1981年の放送開始から現在まで、
ずーっと愛され続けている『北の国から』シリーズ。
「ほぼ日」にも糸井重里をはじめ、
夢中になった者は多数です。
2020年、「ほぼ日」はあらためて、
『北の国から』をみんなに見てほしいと思いました。
渋谷PARCO「ほぼ日曜日」では、
このドラマの展覧会も開催します。
そこで、『北の国から』大好き芸人で有名な、
雨上がり決死隊の蛍原徹さんに、
このドラマの魅力を真正面から訊きにいきました。
「やっぱり最初から見るべきなんですかね？」
と、素直すぎる質問をぶつける聞き手は、
観たことない人代表、ほぼ日・永田です。
そんな永田に、蛍原さんはやさしく言いました。
「もちろんです。まず第３話まで、見ましょうか」
- 永田
- 渋谷PARCOにできた
「ほぼ日曜日」という私たちのスペースで、
『北の国から』の展覧会を
開催することになりまして。
- 蛍原
- 珍しいですね。今ですか？
ドラマが完結してだいぶ経つでしょう。
- 永田
- 『北の国から』のことをずっとやりたがってた
仲間が「ほぼ日」にいるんですよ。
- 蛍原
- はい、はい、なるほどね。
- 永田
- 聞いたところによると、
北海道のドラマロケ地‥‥富良野ですか。
- 蛍原
- 富良野です。
- 永田
- そこに『北の国から』の資料館があって、
そこが惜しくも閉館してしまったと。
- 蛍原
- ええ、そうですね。
- 永田
- その資料館にあった展示品をお借りして、
北海道から東京の渋谷まで運んで、
展示するのだと。
- 蛍原
- それは‥‥いいですね！
- 永田
- 実はぼく、蛍原さんと同じ年の生まれですが。
- 蛍原
- そうですか、51。
- 永田
- はい。
『北の国から』をまったく見ていないんですよ。
- 蛍原
- いてます、いてます。
見てない人は、ぜんぜんいてますよ。
ぼくらの世代でも。
- 永田
- 若い世代も含めると
いまは見ていない人が多くなっているので、
『北の国から』が大好きだという蛍原さんに、
どういうところががいいんですか？
というお話を
聞かせていただけたらと思っています。
- 蛍原
- わかりました。
- 永田
- ぼくらの世代って
ドラマは見たことがなくても、
『北の国から』という作品は
モノマネやコントで
ハンパに知ってしまっている人が多いですよね。
- 蛍原
- そうですね。
とんねるずさんのモノマネとかでね。
- 永田
- 入り口は知ってるんですけど、そこ止まりで。
あの元ネタは
おもしろいドラマなんだということを、
グッと説得されたいです。
これから見ようと思ってますので。
- 蛍原
- いやいや、ぜったい見ないと思いますよ。
- 永田
- え？
- 蛍原
- これは、逆の立場でわかるんですよ。
ぼくも「アメトーーク！」で紹介されたものを、
そのときは本当に
「おもしろそう」って思うんですけど、
次の日、忘れてますからね。
- 永田
- ははははは。
- 蛍原
- だから今日これからプレゼンをしますけど、
「見ない」と思ってお話しします（笑）。
- 永田
- いやいや、見ます（笑）。
今回ぼくは「ほぼ日」で
見て感想を書くコンテンツが準備されているので。
見るための工夫として、
仕事にしちゃったんです。
- 蛍原
- ああ、ほならもう、見な仕方ないのか。
- 永田
- ええ。
- 蛍原
- でも、いっぱいありますよ？
連ドラだけでも24話。
スペシャルドラマも８編ありますし。
- 永田
- やっぱり最初から見るべきなんですかね？
- 蛍原
- もちろんです。
- 永田
- やっぱり？
- 蛍原
- もちろんですよ。
そこはぜったい、連ドラの第１話から見ないと
意味がないと思います。
- 永田
- いまとは画面比率の違う‥‥。
- 蛍原
- そうです、そうです。
こう、正方形に近い比率の画面で。
だって1981年放送開始ですからね。
もう39年前ですよ。
- 永田
- いま見ても、イケますか。
- 蛍原
- いま見てもぜんぜんおもしろいです。
そんなドラマ、他にひとつもないと思いますよ。
39年前のドラマを、
いま見てもおもしろいっていうのは。
- 永田
- 例えば僕らが白黒の映画を見るときって、
「リアルな名作」というよりは
「当時の名作」として見るじゃないですか、
『北の国から』は、
いまのドラマとしてもイケるってことですか？
- 蛍原
- もう、ぜんっぜん！
- 永田
- ほお。
- 蛍原
- ぜんぜんイケると思います！
- 永田
- 第１話から見て、
どんどん引き込まれていくタイプの？
- 蛍原
- ぜんぜん引き込まれないと思います。
- 永田
- え（笑）。
- 蛍原
- 人それぞれでしょうけど、
ぼくは最初、引き込まれなかったんです。
リアルタイムで連ドラが始まったとき、
たしかぼくは小６で、
夜10時からやってたんですよね。
- 永田
- そうですか。
- 蛍原
- 毎週やってたんですよ、フジテレビで。
ほんでぼくの３つ上の
兄貴と親父が好きで見てたんです。
それをぼくもちょっと見てたんですけど、
小６の子にはわからない内容ですからね。
- 永田
- では、いつそんなに好きになったんですか？
- 蛍原
- 20歳ぐらいになって見直したときです。
- 永田
- つまり、大人の分別がつくようになると、
よりおもしろくなる。
- 蛍原
- ある程度なんか、
ちょっと経験してる人じゃないと、
っていう感じですよね。
大人のおっちゃんになるほど
おもしろく見られるんじゃないでしょうか。
- 永田
- なるほど。
では蛍原さんが独断で推奨年齢をつけるとしたら
どのくらいですか？
- 蛍原
- だからやっぱり、
ぼくがそうだったから、20歳以上ですね。
- 永田
- 20歳以上。
ぼくは大丈夫だ。
- 蛍原
- 大丈夫です。
（つづきます）
2020-01-19-SUN
