
ほぼ日の「イマコレキニ」の
デザインまわりを担当している岡村は、
仲間内から「Mr.イマコレキニ」と言われるほど
独特の審美眼をもった男なんです。
しかもこの男、サイフの紐がけっこうゆるい。
キニなるものを投稿するだけじゃなく、
いろいろ自腹で購入しているのだそうです。
そこで、ここ最近の「自腹8アイテム」を
おうちから持ってきてもらいました。
サクサクっとテンポよく紹介していきますー!
前編
高級な本、タコみたいなオブジェ。
池田晃将さんの「作品集」
- ──
- 全部、自腹で買われたんですか?
- 岡村
- そうです。
これ以外もありますけどね。
イマコレキニで紹介したものってことで、
きょうは8つだけ持ってきました。
- ──
- すでにキニなるものがいろいろ‥‥。
きょうは実際に買ってみた感想などを
うかがえたらと思っています。
- 岡村
- というか、読者のみなさんは、
ぼくが買ったものに興味ありますかね?
買ったことは買ったけど、
くわしいことはぜんぜん知らないですよ。
- ──
- まったく問題ないです。
どこで見つけたとか、どこに興味を持ったとか、
そういう話がうかがえたらと思っています。
- 岡村
- それくらいでいいんですね。
ま、なんでも聞いてください。
いつもの感じで答えます。
▲ダブルピースの岡村さん。ほぼ日のデザイナーです。
- ──
- どれからにしましょうか。
- 岡村
- なんでもいいですよ。
お好きなものを選んでください。
- ──
- それでは一番大きな箱からいきましょう。
なんだろうって気になってました。
- 岡村
- あ、これね。お目が高い。
じつはぼくもまだ見てないんです。
- ──
- えっ?
- 岡村
- まだ一度も開けていないので。
- ──
- 開けてない?
- 岡村
- だって、開けてもしょうがないし。
- ──
- どういうこと(笑)。
- 岡村
- これ、ある作家さんの作品集なんです。
- ──
- 本、ってことですか?
- 岡村
- そうそう、分厚い本です。
池田晃将さんという香合や飾箱などをつくる
作家さんがいるんです。
こういう作品をつくってる方で‥‥。
- ──
- おぉぉ、かっこいい。
- 岡村
- 展示会で実物を見ましたけど、
めちゃくちゃすばらしかったです。
ほんとうはこの方の作品が欲しかったんですけど、
ぼくには手が出させないお値段でした。
- ──
- ちなみに、それはどのくらい‥‥。
- 岡村
- 7桁はいくんじゃないかな。
- ──
- ということは‥‥おぉ、100万。
- 岡村
- (箱を開けながら)いろいろ入ってますね。
あー、そうだそうだ。
このカードのシリアルナンバーの部分、
これ、貝殻でつくられているそうです。
- ──
- 全体にものすごく高級感が漂っていますが、
この本自体はいくらだったんですか。
- 岡村
- 4万5千円。
- ──
- ひゅーー!
- 岡村
- でも作品に比べたらお買い得でしょ?
- ──
- さすがMr.イマコレキニ‥‥。
- 岡村
- (ビニールを取りながら)
梱包がしっかりしてて、開け方がよくわからない。
- ──
- ほんとうに一度も開けてないんですね。
- 岡村
- 展示会場で「見本」は見たのですが、
じぶんのものを見るのは、きょうがはじめてです。
- ──
- ものすごくいまさらですけど、
ほんとうに開けてよかったんですか。
じつは保存したかったとか‥‥。
- 岡村
- あ、いや、それはないです。
いつかは開けるつもりだったし、
ぼくはとくにそういうこだわりはないので。
- ──
- それを聞いて安心しました。
- 岡村
- あとはこのテープを剥がすだけ‥‥。
- 一同
- おぉぉぉーーっ。
- ──
- モノリス(笑)。
- 岡村
- すごいね。
- ──
- このカバーの中に作品集が‥‥。
- 岡村
- 出してみましょう。
- ──
- おおぉぉぉ、すごい(笑)。
作品もすごいけど、
この本自体が作品のようです。
- 岡村
- はじめて開いたから、
ちょっとインクの匂いもしますね。
- ──
- 黒色がすごく濃いですね。
インクがこってり乗ってるのがわかります。
- 岡村
- この作品集には、
約200点が収録されていて、
池田さんのこれまでの作品が
ほぼ網羅されているそうです。
ああ、いいなぁー。
やっぱりかっこいいですね。
- ──
- この方のことは、
どうやって知ったんですか。
- 岡村
- すこし前に、日本橋の美術館で
「超絶技巧」の作品だけを集めた工芸展があって、
そこで知りました。 - そのときは福田亨さんという
木彫作家の作品を見に行ったんです。
その方の作品もすごくて、
「木象嵌(もくぞうがん)」という
色合いのちがう木材を組み合わせる技法があって、
それを立体にしている作品なんです。
- ──
- 蝶も木で?!
- 岡村
- 蝶もそうだし、水滴もそうだし。
- ──
- この方もかなりキニなりますね。
- 岡村
- その工芸展はいろんな作家さんが
参加されていたんですけど、
その中に池田晃将さんもいらっしゃって、
そこからSNSをフォローして、って感じですね。
- ──
- 池田さん本人に
お会いしたことはあるんですか。
- 岡村
- 池田さんの個展にうかがったときに、
すこしだけ話しました。
まだ30代後半ぐらいじゃないかな。
次の個展のときは、
ぜひイマコレキニジャーナルで取材してほしいです。
つくっているところとか、
一度いいから見てみたいですね。
川端薫さんの「鉱物標本コレクション」
- ──
- 2つめ、どれにしましょうか。
- 岡村
- ダンボールつながりで、
こっちも開けちゃいましょうか。
- ──
- もしやそのダンボールも‥‥。
- 岡村
- きょうはじめて開けます。
- ──
- またですか(笑)。
- 岡村
- いや、これはすぐ開けようと思っていたんです。
でも、いまじぶんの部屋を片付けているところで、
それが終わってからにしようかなって。
- ──
- どんなものを買われたんですか。
- 岡村
- オブジェというか、アートピース的なものです。
わりと最近買ったものです。
- ──
- なにが出てくるんだろう‥‥。
- 岡村
- アクリルの台です。
- ──
- ‥‥えっ、これが作品!
- 岡村
- いや、これはただのアクリルの台です。
この上に作品を置きます。
- ──
- あ、そういうことか(笑)。
- 岡村
- ほんとうの作品はこっちですね。
- ──
- 不思議なものが出てきた(笑)。
- 岡村
- 川端薫さんの鉱物標本コレクションです。
こういう鉱物のようなアート作品をつくる方だそうです。
- ──
- かわいい!
- 岡村
- でしょう(笑)。
- ──
- これ、素材はなんですか。
- 岡村
- 主に「紙」だそうです。
手に取ってみると、
鉱物とちがってすごく軽いです。
- ──
- ちょっと失礼して‥‥軽っ!
- 岡村
- おもしろいですよね。
- ──
- 実際にこういう鉱物があるわけじゃなく、
形も色もファンタジーってことですよね?
- 岡村
- 鉱物をモチーフにしたオブジェ的な作品ですね。
展示ではこういうのが何十個も並んでいて、
色も形もひとつずつ全部ちがいました。
- ──
- その中からお気に入りの作品を選ぶわけだ。
岡村さんが買ったものもありますね。
- 岡村
- 全部一点ものなんですけど、
購入者同士でちょっと仲間意識が芽生えるんです。
選んだ鉱物はみんなちがうけど、
同じ人の作品を持っているというので。
- ──
- アクリル台の上に置くアイデアもいいですね。
作品がより映えますね。
- 岡村
- 鉱物は置き方が決まっているわけじゃないから、
好きなように置いてもいいと思います。
例えば、もっとバランスを崩してもいいし。
‥‥こうとか?
- ──
- おもしろい(笑)。
どうして岡村さんはこの作品にしたんですか。
- 岡村
- 本物の鉱物っぽく見えないところがいいなって。
あえてファンタジーが入っているものを狙いました。
本物の鉱物はいっぱい持ってますから。
- ──
- 作品をよく見ると、
2つの別素材がくっついた形ですね。
- 岡村
- そうそう、そこがポイントです。
上の部分はいわゆる結晶みたいな感じで、
下は結晶というよりはサンゴっぽい。
- ──
- そう見えますね。
- 岡村
- いくつかの異なる結晶がくっついてる標本って、
ほんとうの鉱物好き界隈でもけっこう人気なんです。
その組み合わせがめずらしいものであれば、
価値も上がったりします。
- ──
- 組み合わさる素材は、
だいたい決まっているんですか。
- 岡村
- 鉱物は自然のものだから、
この鉱物とこの鉱物は共生するとか、
ある程度は法則があります。
突拍子もないものもときどきあるけど、
だいたいはルールがありますね。 - ただ、これはアート作品なので、
なんでもできるっちゃなんでもできるんですけど、
絶妙なポイントは押さえています。
そのへんも鉱物好きに刺さるところなのかも。
- ──
- このタコみたいな形もいいなぁ(笑)。
- 岡村
- そこも気に入ったところです。
あと、展示の見せ方もすごくよかったです。
本物の鉱物標本を売っているお店だと、
同じ種類、同じ産地のものが並ぶことが多いのですが、
このときは同じテーブルに、
いろんなタイプのものが並んでいたので、
眺めているだけでもおもしろかったです。 - そうそう、最近ぼくが買った鉱物で
けっこう珍しいものがあって、
そういえばスマホで写真を撮ったのが‥‥。
- ──
- あの、すみません。
- 岡村
- はい。
- ──
- いや、その、鉱物の話はまた今度にでも‥‥。
- 岡村
- えっ、いいの?
すごい珍しい鉱物だよ?
- ──
- きょうの趣旨と
ちょっとずれちゃいますので‥‥。
- 岡村
- あ、そうでした。
きょうは鉱物の取材じゃなかった。
忘れるところでした。
- ──
- 岡村さん、鉱物のことになると
止まらなくなりますからね。
まだ他にもいろいろありますので。
- 岡村
- いまいくつ紹介しました?
- ──
- まだ2つです。
(後編はサクサク行きますよー。明日につづきます!)
2026-08-03-MON