アイディアって、思いついたらわくわくします。
こんなことができそう、そんなお話も聞けそう。
あの人に、お願いしてみようかな。
でも‥‥。どんなふうに形になっていくんだろう?
授業を思いついてから、
コンテンツになるまでを、
學校でディレクターを担当する出来(デキ)が
ドキュメント風の味つけでご紹介。
すでに収録を終えて絶賛編集中、
三浦宗一郎さん授業の製作過程をのぞいてみましょう。
ほぼ日の學校の「工場見学」へ、レッツゴー!

 

ほぼ日の學校ではいま、
「聴きたい、話したい」アイディアを募集中です。
読みながら「この人の話が聴いてみたい。」と
思い浮かんだら、そのアイディアをぜひ応募ください。
ほぼ日の學校がアプリで開校してから使える
3ヶ月無料のクーポンを差し上げます。

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1. 企画編(アイディアがうまれてから、お願いするまで)

「あのですね、おもしろい人がいるんです」

授業のはじまり方は、さまざま。
本を読んで「この人に講師をお願いしたい!」
とひらめくこともあれば、
雑談から、はじまるアイディアもあります。
三浦宗一郎さんの授業は、そんなふうでした。

「ヤンキーインターンって、知ってますか?」

教えてくれたのは、ダイヤモンド社の日野さん。
イトイの『すいません、ほぼ日の経営。』を
担当してくれた編集者さんです。
日野さんの話を、
目を輝かせて聞いていたのは、學校長・コウノ。

「ヤンキーインターンって、何?」

いわく、ヤンキーインターンとは、
地方出身の中卒・高卒の若者向けに、
就労支援をする取り組みのことらしい。
三浦宗一郎さんという人は、
若者たちの教育や就職の選択肢を増やすべく、
全国の学校や少年院で講演したり、
ヤンキーインターンを通じて
たくさんの若者を
新しいステージに送り出してきたらしい。
自身も高卒で、
自動車メーカーの職業訓練校に通ったり、
世界をまわったり、
いろんな脇道、回り道を歩きながら今にいたるらしい。
ほうほう、そんな人がいるんだなぁ‥‥。

「いやあ、おもしろい人がいるんだよ」

日野さんに紹介されて
三浦さんに会ったというコウノは、
私に語りかけました。

「何ですか、ヤンキーインターン?」

こうして数珠つなぎみたいに、
「おもしろい」
「聞いてみたい」
が伝播していきました。

まずは一度、お話を聞きに行ってみよう。
私は三浦さんに会いに、
ヤンキーインターンの現場へと馳せ参じました。

でも、もしかして。

三浦さんが、
“ヤンキー”
だったらどうしよう‥‥。

ふと、浮かんだ不安とともに
オフィスを訪ねると、現れたのはナイスガイ。

 

「来ていただけて、うれしいです!
こちらへどうぞー」

さわやかな笑顔とともに、
中へと通されます。

そこには、昨日ヤンキーインターンをはじめたばかり、
という若者たちがいました。

半年間つづくインターン、
今日はその2日目なのでした。
はじめて知り合ったインターン生同士、

自己紹介し合います。

彼らのバックグラウンドはさまざま。
家庭環境から
学業を断念せざるを得なかったり、
いじめを受けて不登校になったり、
地元の仲間に誘われて
法律スレスレの仕事に手を出してしまったり。

今の環境から抜け出したい。
みな、いろいろな紆余曲折を経て、
ここにいるとのことでした。

そんな彼らに、三浦さんは語りかけます。

「僕も、教育を満足に
受けられなかった過去がありました。
でも、環境を理由に
将来をあきらめてしまうほど、
もったいないことはない。
過去を変えられなくても、
今をどう生きるかで、
人生を変えることはできる」

これまでたくさんの若者の人生に
かかわってきた三浦さんのお話は、
たいへん説得力のあるものでした。

三浦さんのお話は、若者だけでなく、
今の自分の環境に
悩みや行きづまりを感じている、
すべての人に通じるものだ。
たくさんの人が、
三浦さんのことばに救われるはず。

ぜひ、ほぼ日の學校で
授業をお願いしたい。
正式に講師としてのご登壇を、
お願いしました。

2021-03-12-FRI

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