3月6日 トークイベント参加者募集

(※チケットの販売は終了しました)

去年9月のある日曜日の早朝でした。
NHKをつけると、作家・古川日出男さんが
厳しい表情で道路を歩いているのです。
聞いていると、7月23日から8月10日の19日間、
福島県を南北に走る2つの国道、
4号線(中通り)と6号線(浜通り)を
南から北へ、そして北から南へと、
身ひとつで歩いた、と。

去年の夏はいつに増して苛烈な暑さでした。
福島でも最高気温は連日30度を超え、
8月10日に至っては36.7度。
「微熱か?」と言いたくなるような温度です。
そんななか、しかも除染廃棄物を積んだダンプが
土埃をあげながら脇を飛ばしていく道を
54歳の古川さんが歩いていました。
その距離280キロ!

この夏の徒歩に加えて秋にさらに80キロを歩き、
最終的に360キロにおよんだ旅の記録を
古川さんはこのほど、初のルポルタージュ
『ゼロエフ』にまとめました
(3月3日、講談社より刊行)

なぜ、そんな過酷なことを?
徒歩の末に作家は何を思ったのか?
東日本大震災・福島第一原発事故から
10年を前にした3月6日、
古川さんにたっぷり語っていただきます。

  • ― イベント概要 ―

     

    「おれは きのこ になるのだ」
    古川日出男さん
    ふるさと福島360キロ
    魂の 徒歩 かち を語る

     

    ・日程:2021年 3月6日(土)
    ・時間:13:30開場, 14:00開始, 15:30終了
    ・席数:30席
    ・会場:神田ポートビル2階
    (東京都千代田区神田錦町3−9)
    ・チケット:全席自由 2,000円(税込)

     


    ※当日券の情報などは「ほぼ日」のツイッターで
    お知らせをする予定です。

    ●古川さんと きのこ

    まずは、夏の激烈な徒歩の一端を
    動画でご覧ください。

     

     

    このとき、古川さんが直面していた危険は
    ふたつ――交通事故と熱中症。
    命を危険にさらしてまで、
    作家は何を求めたのでしょう。

    ひとつの鍵は茸です。
    この本で初めて
    明確に文章にされたそうなのですが、
    古川さんは福島県郡山市の
    シイタケ生産家に生まれました。

    チェルノブイリ原発事故のときも
    大きな話題になりましたが、
    茸は放射性物質を吸収しやすいとされています。
    家族が茸を育てていることが、
    古川さんが福島を見つめる眼差しに
    影響しないはずがありません。

    もうひとつの鍵は、
    古川さんが18歳で福島を出た
    東京在住者であること。

    後にした生まれ故郷との距離のとり方は
    それぞれに複雑なものですが、
    肉体を限界まで酷使した古川さんの徒歩も
    その複雑さのひとつの現れでしょうか。

    そして徒歩の途中途中で、
    古川さんは多くの人の声に耳を傾けます。
    福島の人は作家に何を聞いてもらいたかったのか。
    そして作家は何を「残そう」と思ったのか。

     

    ●『平家物語』へと通じるもの

    2018年、古川さんは、
    ほぼ日の学校「シェイクスピア講座」に
    講師として登壇してくださいました。
    その時のテーマは
    「『平家物語』と『蜘蛛巣城』と『マクベス』」。
    長い長い『平家物語』を、
    すべて手書きで現代語訳した古川さんは、
    いつも肉体を酷使することで
    思索を深めているように見えます。
    手を使って書くことで鎮魂し、
    歩いて書くことで、そこにいない人と対話する。
    今回の作品でも、
    古川さんの思いは『平家物語』が
    書かれた時代の人々に向かいます。

    古川さんの証言を聞き、
    情熱ほとばしる朗読を聞いて、
    あの日から10年の福島に
    思いをはせたいと思います。
    ぜひごいっしょに考えましょう。

     

     

    (c)森清

    古川日出男
    ふるかわひでお

    小説家。早稲田大学文学部中退。1998年『13』で作家デビュー。主な著書に『アラビアの夜の種族』(日本推理作家協会賞、日本SF大賞)、『ベルカ、吠えないのか?』(直木三十五賞候補)、『LOVE』(三島由紀夫賞)。古川版『源氏物語』ともいえる『女たち三百人の裏切りの声』で野間文芸新人賞と読売文学賞を受賞した。文学の音声化にも積極的に取り組み、2007年、雑誌『新潮』に朗読CD「詩聖/詩声 日本近現代名詩選」を、2010年には『早稲田文学』に朗読DVD「聖家族voice edition」を特別付録として発表している。2016年、『平家物語』を現代語訳(池澤夏樹=個人編集『日本文学全集09』)。1966年生まれ。

     

    【開催概要とチケット申し込み】

     

    ■開催日時:
    2021年3月6日(土)
    13:30開場, 14:00開始, 15:30終了

     

    ■出演:
    古川日出男

     

    ■場所:
    千代田区神田錦町3−9
    神田ポートビル 2階

     

    ■入場料:
    2,000円(税込)
    (入場料は当日受付にて現金精算になります。)

     

    ■販売席数:
    30席(全席自由)

     

    ■チケット申し込み:
    2021年2月22日(月)午前11時受付開始
    (売切れ次第終了)

     

    ・チケットは、Eventregistにてお申し込みいただきます。
    ・Eventregistでのお申し込みの際、新型コロナウイルス感染症対策のため、お名前とメールアドレスをお聞きします。
    ・当日券を出す場合は、ほぼ日のツイッターにてお知らせいたします。
    ・チケットの転売はご遠慮ください。

     

    ※当日券の情報などは「ほぼ日」のツイッターで
    お知らせをする予定です。

    【その他のお知らせ】

     

    ■当日の入場について
    ・開始30分前に開場し、受付を開始いたします。
    ・それ以前の時間はご入場いただけません。

     

    ■感染対策について
    本イベントは、下記の感染防止対策を行った上で開催いたします。
    ・壇上と客席間は、じゅうぶんな距離を保ち開催します。
    ・会場内は24時間換気を行っております。
    ・ご来場時は、必ずマスクをご着用ください。
    ・受付時に、非接触型体温計にて
    スタッフが検温させていただきます。
    37.5度以上の方はご入場をご遠慮いただきます。
    ・受付に除菌用アルコールをご用意いたしますので
    ご入場の際にご利用ください。
    ・発熱や味覚障害など、少しでも症状のある方は
    ご来場をお控えください。

     

    ■ご注意
    ・当日は映像、写真や音声が収録され、それを編集したものが、ほぼ日刊イトイ新聞WEBサイト、TwitterやFacebookなどのSNSで公開されます。ご自身が映り込む可能性がありますので、あらかじめご了承ください(映り込みがNGの場合はご参加をご遠慮ください)。
    ・キャンセルは、school@1101.comまでメールにてご連絡ください。
    ・許可を得ていない開演後の撮影ならびに録音は禁止とさせていただきます。

     

    ■お申込みについてのお問い合わせ
    school@1101.com宛に
    「古川日出男さんトークイベント」

    という件名でお送りください。
    なるべく早くお返事いたしますが、
    お待たせすることもございますこと、
    ご了承ください。

     

    ※当日券の情報などは「ほぼ日」のツイッターで
    お知らせをする予定です。