アツい夏をCOOOLに過ごすため、
COOOLなお店ができました。
その名も「HOBO COOOL SHOP」。
クリエイティブディレクターの
塚本太朗さんを店主にむかえ、
ひんやりするもの、かっこいいもの、
ちょっとゾクッとするものを
ところ狭しとご用意します。
出展するのは、6月の「生活のたのしみ展2026」。
この連載では、お店にならぶアイテムを
少しずつ紹介していきます。
夏に向けて、COOOLな気分を高めていきましょう!

>塚本さんプロフィール

塚本太朗(つかもと・たろう)

生活のたのしみ展2026に出展する
「HOBO COOOL SHOP」の店長。
「riddle design bank(リドルデザインバンク)」を
運営する、クリエイティブディレクター。
グラフィックデザインやブランディング、
イベントのオーガナイズなど、多くを手がける。
ドイツやオーストリアをはじめ、
各地で集めたかわいいものや変わったものを、
自身のショップ「マルクト」で販売も。
「用途はふんわりしているけれど、
なんだかほしくなっちゃうもの」に、目がない。
2023年開催「生活のたのしみ展」では、
「ほぼアルファベットのお店」、
2025年開催「生活のたのしみ展」では
「HOBO SUPER OMISE SHOP」の店長を務めた。

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【大川硝子工業所 大川さんインタビュー前編】

大川岳伸(おおかわ・たけのぶ)

1916年創業の、ガラスびんの企画・販売会社
「大川硝子工業所」5代目代表取締役。
ガラスびんのポテンシャルを広げる
製品を企画し、びん業界で注目を集める。
音楽が好きで、DJ活動もおこなう。
お客さんにお餅をついてもらいながら
演奏するバンド、senkiya OMOCHI CLUBでは
「ビンモッチ」と名乗り、音楽フェスなどに出演。
 
おじいちゃんの地球びんから、
ものづくり魂を引き継いだBINKOP
──
大川さん、今年もありがとうございます。
前回の生活のたのしみ展の
「HOBO SUPER OMISE SHOP」でも、
オリジナルの「BINKOP(ビンコップ)」を
つくっていただきました。
今回は、HONGAMAさんの描いてくださった
ロゴ入りのBINKOPと「地球びん」を
販売します。
できあがったもの、いかがですか? 

大川
かわいいです。
印刷の青が、どの色のフタにも合って、
いいものができました。
──
印刷、きれいに出ていますね。
塚本さんからは、
今回のオリジナル地球びんとBINKOPの
推しポイントはどこですか? 
塚本
やっぱり、ここですね。
昔の電話のコードみたいに
「O」がならんでるところ。
なかに色のある液体を入れたとき、
また見え方が変わっていいと思います。

──
きょうは、あらためて、
大川硝子工業所さんが
いまのようなびんの商品を
つくるようになった経緯から、
うかがってもいいでしょうか。
大川
大川硝子は、1916年に創業した
ガラスびんのメーカーです。
ぼくのひいひいおじいちゃんと
ひいおじいちゃんが立ち上げました。
最初は、「ガラス製品メーカー」と聞いて
想像するとおりの、
ふーっと吹いてガラス製品をつくる、
小さな工場でした。
ぼくが生まれたころに、時代の変化を受け、
製品をつくるのは別の工場に委託して、
ガラスびん専門の商社へと
業態を変更しました。
──
大川さんご自身は、お家の会社を継ぐぞと、
もとから決めていたんですか。
大川
いや、最初は、
継ぐつもりは一切なかったです。
本当に、ぼくはすっごいどうしようもない
人間だったんですよ。ホントだよ。
会社員もやったんですけど、
まともにできなくて。
そのあとレストランで働いたんですけど、
それも辞めちゃって、
行くとこないから家に帰って
キャンキャン言ってたんです。
塚本
キャンキャン‥‥。

大川
家の会社に勤め始めてからも、3年くらいは
キャンキャン言っていたんですが、
会社がちょっと
危機的な状況になった時期があって。
さすがに、そこで「あ、やばいな」と、
地球びんのリブランディングなどをがんばりました。
それが結果的にいい感じになって、
「なんだ、できるじゃん、おれ」と
自信を取り戻し、いまに至ります。
──
地球びんは、大川さんが
リブランディングをしたんですね。
もともとは、いつごろ生まれたのですか? 
大川
いま販売している地球びんの原型は、
大川硝子がメーカーだったころに、
ぼくのおじいちゃんが考えたものです。
いまは、ビジネスのやり方として、
世の中の需要を見越してつくる
マーケットインの発想が多いですが、
60、70年代当時は、
「つくり手がつくりたいからつくる」
プロダクトアウトの時代でした。
その時代のものづくりから生まれたものの
ひとつなんですよ。
もともと、おせんべい屋さんが
おせんべいを入れたりしていた、
大きくて丸いびんが「地球びん」と
呼ばれていました。
おじいちゃんは、
「その小さい版をつくったら、
いいんじゃねえか?!」と考えたみたいで。
需要を考えたというよりも、
「いいんじゃねえか」って。
当時はお菓子をびんに入れて
食卓に置いておくということが
一般的だったので、その使われ方を
想定していたとは思うんですけどね。
いまでこそ、デザインがかわいいと
言っていただきますが、
昔は商店街の瀬戸物屋さんのような、
実用的なところが卸先でした。
ペットボトルが出てきたり、
人々のライフスタイルが変わったりして、
びんの需要が落ちていったなかで、
廃盤になりかけたときもあったんです。
ですが、10年前くらいに
リブランディングをして、
雑貨としてもう一度復活させたことで、
いろんなところで受け入れてもらえて、
再び日の目を見られました。
ここ数十年は、コメダ珈琲店さんが
ジュースの容器として使ってくださっている
こともあって、注目されました。
おじいちゃんが考えた商品が、時を経て、
海外の方や若い方にも
評価されているというのは、
ちょっと感慨深い部分もあります。
それに、商品自体を変えたわけではなくて、
パッケージしか変えていないんですよ。
だから、本当におじいちゃんが生み出した
商品そのままで。
ぼくはあまり親孝行ができていない
タイプなんですが、
これで、少しはできたかなと思っています。

──
そうだったんですね、すてきなお話です。
「BINKOP」のほうは、
どうやって生まれたのでしょうか。
大川
地球びんをブランディングし直す一方で、
「おじいちゃんの魂を引き継ぐなら、
自分も新しいものをつくって
プロダクトアウトしたい」という
思いがあったんです。
でも、びん製品って、
けっこう出尽くしているんです。
じゃあ奇抜なものを
つくればいいのかというと、
使いにくくて本末転倒になってしまう。
だから考えれば考えるほど、
「新しいびん、つくれないな」
「プロダクトアウトできねーじゃん」と、
行き詰まって。
そんなときに、
ガラスびんはリサイクルできるけど、
ガラスのコップはリサイクルできない、
ということから、なにかできないかと
思いつきました。
一般的なガラスコップは、
珪砂(けいしゃ)、ソーダ灰、石灰石で
できています。
ただ、耐熱ガラスやクリスタルガラスは、
またほかの原料が入っているから、
まぜちゃいけないんですよ。
つまり、本当はリサイクルできるのに、
見た目では耐熱ガラスやクリスタルガラスと
区別がつかないから、ガラスコップすべてが
リサイクルに出せないルールになっています。
それって、なんかもったいないなと
思ったんですよ。
ワンカップのお酒は「びん」とわかる要素
(底のギザギザした部分など)があるから、
「びん」としてリサイクルに出せるんですよね。
そんなふうに、見た目で「びん」と
判断できればリサイクルできるなら、
「ワンカップをもっとコップらしくしたような、
明らかにびんとわかるガラスコップを
つくればいい」と考えたんです。
そして、それはガラスびんメーカーでしか
つくれないから、自分がやろうと。
そうしてできたのが、BINKOPです。
ふつうのガラスびんと同じく、
粉砕された使用済みガラスびんが主な原料なので
リサイクルでき、
かつ見た目でびんとわかる仕様になっています。
いまは環境のことをすごく考えなければ
ならない時代だから、
リサイクルできる製品は
時代とマッチするし、
自分の「新しいものをつくりたい、
プロダクトアウトをしたい」
という気持ちも叶えられた商品です。

──
BINKOPは、厚手で丈夫なので、
小さい子どもも使いやすいのがうれしいです。
大川
それもメリットのひとつですね。
あたたかい飲みものとの相性もいいです
(※びん製品は、冷蔵庫に入れたあとに
熱い飲みものを入れるなど、
外気との温度差が激しい使い方の場合は、
割れる恐れがあります)

でも、ぼくとしては
「厚いほうがいいです」と言うつもりはなく、
デザインのかわいさなどを入口にして
手に取っていただいて、
びんのメリットを知っていってもらえたら
いちばんだなと思っています。
もちろん、薄いコップにもよさがありますが、
なめらかプリンが流行ったら、
硬いプリンが好きな人も出てくるように、
薄いコップが主流でも
「自分は割れるのが怖いから、
厚手のコップのほうがリラックスできる」
という人もいると思うんです。

(後編に続きます)

2026-05-20-WED

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  • 生活のたのしみ展2026

    場所
    新宿住友ビル 三角広場
    東京都新宿区西新宿2-6-1
    大江戸線「都庁前」駅 直結
    東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅 徒歩4分
    JR線ほか「新宿」駅 徒歩8分

    日時
    2026年6月1日(月)~6月7日(日)
    11時00分〜19時00分(最終日は18時00分まで)
    最終入場は18時45分まで(最終日は17時45分まで)
    入場無料