いろんな方にご登壇いただいている
「ほぼ日の學校」ですが、
これほど多彩な経歴を持つ方もめずらしい。
しかもお名前が‥‥「5歳」?
X(旧ツイッター)に約10万人のフォロワーがいて、
旅人、鍼灸師、インフルエンサー、
ライターといった、あらゆる顔を持ち、
「麻婆豆腐を毎日作っていたら、
いつの間にか麻婆豆腐職人になっていました」
という5歳さんに、
これまでの道のりをうかがいました。
軽やかにキャリアを重ねつつ、
一瞬一瞬を真剣に過ごしてきたことが伝わる、
いい時間になったんです。
聞き手は、ほぼ日の松田です。
5歳(ごさい)
株式会社マーボードウフ代表。
2023年より、「感動しちゃう麻婆豆腐」を目指してオリジナル羊肉麻婆豆腐のイベント出店などを中心に活動。旧・Twitterでは妻や家族について発信するうちに、フォロワー10万超に(そのアカウント名の言葉遊びから現在の「5歳」となる)。
もともとは整体師・鍼灸師兼リサーチャーやWebライターとして活動する一方で、広告代理店業を営む顔ももつ。
5歳さんのX https://twitter.com/meer_kato
5歳さんのInstagram https://www.instagram.com/gosai531/
株式会社マーボードウフ https://mabotofu.jp/
- ーー
- 実は、5歳さんに、
「人生グラフ」を書いてほしいなと、
思っているんです。
でも、これまでの話を聞いていると、
グラフってあまり適切じゃないかもしれないと
思い始めてきました。
ずっとプラスになっちゃうんじゃないかなと。
- 5歳
- 何をプラスとして、何がマイナスなんですか。
- ーー
- 何にしましょうかね。
- 5歳
- お金?
でも、お金ではあんまり計ってないですし。
うーんと「苦労」みたいな感じでもいいですかね。
- ーー
- 苦労、いいですね。
- 5歳
- (グラフを書き始めながら)
今、年齢が41歳です。
どこまで書けばいいかな。
- ーー
- 60歳くらいまで考えてもらう、
みたいな感じにしましょうか。
- 5歳
- じゃあ、20歳が始まりだとしましょう。
27歳くらいで結婚するんですけど、
そこまでは好き勝手生きていて、
イケイケだったんですよ。
でも結婚するとき、母親に
「年貢の納めどきだ」と言われたんです。
子どもの親にもなるわけだから、
年貢を納めなくちゃいけないのかと思って、
真人間になったという感じはしますね。
それでちゃんと治療院にも就職したんですけど、
30歳過ぎたあたりで、ツイッターで「バズり」ます。
ここから、今までそんなに
会ったことがなかった人たちと出会います。
それまで広告代理店なんて知らなかったし、
広告業というのは広告を印刷すること、
くらいの認識だったのに、
クリエイティブの人たちに会って、
おもしろい人たちがこの世にいるなと思ったんです。
- ーー
- ああー。
- 5歳
- いろんな出会いがありました。
広告業界の人とか、カメラマンとか
動画撮影の人とか、みんなすごくおもしろい。
東京のいいところって、
そういう人たちに会えるところだと思っています。
まあ、そんな感じで、
イケイケでいってたんですけど、
実は去年、かなり曲がり角というか、
八方塞がりみたいに感じるできごとがあって、
この後どうやって生きていこうか、
ということをすごく考えはじめます。
それがちょうど麻婆豆腐を始めたころと
重なっています。
- ーー
- そうだったんですね。
- 5歳
- それで、新しいことをはじめようと思ったんです。
麻婆豆腐の仕事が、
これまでのキャリアとまったく違うのは、
かなりたくさんの人が手伝ってくれたり、
お金を貸してくれたりしていることなんです。
これまでは、旅に出たり、マッサージしたり、
ライターやったりって、ひとりでやってきたことが
多かったんですけど、
今回、麻婆豆腐を始めたときに、
かなりいろんな人が応援してくれたんです。
ぼく、今まではジョブホッパーというのか、
楽しいことをどんどんやっていたんですけど、
麻婆豆腐に関して言えば、
飽きたからもういいや、というテンションでは
ちょっともう応援され過ぎてるから、
できないなっていう感じなんです。
だから、今後数年かけて、
この麻婆豆腐をとにかく軸にしていこうと。
「麻婆豆腐軸」です。
- ーー
- (笑)麻婆豆腐を軸に。
- 5歳
- 麻婆豆腐を突きつめていきたい。
目標はコンビニとコラボすることです。
それが、応援してくれてた人たちへの、
わかりやすい恩返しだなと。
それが1つの目標なので、そこに向かって行きます。
ブランディングをちゃんとして、
イベントやったら、いっぱいお客さんも来て、
コラボしたらすごく売れて、という状況を、
ここ3年から5年の間に作りたいです。
その後はいくつかやりたいことがあります。
1つはまず旅をしたい。
ぼく、世界一周してそうじゃないですか。
まだ半周しかできてないんですよ。
- ーー
- (笑)
- 5歳
- ネパールで止まっているんです、ぼくの旅。
日本は一周しました。
でも、世界は回れていないんです。
旅はなるべく若いうちがいいので、
麻婆豆腐の後、50代くらいまでにやりたいですね。
そして、これも一貫した夢がもう1つあるんですが、
「ピザ村構想」というのがあるんですよ。
- ーー
- ピザ村構想‥‥?
- 5歳
- これは何かというと、
1つの村の中だけで
ピザを全部作るんです。
そういう村を作ったら
おもしろいんじゃないかとずっと思っていて。
麻婆村構想でもいいんですけど、
ピザの方が、季節のお野菜も採れるし、いいかなと。
このピザ村構想は、旅が終わった後にやりたい。 - きっとみんな、やりたいことって
いくつかあるじゃないですか。
映画を撮りたいとか、小説を書いてみたいとか。
そういうのって、ずっと消えないものは
やった方がいいんですよ。
ピザ村構想は、17歳のときに思い浮かんで、
いまだにやりたいと思ってます。
だから絶対やります。
たぶん、村を作ったら、そこでぼくの人生も
だいたい終わりに向かっていくのかな。
村長ですね、最後は。
- ーー
- ピザ村の村長。
- 5歳
- はい。最後はピザ村村長(笑)。
ここまでは決まってます。
ピザ村が市になるかもしれないし、
ピザ県ができるかもしれないですけど。
あと、ここにいらっしゃる方とかで、
ピザ村の村民希望者がいたらぜひ言ってください。
もう誰でも入れるんで、ピザ村は。
- ーー
- (笑)
- 5歳
- こういったことを考えている人は
けっこういるんですけど、
結局みんなやらないから、ぼくがやるだけです。
なんかピザ村構想って、今までの
ぼくのやってきたことと、つながってると思いません?
農業もやってきたし、酪農家さんも手伝ってきたし、
今は料理をやってるし。
ここにつながるために、
いろんな経験をしてるのかなと思うんですよね。
ぼく、家も建てたことあるんです。
父が職人で、すごく器用で。
だからピザ村の改修工事もできるんですよね。
すごくいいチェーンソー2台に斧も4本持ってるから、
村を開拓することもできます。
えーと、すみません、
こんな話でいいんですか、今日のキャリアの話って。
役に立ってます?
- ーー
- 最高です。
ちゃんと目標を立てていることや、
いつまでにこれを、という目安があることが、
ちょっと意外でした。
- 5歳
- でも、初めてですよ、こうやって書いたのは。
今後やりたいことは2つです。
旅をして、帰って来て村を作る。
ぼく、ずっと旅をしてきたけど、
もう一度、この年になってから世界を見ると、
やっぱり見え方が違うだろうと思うし、
それを見たいと思っています。
- ーー
- ああ、いいですね。
- 5歳
- 麻婆、旅、ピザ村。
今、「麻婆豆腐フレンド」という言葉が
ぼくの周りで流行っているんですけど、
麻婆豆腐の常連さん同士が仲良くなって、
今、輪がすごく広がっているんです。
なにか1つの、集まる理由や
きっかけがみんな欲しいんですよね、きっと。
あと、たぶん、ぼくの麻婆豆腐が好きで、
お店に通い続けてくれる人たちって、
根本的に気が合うんですよ。
「友達の友達は友達」理論ですね。
だからハブみたいなものを作れると、
コミュニケーションが広がりやすく
なるんじゃないかなと思います。
すみません、真面目な話をしちゃって(笑)。
2024-11-29-FRI
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5歳さんの「僕の麻婆豆腐」が
株式会社マーボードウフの
ホームページで買えます。奈良県吉野町で大切に育てられた
希少な完熟山椒、
“羊SUNRISE”さんの羊肉、
口内でとろけるシルク(絹)豆腐など、
選りすぐりの材料を使い、
5歳さんが研究を重ねてたどり着いた、
「僕の麻婆豆腐」を冷凍便でお届けします。
3個セットと5個セットがあります。くわしくはこちら
※株式会社マーボードウフのサイトの販売ページにリンクします。