家で過ごすことが増えたいま、
充電のために時間をつかいたいと
思っていらっしゃる方が
増えているのではないかと思います。
そんなときのオススメはもちろん、
ほぼ日の学校 オンライン・クラスですが、
それ以外にも読書や映画鑑賞の
幅を広げてみたいとお考えの方は
少なくないと思います。
本の虫である学校長が読んでいる本は
「ほぼ日の学校長だより」
いつもご覧いただいている通りですが、
学校長の他にも、学校チームには
本好き・映画好きが集まっています。

オンライン・クラスの補助線になるような本、
まだ講座にはなっていないけれど、
一度は読みたい、読み返したい古典名作、
お子様といっしょに楽しみたい映画や絵本、
気分転換に読みたいエンターテインメントなど
さまざまな作品をご紹介していきたいと思っています。
「なんかおもしろいものないかなー」と思ったときの
参考にしていただけたら幸いです。
学校チームのメンバーが
それぞれオススメの作品を
不定期に更新していきます。
どうぞよろしくおつきあいください。

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no.26

『のはらうた I 』


工藤直子

のはらの小さな声に耳を傾けて。


『のはらうた I 』
工藤直子(童話屋 1250円)  

去年の夏、ほぼ日の学校は
「トークサロン」という小さな集まりを催しました。
「文学者の心で科学する。」と題して、
理工学部で学んだ作家・池澤夏樹さんと
昆虫に詳しい「虫屋」の
仏文学者・奥本大三郎さんが、
ゆったりとした雰囲気の中で
語り合ってくださいました。
その模様は、オンライン・クラス
おたのしみいただけます。

お二人の対話を聞いていると、
子供の心に戻って、天の星を見上げ、
地面に目を落として、
虫や植物を探したくなりました。
身近なところにワクワクの種は
あるものだと改めて感じたのです。

外出自粛の中で
手軽にできる気分転換として
散歩をする人が増えているような気がします。
そんないま、読み返したいのが、
工藤直子さんの『のはらうた』。
シリーズ6冊に加えて、
『のはらうた わっはっは』や
『版画のはらうた』『ポケットのはらうた』
といった関連図書もあります。

どれも、詩人・工藤直子さんが
「のはらのみんなのだいりにん」として、
野原の声をすくい取った詩集です。

「おう なつだぜ
おれは げんきだぜ」で始まる
「おれはかまきり」は
小学校の国語の教科書でおなじみかもしれません。

他にもすてきな歌がいっぱいです。

「こころ」  こいぬけんきち

かなしいと おもく ひきずる
うれしいと かるく はためく
しっぽは ぼくの こころだ

「はなのみち」 あげはゆりこ

ああふわり かぜのなか
おおひらり はなのみち
こちらから むこうから
ともだちが であいます

ああふわり こんにちは
おおひらり きれいだね
おどろうよ くるくると
かぜのなか はなのみち

「ふところ」 たけやぶまもる

ぼくの ふところに
ひかりの かけらが
しゃら しゃら しゃら
いっぱい

ぼくの ふところに
かぜの きれはしが
ひゅる ひゅる ひゅる
いっぱい

うえむき したむき
みぎむき ひだりむき
ふわり ふわり していると
ぼくの ふところの なかに
やさしいものが いっぱい

きっと景色の見え方が
ちがってきますよ。
散歩のおともに、ぜひ!

(つづく)

2020-05-22-FRI

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