要素でおもしろかったのは、
「きゅうきょくキマイラ」ですね。
まさかマップ上で触れたら
ゲームオーバーになるキャラクターが
出てくるとは思わなかったので、驚きました。
よく見ると、ルックスはわりとかわいいのに。
- ──
- かわいいですよね。
- 玉置
- そう。死ぬと思わないじゃないですか、
あいつにぶつかって。
- ──
- (笑)
- 玉置
- あとは、やっぱりストーリーですね。
『MOTHER3』はスタートから衝撃が大きかった。
まず、お父さんが出てきますからね。
『MOTHER』や『MOTHER2』でも
パパは出てきましたけど、
お父さんのフリントは
これまでのパパとはまったく違う立ち位置。
そして、お母さんのヒナワ。
冒頭のヒナワが退場してしまうことに
大きな衝撃がありました。
まず、ここでひと泣きしましたね。
- ──
- 序盤からキツい展開でした。
- 玉置
- めちゃくちゃキツかったです。
『MOTHER3』からプレイした人は
「『MOTHER』シリーズってこういう物語か」
と思うかもしれないですけど、
これまでの『MOTHER』と『MOTHER2』を
経てきた自分としては、正常ではいられない。
このシナリオを考えた人は、
「正気か!」と思いましたね。
- ──
- これまでの『MOTHER』シリーズの
お母さんとはまったく違う展開でした。
- 玉置
- あの、ゲームのタイトルである
『MOTHER』ということばには
さまざまな解釈があると思うんですけど、
「主人公のお母さん」という意味もあるし、
パッケージに描かれている
「母なる地球」という意味も
あるんじゃないかって僕は考えていたんです。
だからこそ、この『MOTHER3』の展開に、
『MOTHER』シリーズを終わらせる
という覚悟を感じました。
あと第6章の「ひまわりの高原」‥‥。
あれが効くんですよ。
ヒナワを追いかけて、
抱き着くことができないまま
崖から落ちてしまう。
とくにヒマワリの色味がすごくよくて。
あの短い章があるから第7章、第8章の
インパクトが大きくなるんです。
- ──
- 第7章、第8章の展開も衝撃でしたね。
- 玉置
- キツい展開がいっぱいありました。
たとえば仮面の男‥‥正体はそこまで
プレイした人にはわかっているじゃないですか。
- ──
- わかりますよね‥‥。
- 玉置
- キツい。感情のふり幅が
めちゃくちゃ大きかったですね。
そもそもこの世界はなんなんだろう、
タツマイリ村ってなんだろう、
これまでの『MOTHER』シリーズと
つながりはあるんだろうか、
それともパラレルな世界観なのか‥‥。
そう思っていたら、
おなじみのキャラクターが出てきちゃうし。
- ──
- 『MOTHER』シリーズのファンには
たまらないラスボスでした。
- 玉置
- 彼の本拠地に入ると、
「ともだちのヨーヨー」を
飾っているんですよ。
あれを見て、「おいおい!」ってなりました。
めちゃくちゃせつないですよ。
- ──
- 作り手である糸井さんにお会いしたら、
どんなことばをお伝えしたいですか?
- 玉置
- 「正気ですか?」って(笑)。
『MOTHER』シリーズのファンであればあるほど、
『3』のあのストーリーは、
「正気か?」って思ったと思います。
それと同時に
「でも、その気持ちわかるよ、糸井さん」
って思っちゃってる。
ものを作るには、こういう落としどころを
作らなければいけなかったんだろうなと。
エンディングまでプレイしたあとに、
いろいろな本やインタビューを読んで、
開発で苦労した紆余曲折を知ると
「わかるよ、糸井さん」という気持ちになる。
でも、初見のときのショックはすごかったです。
糸井さんに会ったら、
聞きたいことがたくさんあります。
- ──
- 演劇や小説でも、
観客の気持ちを動かす作品を
作ることが得意な人って、
うれしくする表現も悲しくする表現も、
同じように上手だったりしますし。
- 玉置
- そうですよね。
糸井さんも意図があって
作っていらっしゃるんだと思うんです。
『MOTHER』も『MOTHER2』も、マジカントには
巨大な竜が寝ているという設定があったし、
そういうところは『MOTHER3』と
つながっているかもしれない。
そういう感覚も当時は新鮮でしたよね。
- ──
- 現在でこそマルチバースや
パラレルワールドみたいな世界観の作品が
たくさんありますけど、
20年前にそういったゲームは
あまり多くはなかったですよね。
- 玉置
- そうですよね。すごいですよね。
地続きの世界観になっていて、
でも同じ世界かどうかはわからない。
本当に大絶賛したいゲームなんです。
おもしろいのと同時に、
糸井さんのすごさを感じましたね。
- ──
- 以前のインタビューによると、
糸井重里の名前は、
『MOTHER』シリーズで知ったそうですね。
- 玉置
- 最初はそうです。
『MOTHER』か、『となりのトトロ』か。
その界隈でお名前を知りました。
僕はスタジオジブリの作品も大好きだったのですが、
ジブリ作品に関わっている人が
『MOTHER』をつくっているんだなと。
バス釣りをしている人じゃないぞ、
埋蔵金を掘っている人じゃないぞ、
コピーライターさんであり、
『MOTHER』を作っている人なんだぞって。
自分としてはそういう認識でしたね。
(つづきます)
2026-07-24-FRI
