花や動物、日常の中で触れるものを描いた
やわらかいイラストが魅力のアーティスト、
イザベル・ボワノさん。
フランスでのライフスタイルやコーディネートにも
ファンの多いイザベルさんが考える
「毎日着たい」と思える服を、
fog linen workの関根さんが形にしました。
イザベルさんの「美しいものを見通す目」が
何を見て、どんな工夫を凝らして作られたのか
伺いました。
イザベルさん自身のスタイリングによる
パリジェンヌらしい装いにもぜひご注目ください!


イザベル・ボワノさんと作ったリネンウェア
2026.04.06 AM11:00 ON SALE!

>イザベル・ボワノさんのプロフィール

Isabelle Boinot(イザベル・ボワノ)

フランス・アングレーム在住のアーティスト。
アングレームの美術大学卒業後、
イラストや出版を中心に活動を開始。
花や動物、身のまわりにあるさまざまなモチーフを
やさしいタッチで描いたイラストが魅力。
ライフスタイルにもファンが多く、
『フランス田舎暮らし12カ月』
『パリジェンヌの田舎暮らし』
『おとしより-パリジェンヌが旅した懐かしい日本』など
著書も多数。

>関根由美子さんのプロフィール

関根由美子(せきね・ゆみこ)

ふだん使いをテーマに、リトアニア産の麻素材で。
シンプルなデザインのキッチンリネンやベッドリネン、
ウエアなど、日々の暮らしに寄り添う布製品と
雑貨を展開する、下北沢「fog linen work」のオーナー。
すべてのアイテムがオリジナル、
関根さんはそのデザインと企画を行なっている。
また、南インドの人たちの日常着
「ルンギ」の生地を使って
いろいろな商品を作るべく、あたらしいブランド
「miiThaaii」(ミーターイー)を立ち上げ、
自らが現地への仕入れに赴いている。
下北沢のショップでは
fog linen workとmiiThaaiiのオリジナル製品のほか、
インドのワイヤーバスケットや雑貨類、
世界各国のアクセサリーやインテリア雑貨を販売。

 

HP:https://foglinenwork.com/
Instagram:https://www.instagram.com/foglinenyumiko/

photo: 神ノ川智早

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02 世界は溢れるアイデアの泉

――
今回の撮影では
イザベルさんにモデルになっていただいて、
スタイリングもお願いしました。
コーディネートはいつもどんなふうに決められていますか? 
イザベル
私はだいたい1色~2色、
もしくは同じ系統の色を組み合わせて着ています。
家で過ごしたり散歩したりするときは、
着心地のいい素材を選びます。
気に入ったものは長く着るので、
いつも同じコーディネートに見えないように
記憶に残りやすい柄物の服はあまり選びません。
──実際には同じ服ばかり着ているんですけどね(笑)。

――
小物はどのように選ばれるんでしょう。
イザベル
靴の色を、バッグやスカーフの色と合わせることが多いです。
他にはフランスや日本で見つけた布を使った
自作のもの(バッグ、スカーフ、スマホポーチなど)。
誰かとの約束やパーティー、
展覧会のオープニングに行くときは
少し洗練されたアイテムとして
革のバッグと靴のセット、
さりげないジュエリーを身につけたりします。

――
撮影でも長く愛用されているバッグや、
古いシーツ生地を使った
イザベルさん自作のスマホポーチを見せていただきました。
新しく買うものは、どんな基準で選ばれていますか?
イザベル
私は服や物、アクセサリーを
できるだけ大切にしながら長く使うので、
自分の人生の一部になると思って、
よく考えて選ぶようにしています。
たとえばバッグの場合は、
デザインだけでなく容量や重さ、
持ちやすいかどうか、
手持ちのサンダル、スカーフ、ジャケット、
アクセサリーと合わせやすいかどうかを考えます。
年々、新しく買うものは
より一層ハンドメイドのものが多くなってきました。
自分が使うものが
どんな人の手から生まれたのかを知るのは魅力的で、
知ればもっと愛着がわいて、温かさも感じます。

――
日本には「年相応」という言葉がありますが、
イザベルさんは年齢と服装の関係について
どのように考えられていますか?
イザベル
年齢を重ねるほど、
自分にいちばん似合うもの、
気持ちよくいられるものが
分かってくるものだと思っています。
服装を選ぶときに年齢そのものはあまり意識しませんが、
その日の予定に合わせて、
1日を通して快適でいられるかどうかは必ず考えます。
その上で、素材はとても重要。
リネンは春夏に特に好きな素材で、
他とは比べられないほど
涼しさと軽やかさを感じます。
――
春と夏以外にも、
リネンに触れられることはありますか?
イザベル
リネンのシーツ、テーブルクロス、キッチンクロスは
一年じゅう愛用しています。
繊細な素材感が、季節を問わず
家の中をやさしく温かみのある雰囲気にしてくれるんです。
リネン以外だと、ウールも大好きです。
汗がこもりにくい素材で
寒いときには暖かく、暑いときには涼しく感じられるので、
夏でもウールを着ることがあります。

――
天然素材の良さですね! 
イザベルさんは「いいもの」を見通す目をお持ちなんだと、
イラストや作品を拝見して感じます。
クリエイティブの中で、
いつもどのようにインスピレーションを得られているんでしょう。 
イザベル
私はとても「眺めることが好きな人」なんです。
自然の色、動物の多様性、年配の方たちが纏っている優雅さ、
花・果物・野菜の美しさ、
そして職人の手仕事による作品──
陶器、かご、織物、木工、金属、ウールなどに宿る感性‥‥。
本当にたくさんのものから
インスピレーションを受けていて、
枯渇して困ったことは一度もありません!
世界は美しさに満ちていて、
好奇心を持って注意深くしていれば、
どの瞬間でも目の前にあるものに心を動かされて
アイデアを得ることができるのです。

photo : Isabelle Boinot photo : Isabelle Boinot

――
ふだんのクリエイティブと今回の服作り、
共通することはありましたか? 
イザベル
いつもと同じように、
服作りにも子どもみたいに夢中になりました!
私は普段から素敵なものを見れば描きたくなるし、
きれいな布(だいたいが古い布)を見つけると
服やアクセサリーを作りたくなります。
私は裁縫が上手ではないんですが、
布が大好きなので、
プロの仕立て屋だった祖母のように
アクセサリーや服を縫わずにはいられません。
特に、フランスの古いシーツ(コットン、リネン、ヘンプなど)の
白やベージュといった色のニュアンスは、
紙の色合いと同じように調和的で大好きです。
こういった創作欲求は子どもの頃からずっとあって、
一度も失くしたことがないんです。
それが私の存在理由だと感じますし、
自分の好きなものを人と分かち合うことがよろこびです。

photo : Isabelle Boinot photo : Isabelle Boinot

――
イラストレーターという仕事には、
どんなふうにたどりつかれたんでしょう。
イザベル
私は子どもの頃から描くこと、
絵の具で表現すること、
手で何かを作り出すことが好きでした。
自分の絵を通してよろこびを受け取ったり
また人に届けることができるのは、
本当に大きな幸せです。
絵画やドローイングには見る人を癒やす力があることを
自分自身の経験からも知っていますし、
自分の仕事が誰かを癒やしたり
インスピレーションを与えたりできるのなら本望です。
とくに今のように世界が困難な状況にある中で
誰かをほんの少しでも励ませられるのは、
私にとって大切な宝物です。

photo : Isabelle Boinot photo : Isabelle Boinot

――
今後作ってみたいものはありますか。
イザベル
それはもう、たくさんあります!
ちょうど今、
日本滞在中に出会った職人の方たちの仕事から
インスピレーションを得て、
和紙に描く絵画に取り組んでいます。
和紙、墨、胡粉など、
日本の素材で制作するのは本当にたのしくて、
職人さんたちの手仕事を尊敬しています。

photo : Isabelle Boinot photo : Isabelle Boinot

――
新しい作品もたのしみです。
今回は素敵な服をありがとうございました!
イザベル
私からも、
この服を選んで着てくださるみなさんに
心から感謝します。
このコレクションを通して、
フランスらしさや爽やかさ、
心地よさをお届けできたなら、
何よりのよろこびです。
私が日本を旅するとき、
素材や形が素敵な服にいつも出会います。
みなさまにとっても、
この服が心地いいものになりますように。

(おわります)

今回イザベルさんが提案してくださったスタイルは
どれもベーシック。
奇を衒わず、いい素材でベーシックなものを作ろう
というアイデアはイザベルさんらしく、
とっても素敵なものができたと思います。
とくにイザベルさんが着ていると
フレンチシックに見えますよね!

素材のリネンは、夏には何よりおすすめです。
年々、暑さが厳しくなる中で
私自身、リネンの仕事をしていて
本当によかったと実感しています。
今回のスタイルは特に透け感を気にせず
下着の上に一枚で着ていただけるので
(オフホワイトだけはちょっと気にしてくださいね)、

最も気温が高い時期でも
とても快適に過ごせます。
イザベルさんのコーディネートも真似しながら
楽しんでくださいね!

2026-04-02-THU

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