
ほぼ日の「生活のたのしみ展2025年」でおひろめした、
miiThaaiiの「ケサ ショルダーバッグ」。
スタイリストの田中美和子さんが、
お坊さんがまとう袈裟(けさ)からヒントを得たものを、
fog linen work・miiThaaii の関根さんが形にして
出来上がりました。
田中さんといえば、
ファッションからインテリア、フードスタイリングなど、
幅広い分野を手がけるスタイリスト。
関根さんも、田中さんの仕事には、
知り合う前から注目していました。
そんな2人が、
関根さんのオファーをきっかけに仕事をはじめて、
「そのうち、何か一緒につくろうね」と言っていたのが、
「ケサ ショルダーバッグ」という形で実現しました。
生活のたのしみ展では、
「欲しかったけど買えなかった」というお声もいただいたため、
このたび、6月18日 AM11:00から
ほぼ日オンラインストアにて、数量限定で再販いたします。
女性だけでなく、男性にも人気の秘密は、
その理にかなった形と、抜群の使いやすさ。
どんな工夫が詰まっているのか、
関根さんと田中さんに振り返っていただきました。

高さ: 31.5cm、 幅:25.5cm、紐の長さ: 92cm
田中美和子(たなか・みわこ)
スタイリスト。
ファッション、インテリアや
日用品のスタイリングを、雑誌、広告、
カタログ、TVCMなどの媒体で手がける。
日常の中の
「ちょっと気になる(すき)」を
探している。
山がすき、雪山がすき。
関根由美子(せきね・ゆみこ)
ふだん使いをテーマに、リトアニア産の麻素材で。
シンプルなデザインのキッチンリネンやベッドリネン、
ウエアなど、日々の暮らしに寄り添う布製品と
雑貨を展開する、下北沢「fog linen work」のオーナー。
すべてのアイテムがオリジナル、
関根さんはそのデザインと企画を行なっている。
また、南インドの人たちの日常着
「ルンギ」の生地を使って
いろいろな商品を作るべく、あたらしいブランド
「miiThaaii」(ミーターイー)を立ち上げ、
自らが現地への仕入れに赴いている。
下北沢のショップでは
fog linen workとmiiThaaiiのオリジナル製品のほか、
インドのワイヤーバスケットや雑貨類、
世界各国のアクセサリーやインテリア雑貨を販売。
- 関根
- 田中さん、
生活のたのしみ展では店頭にも立っていただいて、
ありがとうございました。
- 田中
- ケサ ショルダーバッグ、
欲しいのに売り切れてしまったという方もいましたので、
またお届けできるのはすごくうれしいです!
- 関根
- 店頭で美和子さんがつけて接客してくださったり、
バッグの中身をInstagram で紹介してくださって、
それを見て買いに来てくださった方も多かったんですよね。
- 田中
- そうなんです。
見た目はコンパクトに見えるのですけど、
「思ったよりもたくさん入っていたから気になりました。」
っていう人が、
買いに来てくださいました。
- 関根
- 今日は、そんなケサ ショルダーバッグがどうやってできたのか、
一緒に振り返っていただけたらと思っています。
もうかなり前ですけど、
私が撮影のためのスタイリングを美和子さんにお願いしたときに、
ふと「リネンのパンツが欲しい」
っておっしゃったところから始まったんですよ。
- 田中
- 最初はバッグじゃなくて、
パンツでしたね。
- 関根
- そうそう。
そもそも私が美和子さんと出会ったのは、
私が美和子さんのお仕事が好きで、
InstagramのDMから、
fogのカタログの撮影のためのスタイリングを
お願いしたのがきっかけでしたよね。
- 田中
- 私は関根さんからご連絡いただく前から
fogのことを知っていましたので、
ご連絡をいただいたときはすごくうれしかったです。
- 関根
- それからずっとお付き合いさせてもらって、
何か一緒に作れたらいいね、なんて言っていたんですけど、
そのリネンのパンツが欲しいっておっしゃったとき、
「このパンツが気に入っているから
サンプルで渡したいんだけど、
今日穿いてきちゃったから置いていけないんです」
っておっしゃって(笑)。
- 田中
- あはは。
その頃、毎日のように穿いていて、
それを渡しちゃうと穿くものがないっていう状態だったんです。
作るなら生地はこれがいいねっていうところまで進んだんですけれど、
季節が冬になったりして、
「リネンだから来春にしましょうか」
みたいな話をしつつ、
実現できないままだったんですよね。
- 関根
- そうそう。
それで今回、生活のたのしみ展2025をきっかけに、
2人で本格的に作ろう!
とスイッチを入れられたという感じでした。
- 田中
- ふふ。きっかけができてよかったです。
念願だったリネンのパンツをと思ったのですけど、
ウェアは小林和人さんと作られると聞いたので、
せっかくなら別のものにしましょうかと。
- 関根
- それで、美和子さんが欲しいバッグがあるというので、
形を聞いて試作を進めたんですけど、
この形は、どうやって考えられたんですか。
- 田中
- 実は以前、
私が別のブランドさんとのコラボレーションで作った、
コットンのショップバッグがあったんです。
ケサ ショルダーバッグよりももっと大きいサイズで、
購入されたお洋服をたたんで入れる
ワンショルダーのものだったんですけど、
形がとても気に入っていたので、
それを原型にしたバッグを作りたいなと思いました。
- 関根
- ワンショルダーということは、
手持ちのハンドルはなしで、
肩にかけるタイプ?
- 田中
- はい。
ななめかけです。
街も電車の中も人が多い東京で、
自分に見えないところに大事なものがあるって、
私、ちょっと不安になったんですよ。
じゃあ、後ろじゃなくて、
前にかけられる形がいいんじゃないかと思いました。
- 関根
- 最初の打ち合わせのときに美和子さん、
「お腹バッグ」
っておっしゃってました。
- 田中
- そうでした!
大事なものがここ(胸とお腹の間)にあると、
なんとなく安心するんですよね。
だから緊張している時などに
自然とここに手を当てることがあって。
ケサ ショルダーバッグを買ってくださったお客様のなかにも、
「赤ちゃんを抱いているみたいで落ち着くわ」
って言ってくださった方がいらして、
あ、みんなもおなじなんだなって。
- 関根
- うん、たしかに落ち着きますねぇ。
持ち方的には、
サコッシュと似てるのかな。
- 田中
- そうですね。
ナイロン素材のものは使っているのですけれど
同じような使い方で
もう少しシックに持てるものが
欲しいなと思ったんです。
- 関根
- それで素材をレザーにしたんでしたね。
そして、名前は「お腹バッグ」から、
最終的には「ケサ ショルダーバッグ」になりましたね。
- 田中
- 私が小さい頃の話ですけど、
うちにお坊さんが月に1回、
祖父の月命日にお経を読みに来てくれていたんです。
子どもの私はやることがないものだから、
お坊さんのすることをじっと観察するわけです。
そうすると彼らは、
ほんとんど手ぶらでやってきたのに、
どこからかシュッ、シュッと、
お数珠とか蛇腹のお経本とかいろんな物を
スマートに取り出すんですよ。
「あの秘密のポケットはいったい何?!」
って魅了されてしまって。
それが、
「ケサ ショルダーバッグ」のネーミングのヒントになりました。
- 関根
- へえー!
そんな前からきっかけがあったなんて。
- 田中
- でも実際にはケサ(袈裟)って
ポケットがついているわけではなくて、
私が見たお坊さんのいろんな道具は、
その下に着ている着物の胸元の合わせ部分とか、
袖口から取り出していたみたいですけどね。
当時の私には、
「ケサ」の印象がすごく大きかったんです。
- 関根
- ケサ ショルダーバッグって、
まさに袈裟みたいにかけますものね。
2025-06-13-FRI

