家で過ごすことが増えたいま、
充電のために時間をつかいたいと
思っていらっしゃる方が
増えているのではないかと思います。
そんなときのオススメはもちろん、
ほぼ日の学校 オンライン・クラスですが、
それ以外にも読書や映画鑑賞の
幅を広げてみたいとお考えの方は
少なくないと思います。
本の虫である学校長が読んでいる本は
「ほぼ日の学校長だより」
いつもご覧いただいている通りですが、
学校長の他にも、学校チームには
本好き・映画好きが集まっています。

オンライン・クラスの補助線になるような本、
まだ講座にはなっていないけれど、
一度は読みたい、読み返したい古典名作、
お子様といっしょに楽しみたい映画や絵本、
気分転換に読みたいエンターテインメントなど
さまざまな作品をご紹介していきたいと思っています。
「なんかおもしろいものないかなー」と思ったときの
参考にしていただけたら幸いです。
学校チームのメンバーが
それぞれオススメの作品を
不定期に更新していきます。
どうぞよろしくおつきあいください。

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no.3

『あらすじで読む


シェイクスピア』


河合祥一郎

シェイクスピアの世界に
足を踏み入れるなら
必読の名ガイド。  

『あらすじで読むシェイクスピア』
河合祥一郎(祥伝社新書 880円)

河合祥一郎さんは、日本を代表する
シェイクスピア研究者であり、翻訳者であり、
また演出家であり、ナレーターもつとめられるという
まさにシェイクスピアのような才人。
ほぼ日の学校「シェイクスピア講座2018」でも
第2回第3回の講師に、音楽会の司会に、
ナレーションにと、
その多才ぶりを発揮されました。
そんな河合先生が書いた本ですから、
当然、ただのあらすじ紹介だけの本ではありません。

シェイクスピアの作品は詩で書かれていること、
「シェイクスピア・マジック」や
「オクシモロン(矛盾語法)」など
シェイクスピアを理解する上で欠かせないポイントから、
各作品のページでは、あらすじに加えて、
より深くたのしむための背景解説や
名台詞の引用があり、
また戯曲だけでなく詩まで網羅。

名ガイドの案内で旅行がぐんと充実するように、
シェイクスピアの世界をたのしむためのヒントが、
これでもかと詰まっています。

「本書は、入門書というより、
すでにシェイクスピア作品を読んだ(はずの)人の
覚書として利用していただくのがよいと思う」
と書かれているとおり、作品にふれたあとに読むと、
作品の理解がいっそう深まります。

本格的で情熱的にして、非常に懇切丁寧。
それなのにコンパクト! 新書サイズですから!
河合先生が講師をつとめられた、シェイクスピア講座2018の第2回第3回を聞いてから読まれると、
引用されているシェイクスピアの文章が
河合先生のすばらしい朗読で脳内再生されるはずです。

(つづく)

2020-04-21-TUE

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