『MOTHER2 ギーグの逆襲』に登場する
「マニマニのあくま」は謎の多いアイテムである。
いや、アイテムというよりは敵、あるいは概念、
ひょっとしたらテーマと呼んでもいいかもしれない。
ピカピカと怪しげに輝くその黄金像は、
ネスたちの冒険を導くようにあちこちに出現する。
いったい「マニマニのあくま」とは、なんなのだろう?
『MOTHER2』に欠かすことのできないこの像を、
ほぼ日MOTHERプロジェクトで製作して展示したところ、
多くのファンが強い興味を示してくれた。
3月8日から受付をはじめる受注販売にさきがけて、
スペシャルな発売記念企画をお届けする。
糸井重里への特別インタビュー、
テーマはもちろん「マニマニのあくま」について。

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第4回 デザインと名前の由来

──
「マニマニのあくま」の
デザインについて教えてください。
糸井
あれのもとのイメージは、
まあ、オスカー像だよ(笑)。

──
アカデミー賞の。
それは、誰が決めたんですか?
糸井
たしかぼくが言ったと思う。
デザインする人に「どうしますか?」と聞かれて、
オスカー像みたいにって。
だって、あんな大事そうなものじゃない?
だから、オスカー像くらい
価値がありそうな感じにして、
でも悪魔のちからを持たせるわけだから、
オスカー像の悪魔版みたいな感じに。
──
そう聞くと、あのデザインになるのが
とてもよくわかります。
「マニマニのあくま」という名前の由来は?
糸井
「マニマニ」っていうのは、
どこの国のことばとも言えないけど、
なんかどこかで聞き覚えがあるような
印象のことばですよね。
ぼくはそういうことばを混ぜるのが好きなんです。
『MOTHER3』の地名なんかにも、
ちょっと日本語っぽいニュアンスだけど
どことも特定できないようなことばがあるでしょ。
──
ああー、タツマイリ村とか、
タネヒネリ島、クラブ・チチブー、
オリシモ山、オソヘ城‥‥。
糸井
そうそう。
ちなみにタツマイリ村の「タツ」はドラゴン、
「マイリ」は、お参りの「参り」ですよ。
でも、カタカナで「タツマイリ」って言うと、
もともとそういう地名があったような気がする。
そんな感じでいろんな地名を
つけるのが好きなんですよ。
『バス釣りNo.1』というスーパーファミコン用の
釣りゲームをつくったときも、
そういうことをやってますね。
それって、リアルな世界でもやることなですよ。
各地方の釣り人が岬とか小さな入り江とか、
そういうところにちょっと変な通称をつけて、
それが定着してほんとの地名みたいになったり。
──
『MOTHER2』で言うと、
オネットの「くちばし岬」とかも。

糸井
ああ、そうそうそう。そういう
「正式な名前ではないけど、そう呼ばれている」
みたいな名前の付けかたが好きなんです。
「マニマニ」も含めて、そういうネーミングは
当時からわざとやってましたね。
──
「マニマニ」ということばには、
何か呪文のような、呪術的な印象もありますね。
糸井
ああ、そうだ、それを言っておかないと。
子どものころに、学校で、
こういう歌を歌わされなかった?
「♪クイカイ マニマニマニマニ ダスキー
クイカイコー クイカイカム
クイカイ マニマニマニマニ ダスキー‥‥」
──
??? いえ、憶えてないです。
糸井
ちょっと調べてみてごらん。
──
‥‥‥‥ああ、ありますね!
『クィクワイマニマニ』。
1961年に「みんなのうた」で流れたようです。
もともとは、南米民謡みたいです。
糸井
子どものころ、この歌の、
「♪マニマニマニマニ‥‥」
っていうところをくり返すと、
なんだか終わらなくなっちゃうんだよ。
「♪マニマニマニマニマニマニマニ‥‥」って。
それがおもしろいなぁと思って、
ずっと頭のなかにあったんだけど、
それが、はっきり引用したというより
つくるときに出てきたんなんじゃないかな。

──
ああー、なるほど。
そういえば、ムーンサイドのホテルで
「マニマニの マニマニが‥‥」って、
ずっとくり返してくる男がいましたね。
糸井
だから、自分のなかにある
個人的なボキャブラリーとか、
独特の考えみたいなものが、
このゲームの作家性につながっている
というのはあると思う。
いまはどうか知らないですけど、
それが、あの時代のゲームのつくり方の
ひとつだったんだと思います。
そういうときは、みんなで
「何がいいと思う?」とか話し合っちゃだめで。
「これは糸井重里のゲームだよね」って
いまでも言われる大きな理由は、
そういうつくり方をしていたからだと思う。
──
はい、まさに。
糸井
そういうふうにして、
本来は共有できないもの作家個人のものを、
遊んだ人が共有していくっていう。
「マニマニ」っていうことばを
「マニマニのあくま」で覚えた人は、
あの歌をどこかで聞いたときに
「これ、マニマニあくまの歌だ」となるよね。

(つづきます)

2023-03-10-FRI

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  • マニマニのあくま

     

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    9,999円(税込・配送手数料別)

     

    サイズ:高さ200×幅64×奥行60mm
    重さ:約350g
    素材:本体/ポリレジン、底面ラバー/PVC、メッキ/水溶性ポリレジン

    販売期間:
    2023年3月8日(水)午前11時から
    2023年3月29日(水)午前11時まで
    販売形式:受注販売
    出荷時期:2023年5月下旬
    海外発送:あり

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    編集協力:小原久(東京テキスト)

     

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